2  0  1  6  年    5  月  

《 14 〜 15日 》    以東岳 ・ 寒江山 ・ 竜門山 ・ 西朝日岳 ・ 小朝日岳

   日暮沢 〜 竜門小屋 〜 寒江山 〜 狐穴小屋(泊) 〜 以東岳 〜 狐穴小屋 〜 竜門山 〜 西朝日岳 〜 大朝日小屋 〜 小朝日岳 〜 日暮沢  (周回)

   先週の木曽駒ケ岳にご一緒いただいた山仲間のセッちゃんと二週続けての山行となり、天気予報は甲信よりも東北の方が良かったので朝日連峰に行くことにした。 山形道の『古関PA』で前泊し、登山口の日暮沢に向かう。 土砂崩れで通行止めになっていた日暮沢への林道は復旧工事が進み、日暮沢小屋の1キロほど手前まで車が入れるようになっていた。 橋が流された小沢の手前で林道は通行止めとなり、付近の路肩にはすでに車が5〜6台停まっていた。 8時に林道の通行止め地点を出発する。 15分ほど歩いた先の日暮沢は靴を濡らさないと渡れなかったので、少し上流に橋のように横たわっていた倒木の上を渡った。

   登山口の日暮沢小屋の前から竜門山へ新緑の眩しい急坂の尾根道を登る。 ヤシオツツジやタムシバの花が青空に映えて美しい。 セッちゃんがてんぷら油を持ってきたというので、登山道の脇にあったコシアブラを採りながら登る。 暑さでオーバーヒートしないようにこまめに休憩を取るが、この時期は虫が多いので閉口する。 ゴロビツの水場の手前から残雪が登山道を覆うようになった。 残雪の上は涼しくて虫も少ないので快適だ。 清太岩山(1464m)とその手前で二人のスキーヤーと二人の登山者に追いついたが、GW明けのためか登山者は予想以上に少なかった。 天気は予報よりも悪く雲が次第に多くなってきたが、登るには涼しいので助かる。 竜門山の山頂は踏まず、稜線の分岐を右に折れて竜門小屋へ下り、ほぼ予定どおり1時半前に竜門小屋に着いた。


橋が流された小沢の手前から林道を歩き始める


日暮沢の渡渉点は水量が多かったので、橋のように横たわっていた倒木の上を渡った


日暮沢小屋


竜門山へ新緑の眩しい急坂の尾根道を登る


ゴロビツの水場の手前から残雪が登山道を覆うようになった


残雪の上は涼しくて虫も少ないので快適だ


清太岩山への登り


清太岩山への登りから見たユーフン山(左)と竜門山(中央奥)


清太岩山への登りから見た障子ケ岳(中央)


清太岩山の山頂から見た以東岳


清太岩山の山頂から見た寒江山(中央左)と北寒江山(中央右)


ユーフン山の山頂から見た西朝日岳


ユーフン山の山頂から見た小朝日岳


ユーフン山の山頂直下から見た竜門山


竜門山への登り


竜門山への登りから見た寒江山(中央)と以東岳(右奥)


竜門小屋


   事前の情報どおり小屋の前に引かれたホースからは水が勢い良く出ていたが、今日泊まる狐穴小屋の水場の情報は事前に得られなかったので、5リッターほどの水を汲んでいく。 荷物は重たくなったが、稜線上は殆ど登山道が露出していたので、コースタイムどおりに歩けた。 登山道の脇に沢山見られたミネザクラはまだ蕾で、他の花々もまだ咲いてなかった。 寒江山(1694m)を過ぎても天気は回復せず上空の雲はますます厚くなってしまった。 途中ですれ違った単独者からの情報で、狐穴小屋の水場が使えることが分かった。 三方境の手前で先頭を歩いていたセッちゃんが前方に小熊を発見した。 小熊は私達に気が付くと、ハイマツの茂みの中へ飛び跳ねながら逃げて行った。 

   山々の展望や花々に足止めをされることもなかったので、予定よりも早く3時半過ぎに狐穴小屋に着いた。 日暮沢から登った人はみな竜門小屋に泊まるようで、図らずも小屋は私達だけで貸し切りとなった。 夕方になっても以東岳はすっきり望めず、楽しみにしていた夕焼けショーは叶わなかった。 夕食は偶然お互いに持参した旬のアスパラと先ほど採取したコシアブラの天ぷらをたらふく食べた。


竜門小屋から寒江山へ


竜門小屋と寒江山の間から見た南寒江山(左)・寒江山(中央)・北寒江山(右)


竜門小屋と寒江山の間から見た西朝日岳(中央)と竜門山(左端)


南寒江山の山頂から見た寒江山


寒江山の山頂から見た相模山


寒江山と北寒江山の間から見た寒江山


三方境付近から見た狐穴小屋と以東岳


狐穴小屋


狐穴小屋の内部


コシアブラの天ぷら


狐穴小屋から見た以東岳


狐穴小屋から見た夕焼け


   翌朝は周囲が明るくなり始めた4時に狐穴小屋を出発し、以東岳を往復する。 予報どおり風がなく暖かい朝で、月山方面の朝焼けが美しい。 小屋の裏手の残雪の斜面は硬かったので、6本爪のアイゼンを着けてトラバース気味に登る。 昨日の単独者からの情報どおり残雪はすぐに終わり、登山道は以東岳まで露出していた。 緩やかな登り下りを繰り返しながら、中先峰(1523m)の手前でご来光となった。 中先峰を過ぎると後方には飯豊がすっきりと遠望されるようになった。 指呼の間の以東岳のみならず、相模山の残雪の模様が美しい。 快晴無風の天気に足取りも軽く、狐穴小屋からちょうど2時間で以東岳の山頂に着いた。 もちろん山頂は私達だけで貸し切りだ。 まだ陽の当たらない大鳥池は暗かったが、360度の展望が利く山頂からは鳥海山や月山、そして大朝日岳への長大な稜線が一望され、このまま時間が止まってくれれば良いと願わずにはいられなかった。 火事で焼失した以東小屋がなくて物悲しい。 

