2  0  1  6  年  1  1  月  

《 12日 〜 13日 》    烏帽子岳 ・ 塩見岳

   鳥倉林道登山口 〜 三伏峠 〜 烏帽子岳 〜 三伏峠冬期小屋(泊) 〜 本谷山 〜 塩見岳 〜 三伏峠冬期小屋 〜 鳥倉林道登山口  (往復)

   松川IC近くのコンビニで山仲間のkana−catさんと待ち合わせ、登山口の鳥倉林道のゲート前の駐車場に向かう。 飛び石連休も終わり塩見岳は冬支度に入ったようで、駐車場には車が5台ほど停まっていただけで人影はなかった。 9時前に駐車場を出発。 登山道の入口までの車道はカラマツの落葉の絨毯が敷かれ、とても良い雰囲気だ。 7月にペルーの山を登ったkana−catさんとお互いの海外の山行の土産話をしながら今日の目的地の三伏峠の小屋に向かう。 樹間から見える中央アルプスの山々は先週よりも白くなっていた。 2200m辺りから登山道に新雪が見られるようになり、途中にある唯一の水場で一人当たり3リッターの水を汲んでいく。 天気は予想以上の快晴となり、塩川への分岐を過ぎると樹間から仙丈ケ岳や甲斐駒ケ岳、そして本谷山と塩見岳などが見えるようになった。 途中ですれ違った単独の男性二人からの情報で、塩見岳方面と小河内岳方面へ向かった単独の男性がそれぞれ1名ずついることが分かった。 駐車場から4時間ほどで誰もいない静かな三伏峠に着いた。

 

登山道の入口までの車道はカラマツの落葉の絨毯が敷かれ、とても良い雰囲気だった


登山道の入口からはカラマツ林の中を登る


樹間から見える中央アルプスの山々は先週よりも白くなっていた


2200m辺りから登山道に新雪が見られるようになった


途中にある唯一の水場はまだ雪に埋もれてなかった


樹間から見た本谷山


三伏峠


   冬期小屋として開放されている三伏峠小屋の別棟の内部は窓が大きくて明るく、奥にはドアで仕切られた6畳ほどの個室もあった。 先客のいない快適な小屋の中で昼食をゆっくり食べてから、予定どおり小屋から1時間ほどで登れる烏帽子岳へ向かう。 手袋が要らないほどの暖かさで、これ以上望めないほどの絶好の登山日和だ。 奇しくも前回烏帽子岳に登った6年前もkana−catさんと一緒だった。 360度の展望が利く烏帽子岳(1726m)の山頂からは、塩見岳はもちろん小河内岳や荒川岳、そして富士山が良く見えた。 誰もいない穏やかで静かな山頂で大展望を肴にしばらく佇み、明日の塩見岳への登頂に思いを馳せながら冬期小屋に戻った。 図らずも冬期小屋は貸切りとなり、ホットワインを飲みながらよもやま話の花が咲いた。 窓からは居ながらにして塩見岳や烏帽子岳が見え、スーパームーンとやらで満月前の月が大きく明るかった。


冬期小屋の入口


冬期小屋の内部


冬期小屋から見た烏帽子岳


冬期小屋から烏帽子岳へ


烏帽子岳の山頂手前から見た烏帽子岳


烏帽子岳の山頂


烏帽子岳の山頂から見た塩見岳


烏帽子岳の山頂から見た小河内岳と荒川岳(左奥)


烏帽子岳の山頂から見た富士山


烏帽子岳の山頂から見た蝙蝠岳


烏帽子岳の山頂から見た仙丈ケ岳(左)と甲斐駒ケ岳(右)


