《 4日 〜 5日 》 中ノ岳
十字峡 〜 栃ノ木橋 〜 丹後山避難小屋 〜 丹後山 〜 兎岳 〜 中ノ岳 〜 中ノ岳避難小屋(泊) 〜 日向山 〜 十字峡 (周回)
GW後にずっと計画倒れになっていた新穂高温泉から双六小屋をベースに鷲羽岳を往復する計画は今週も天気予報が悪く、少しでも天気が良い新潟や東北方面の山に変更せざるを得なかった。 日曜日はどこの山もすっきりとした晴れの天気にはならないようなので、行き先は避難小屋が使える越後三山方面に落ち着いた。
6時に十字峡の駐車場を出発。 駐車場には地元ナンバーの車を中心にすでに10台ほどの車が停まっていた。 予想どおり中ノ岳への日帰りの登山者が多いようだ。 三国川沿いの林道は雪の多い年にはこの時期でも残雪があり、歩くのは危険だが、今年はGWですでに残雪が無かったようで本当に驚きだ。 気温が低かった昨日の涼しさが残り、丹後山への登山道の入口の栃ノ木橋から先の急坂も全く苦にならず、コースタイムよりも早く登れた。 予想どおり登山道には一片の残雪も見られず、シャクナゲの花はすでに咲き終えたものもあった。 今日もコシアブラを少し摘んでいく。 森林限界となる八合目を過ぎると、足元にはミヤマリンドウが一面に見られ心が弾んだ。 夕方から天気が崩れるという予報だったが、今のところ天気はまずまずで、中ノ岳はもちろん、ネコブ山・下津川山・巻機山・越後沢岳・本谷山などの山々が良く見えた。 予定よりも1時間ほど早い10時半に丹後山避難小屋に着いた。 小屋の脇に設置された雨水を溜める大型のタンクにはほぼ満タンに水が入っていた。
明日の天気は曇りがちという予報だったので、中ノ岳への縦走(十字峡への周回)はせず、この小屋に泊まって兎岳まで往復するつもりでいたが、今の天気はそこそこ安定し、天気が崩れ始める前に中ノ岳避難小屋に着きそうだったので、30分ほど小屋の中でゆっくり寛いでから中ノ岳に向かうことにした。
初夏にこのルートを歩くのは初めてだったが、稜線の残雪は予想よりも少なく、大水上山を経て兎岳までは殆ど登山道が露出していた。 稜線に咲く花を愛でながら歩いたが、笹の勢いが強いためか期待していた花々はミヤマリンドウとシラネアオイしかなかった。 兎岳(1925m)の山頂では、日帰りで私達と反対方向に周回している単独者とすれ違った。
兎岳から小兎岳を経て中ノ岳までは所々で残雪が登山道を覆っていたが、トラバース気味の所では念のためピッケルを突いて通過した。 予報どおり天気は次第に下り坂となり、空の色や周囲の山々の展望も冴えなくなってしまったが、暑さからは解放されて歩くにはちょうど良かった。 十字峡から日向山を経て上がってくる登山道との分岐(池ノ段)には新潟山岳会の7人の団体パーティーが寛いでいた。
丹後山避難小屋からはかなりゆっくりしたペースで歩いてきたが、コースタイムよりも早く3時半前に中ノ岳(2085m)の山頂に着いた。 すでに陽射しは弱くなり、山々の展望は冴えないが、予報どおりの天気なので仕方がない。 山頂から目と鼻の先の中ノ岳避難小屋に着くと、十字峡から登ってきた単独者が一人いただけだった。 丹後山避難小屋と同じ規格の雨水を溜める大型のタンクには、宿泊者の違いか水は全く入っていなかったので、小屋の近くの雪を集めて水を作った。 夕方前に銀山平から荒沢岳を経て登ってきた単独者と、八海山から御月山を経て登ってきた2人の若いパーティーが相次いで到着したので、今日の宿泊者は総勢13名と予想以上に盛況だった。 周囲はすっかり雲や霧に覆われてしまい、予想どおり夕焼けショーは叶わなかった。
夜が明けても天気は変わらず、朝焼けはもちろんご来光も拝むことは出来なかった。 他の宿泊者は越後駒ケ岳や丹後山方面に縦走するとのことで、下山するのは私達だけのようだ。 5時に避難小屋を発ち、中ノ岳の山頂は写真を撮っただけで通過する。 池ノ段の分岐から日向山への下りに入ると、登山道は殆ど露出しており、残雪は日向山(1560m)付近の池の周囲に僅かに見られる程度だった。 今日は天気が悪いので、中ノ岳への日帰りの登山者は2人だけだった。 昨日のうちに中ノ岳まで歩いたことが正解となり、殆ど消化試合的に9時に十字峡の駐車場に着いた。 帰路の車中のラジオで、関東や甲信が梅雨入りしたとの発表があった。