   以東岳からは1時間半ほどで狐穴小屋に戻り、荷物を整理して8時半に小屋を出発する。 天気は相変わらず快晴で、稜線に吹く爽やかな風が心地良い。 10時にすでに誰もいなくなった竜門小屋に着いた。 計画ではここから西朝日岳を往復して日暮沢に下るつもりだったが、天気が予想以上に良かったので大朝日小屋・小朝日岳を経由して日暮沢に周回することにした。 この先の水場は全てまだ雪の下なので、4リッターほどの水を汲んでいく。


 

月山方面の素晴らしい朝焼け


狐穴小屋の裏手の残雪の斜面をトラバース気味に登る


狐穴小屋と中先峰の間から見た朝焼けの相模山


中先峰の手前でのご来光


中先峰の山頂から見た以東岳


中先峰の山頂から見た飯豊連峰(遠景)


中先峰と以東岳の間から見た以東岳


中先峰と以東岳の間から見た雲海


以東岳の山頂


以東岳の山頂から見た大鳥池


以東岳の山頂から見た月山(右)と鳥海山(左遠景)


以東岳の山頂から見た化穴山(中央)


以東岳の山頂から見た大朝日岳への長大な稜線


以東岳と中先峰の間から見た以東岳


以東岳と中先峰の間から見た相模山


狐穴小屋から見た以東岳


狐穴小屋から竜門小屋へ   背景は月山


北寒江山の山頂から見た以東岳


北寒江山と寒江山の間から見た相模山


寒江山の山頂


寒江山の山頂から見た相模山


竜門小屋付近から見た竜門山


   竜門小屋から竜門山を経て西朝日岳の山頂までは登山道が全て露出していたが、花が一輪も咲いていないので違和感を覚える。 以東岳の山頂からは豆粒ほどにしか見えなかった大朝日岳がだいぶ近くに見えるようになった。 ザックは重たくなったが、昼になっても素晴らしい青空が続いていたので足取りは軽い。 竜門山から西朝日岳(1814m)の山頂へは1時間ほどで着いた。 山頂からは端正な大朝日岳の眺めが圧巻だった。 

   正午を過ぎて暑さが懸念されるようになったが、西朝日岳の山頂から中岳(1812m)のコルに向けての下りと中岳の山頂から大朝日岳のコルに向けての下りは残雪のスロープになっていたのでスピーディーに歩けた。 1時過ぎに大朝日小屋に着くと、昨日清太岩山で出会ったスキーヤーのうちの一人と再会した。 彼らは大朝日岳直下の40度を超える急斜面を滑ったとのこと。 ひんやりとして気持ちの良い山小屋の中で充分クールダウンし、1時半に小朝日岳に向けて下る。 残雪は少ないがまだ銀玉水は雪の下だった。 小朝日岳を巻く道はアイゼンとピッケルが要るので、カタクリの花に励まされながら熊越のコルからの急坂を暑さに喘ぎながら小朝日岳(1647m)の山頂へ登る。 

   小朝日岳から古寺山(1501m)を経て古寺鉱泉との分岐までは涼しい残雪の上を歩けて助かった。 辿ってきた以東岳からの長い主脈の稜線と幾つものピークが一望され、予定にはなかった周回が出来て良かったと思った。 樹林に覆われたハナヌキ峰(1196m)から日暮沢への林道の下りは急坂が連続し、9年前の秋に途中で日が暮れてしまったことが思い出された。 日暮沢は靴を履いたまま渡渉し、まだ明るい6時前に林道の路肩に停めた車に戻った。


竜門小屋から竜門山へ


竜門山の山頂から見た中岳


竜門山と西朝日岳の間から見た西朝日岳


竜門山と西朝日岳の間から見た大朝日岳(中央右)と中岳(中央)


西朝日岳の山頂


西朝日岳の山頂から見た以東岳(中央奥)


西朝日岳の山頂直下から見た大朝日岳(中央)と中岳(左)


西朝日岳の山頂から中岳のコルに向けての下りは残雪のスロープになっていた


西朝日岳と中岳の間から見た祝瓶山


西朝日岳と中岳の間から見た竜門山


西朝日岳と中岳の間から見た西朝日岳


中岳と大朝日岳の間から見た大朝日岳


中岳と大朝日岳の間から見た中岳


大朝日小屋


大朝日小屋から小朝日岳へ


大朝日岳と小朝日岳の間から見た大朝日岳


大朝日岳と小朝日岳の間から見た小朝日岳


熊越のコルに咲くカタクリ


大朝日岳と小朝日岳の間から見た御影森山(中央)


小朝日岳の山頂から見た大朝日岳(左)・中岳(中央)・西朝日岳(右)


小朝日岳から古寺山へ


古寺山の山頂


古寺山から古寺鉱泉との分岐までは涼しい残雪の上を歩いた    中央奥が以東岳


2 0 1 6 年    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P