2  0  1  6  年  1  0  月  

《 30日 》    浅草岳

入叶津 〜 沼ノ平 〜 浅草岳 〜 入叶津  (往復/周回)

    東北も甲信も週末の天気予報がそれほど良くなかったので、紅葉やピークハントにこだわらず、昨年の秋に道を失って辿ることが出来なかった浅草岳の沼ノ平ルートの踏破を目的に日帰りで浅草岳に登った。 浅草岳は今年の4月にも登っており、図らずも三週続けて同じ年に同じ山を登ることになった。

   5時半過ぎに登山口の入叶津の駐車場を出発。 駐車場には車が1台停まっていたが、周囲には人影がなかった。 1時間ほど登った「山神ノ杉」からトラロープの張られた沼ノ平へのルートに入る。 高山病の後遺症か、小三本沢の手前の「ブナ次郎」から八十里越えの旧道に入ってしまい、30分ほど時間をロスしたが、“怪我の功名”で予想外にこの道が踏まれていることが分かった。 「ブナ次郎」まで引き返し、すぐ先の小三本沢こ下る。 この時期の小三本沢は水量が少なく、ロープも張ってあるので問題なく渡れた。 ピンクのテープを拾いながら明瞭な踏み跡を辿っていく。 木々の色付きはまずまずだが、あいにくの曇天で周囲の景色は冴えない。 静寂の笹沼の脇を通り、登山道から少し外れた岩魚沼にも立ち寄った。 前回の下見が功を奏し、「風穴」と記された道標がある広場まで労せずして着いた。


入叶津の登山口


トラロープが張られた沼ノ平との下の分岐


「山神ノ杉」から沼ノ平へ


小三本沢は水量が少なく、ロープも張ってあるので問題なく渡れた


静寂の笹沼


登山道から少し外れた岩魚沼


「風穴」と記された道標がある広場


   予想どおり広場から先も踏み跡は明瞭で、二つ目の小三本沢の渡渉点まで迷う所は全くなかった。 沢の水量が少なかったので、靴を濡らすことなく飛び石伝いに小三本沢を渡り、対岸の顕著な尾根に取り付く。 ここから平石山を経由する登山道との分岐まで標高差は300mほどだ。 尾根上の踏み跡はなおも明瞭で、前回分岐から下ってきた時に道を失った場所の近くまで1時間も掛からなかった。 なぜ道を失ったのか不思議に思えてきた時、不意に足場が悪くなり踏み跡が急に細くなった。 地形図に記された登山道は真っ直ぐだが、標高差で20mほどの区間だけ踏み跡は東側に曲り、しばらくトラバースしてからヘアピンカーブを描いて西側に戻りかけると、そこはまさに前回道を失った場所だった。 もし前回ここまで下ってきてなければ、またそこでしばらく徘徊することになっただろう。 その周囲をつぶさに観察してみたが、テープ類は一切無かったので、黄色のテープを3か所に張り、上からでも下からでもあまり迷わずに通れるようにした。 ルートが繋がったことよりも、前回道を失った理由が分かったことが嬉しかった。

    トラロープが張られた沼ノ平との上の分岐には10時に着き、そこからは緩やかな起伏の癒し系の登山道を浅草岳の山頂へ向かう。 ブナの木々はすでに落葉しているものが多いが、予報どおり天気は尻上がりに良くなってきたので足取りは軽い。 一方で寒気の影響か、避難小屋跡の手前くらいから空気が冷たく感じられるようになった。 黄金色の広い草原となっている天狗の庭の木道は、新しいものに付け替わっていた。 意外にも山頂直下には赤い紅葉ではなく、白い霧氷の花が見られ、思わぬ山からの贈り物に嬉しくなった。


 

広場から先も踏み跡は明瞭で迷う所は全くなかった


二つ目の小三本沢の渡渉点


渡渉点から先の顕著な尾根上の踏み跡はなおも明瞭だった


前回道を失った場所


トラロープの張られた沼ノ平との上の分岐


緩やかな起伏の癒し系の登山道を浅草岳の山頂へ向かう


小三本沢の源頭の避難小屋跡


黄金色の広い草原となっている天狗の庭の木道は新しいものに付け変わっていた


天狗の庭から見た浅草岳の山頂


浅草岳の山頂直下から見た田子倉湖


浅草岳の山頂直下の霧氷の花


   11時半過ぎに山頂に着くと、紅葉の時期が過ぎていることもあり、新潟方面からの登山者もそれほど多くなかった。 山頂から前岳方面に少し下った所で寛いでいると、いつの間にか快晴の天気となり、青空に白い霧氷の花が良く映える。 順光となる山頂からの下りでは、僅かに残る紅葉を楽しめた。


浅草岳の山頂


浅草岳の山頂から見た前岳


浅草岳の山頂から見た守門岳


前岳方面から見た浅草岳の山頂


前岳付近から見た鬼ケ面山


浅草岳の山頂から天狗の庭へ


順光となる山頂からの下りでは、僅かに残る紅葉を楽しめた


2 0 1 6 年    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P