冬期小屋から見た烏帽子岳とスーパームーン


冬期小屋は貸切りとなった


   翌朝は4時に冬期小屋を出発。 予報どおり風も無く暖かい。 登山道の積雪は5センチほどで、昨日の単独者の新しい靴跡が印されていた。 雪はまだ凍っておらずアイゼンは不要だったので、コースタイムどおりに歩けた。 緩やかな登り下りを繰り返しながら本谷山に向かう。 夜明けの時間が遅くなり、5時に着いた本谷山の山頂からはまだ展望が得られなかった。 本谷山から塩見小屋の間の樹林帯の中は積雪が少し増したが、雪が柔らかかったので下りはかえって楽だった。 権右衛門山を通る塩見新道との分岐を過ぎると森林限界となり、白峰三山や仙丈ケ岳・甲斐駒ケ岳、そして中央アルプスの山並みが淡く見え始めた。


4時に冬期小屋を出発


まだ暗い本谷山の山頂


本谷山から塩見小屋の間の樹林帯の中は積雪が少し増した


塩見小屋の手前から見た白峰三山


塩見小屋の手前から見た小河内岳(中央)と烏帽子岳(中央右)


   雪の状態が良かったので、予定よりも早く6時半過ぎに塩見小屋に着くと、小屋の脇に単独者のテントが一張見られた。 雲一つない快晴の天気だが、朝陽が塩見岳の向こうから昇ってくるので登山道にはまだ陽が当たらない。 少し風が出てきたので休まずに塩見岳に登る。 森林限界となった登山道の雪は硬く締まっているが、単独者が昨日登った踏み跡を辿ることでアイゼンを着けずに登れた。 間もなくその単独者が下ってきたので、トレースのお礼をしながら雑談を交わした。 ミックスとなる天狗岩周辺の岩場の登りでは少し時間が掛かったが、単独者の踏み跡に助けられ、予定よりも早く8時に塩見岳の西峰(3046m)に着いた。 ようやく暖かな陽射しが降り注ぎ、足取りも軽く指呼の間の東峰に向かう。 4年ぶりとなる山頂(東峰/3052m)は、もちろん私達だけで貸切りだ。 空の青さは昨日ほどではないが、この頂から見える山は全て見えるほどの大展望に歓喜する。


塩見小屋付近から見た塩見岳の西峰と天狗岩


天狗岩周辺の岩場の登り


塩見岳の西峰直下


塩見岳の西峰でようやく暖かな陽射しが降り注いだ


塩見岳の西峰から見た仙塩尾根越しの白峰三山


塩見岳の西峰から足取りも軽く指呼の間の東峰に向かう


塩見岳の山頂(東峰)


塩見岳の山頂から見た荒川岳


塩見岳の山頂から見た小河内岳


塩見岳の山頂から見た蝙蝠岳


塩見岳の東峰から見た西峰


   陽射しに恵まれた暖かな山頂で30分ほどゆっくり寛ぎ、重い腰を上げて往路を戻る。 強い陽射しで気温が一気に上昇し、先ほどまで硬かった天狗岩周辺の雪がもう柔らかくなり始めていた。 本谷山の山頂の手前で先ほどの単独者に追いついたが、それ以外は誰ともすれ違うことなく三伏峠の冬期小屋に戻った。 

   居心地の良い小屋でもう一泊していきたい気持ちを押し殺し、荷物を整理して1時前に小屋を発つ。 日陰の雪は凍っている部分が多く、下りでは軽アイゼンが欲しくなるくらいだった。 kana−catさんと将来の海外の山の計画を語り合いながら、まだ陽の高い3時半に登山口の鳥倉林道のゲート前の駐車場に着いた。


 

塩見岳の西峰と天狗岩の鞍部から見た天狗岩


塩見岳の西峰と天狗岩の鞍部から見た塩見岳の西峰


塩見小屋付近から見た塩見岳の西峰と天狗岩


塩見小屋


塩見小屋と本谷山の間から見た塩見岳


三伏山の山頂から見た塩見岳と白峰三山(左奥)


三伏山の山頂から見た烏帽子岳


三伏山の山頂から見た小河内岳


鳥倉林道の終点の登山口


2 0 1 6 年    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P