《 5日 〜 6日 》 茶臼山 ・ 宝剣岳 ・ 木曽駒ケ岳
木曽駒高原 〜 茶臼山 〜 西駒山荘(泊) 〜 宝剣岳 〜 木曽駒ケ岳 〜 木曽駒高原 (周回)
秋の飛び石連休は東北の天気が冬型となり、関東甲信の山はどこに行っても混雑は必至だったので、紅葉狩りは潔く諦め、“通い慣れた”木曽駒高原から木曽駒ケ岳を周回するルートを辿ることにした。 これで4週続けて同じ年に同じ山を登ることになった。 過去にこのルートは2回とも日帰りで慌ただしく登っているので、今回は以前から泊まってみたいと思っていた西駒山荘の冬期小屋に泊まり、更に19年ぶりの宝剣岳をこれに加えることにした。
紅葉が盛りの木曽駒高原の登山口を8時過ぎに出発。 駐車場には車が一台停まっていただけで、予想どおり周囲に人影はなかった。 福島Bコースとの分岐に、これから渡る正沢川に架かる橋が流出しているという案内があったが、とりあえず予定どおり時計回りに茶臼山を通るルートを歩き始める。 30分ほど林道のような道を歩いて正沢川の渡渉点に着くと、以前渡った仮設の橋はなくなり、ワイヤーの残骸だけが残っていた。 気温はまだ氷点下だったので、濡れた岩の表面が凍っているため飛び石伝いには渡れず、少し下流に膝下で渡れる所をようやく探し当て、靴を脱いで渡渉した。 予想外の渡渉で1時間近く時間をロスしてしまったが、今日は行程がそれほど長くないので問題ないと思ったところ、今度は妻のお腹の調子が悪くなり、全くペースが上がらなくなってしまった。 引き返すことも考えながら一合目の標識毎に休み休み登る。 2200m辺りから登山道に新雪が見られるようになり、2時にいつも誰もいない静かな茶臼山の山頂に着いた。 まだ登山口に戻ることも可能だが、妻のお腹の調子が少し良くなったので、予定どおり行者岩を経て西駒山荘に向かう。 稜線に吹く風は予報よりも弱くてありがたい。
将棊頭山の山頂には寄らず、西駒山荘には予定より遅く3時半に着いた。 西駒山荘は2年前に改築され、冬期小屋として開放されている石室は、壁の隙間から床に雪が吹き込んでいた。 小屋の中には、ロープウェイに乗って木曽駒ケ岳経由で来たという若い男性が一人いた。 妻のお腹の調子がまだ治らなかったので、夕焼けショーは心置きなく楽しめなかった。 それでも山小屋周辺のロケーションは素晴らしく、北アルプスと南アルプスの両方の山々が眺められ、眼下には伊那の町の夜景も見えた。 日没後は予報にはなかった強い風が吹き始め、低温と隙間風で小屋の中は寒く、朝には水筒の水が少し凍っていた。
翌朝も未明まで強い風が吹き止まず、妻の体調も完全ではなかったので、予定よりも遅く6時半に山小屋を発つ。 山小屋の裏手の将棊頭山の山頂には行かず、最短のルートで木曽駒ケ岳の山頂を目指すことにした。 稜線の新雪は5センチほどしかなく、まだ凍ってなかったのでアイゼンは不要だった。 風がようやく収まると霧が湧いて視界が悪くなってしまったが、しばらくすると予報どおりの快晴無風の天気となり、御嶽山や乗鞍岳、そして南アルプスの山々が良く見えた。 前方には小屋で同宿した男性の姿が見えるが、予想どおり他にすれ違う人はいない。 宝剣岳も割愛するつもりでいたが、妻の体調が少し良くなってきたので、山頂手前の中岳との分岐で妻と別れて足早に宝剣岳へ向かう。 宝剣岳の山頂には19年ぶりに立てたが、写真を撮っただけでトンボ返りで木曽駒ケ岳方面に向かう。 喧噪の木曽駒ケ岳の山頂も足早に通り過ぎると、後は誰ともすれ違わずに八合目の先で休んでいた妻に追いついた。 七合目の避難小屋でゆっくり休み、まだ陽の高い3時前に木曽駒高原の駐車場に無時着いた。