《 6日 》 金城山
槻岡寺 〜 観音山コース 〜 金城山 (往復)
5時半に道の駅『南魚沼』を出発し、金城山の登山口の雲洞庵に向かう。 気温は予報どおり6度と異常に高くて暖かい。 金城山に初めて登ったのは17年前の晩秋で、登りは滝入コース、下りは水無コースで周回した。 次回は是非山頂の避難小屋に泊まりたいと願いつつ、この山を登る時間が割けずにいた。 今回はたまたま昨日登った平標山から近いということで金城山を登ることになったが、積雪期にどの程度この山が登られているのか全く分からなかったので、ガイドブックにメインルートと記された『雲洞コース』を選んだが、意外にも現地に着くと登山口への林道が除雪されておらず、林道の入口すらも分からない状況だった。 登山地図には雲洞庵から岩井沢川に沿って登るコースがもう一つあったので、こちらのコースを登ることにした。
雲洞庵の駐車場に車を置き6時半に出発。 このルートも登山地図に記された登山口の駐車場までの林道が除雪されていないばかりか、最後の民家の裏に文字の消えかけた古い道標が一つあっただけで、トレースは全くなかった。 標高はまだ250mほどだがスノーシューを履いて轍のない林道を歩き始める。 町から近い金城山がなぜ全く登られていないのか不思議に思えた。 駐車場らしき所を過ぎた二つ目の大きな堰堤で林道は終わり、そこから地形図と登山地図を頼りに沢沿いにルーファンしながら進む。 沢は積雪が少ないので埋まっておらず、周囲の雪が中途半端に残っているため極めて歩きにくい。 試行錯誤を繰り返しながら少しずつ前進してみたが、雪解けが進むの沢沿いのルートを遡るのは危険かつ無謀と判断し、泣く泣く引き返すことにした。
登山地図にはこの近くにもう一つ『観音山コース』というのがあったので、雲洞庵から車で10分足らずの槻岡寺付近の登山口に向かう。 意外にも登山口付近の駐車スペースには県外ナンバーの車を中心に車が5台も停まっていた。 積雪期はこのルートを登るのがスタンダードなのだろうか。 気を取り直して9時半過ぎに『こぶし遊歩道』と記された登山口を出発。 トレースが期待出来るので、スノーシューは車に置いていく。 明瞭な尾根筋の登山道には雪がなかった。 随所に石仏が置かれた展望の良い尾根上からはすぐに金城山の山頂が望めた。 沢山の石仏が並べられた二合目からは雪道となったが、先行者のトレースのお蔭でラッセルは不要だった。 三合目の手前で若い7名の団体パーティーとすれ違う。 山頂手前で幕営されたとのことで、地元の方ではないようだった。
大きな松の木がある三合目から、ゆっくり登りたいという妻と別れて先行する。 すぐに単独の女性とすれ違う。 やはり途中で幕営されたとのこと。 五合目の手前からは尾根が顕著になり、これから登るルートが良く見えた。 五合目にテントが二つあり、時々山中でお会いする『ちば山の会』の有志の方々がちょうど下山してきたので、上の様子を伺って先に進む。 六合目付近では先ほど登った雲洞コースが合流するようになっているが、道型はおろか標識やテープの類も一切なかった(帰宅後に雲洞コースは災害により通行止めになっていて、現在はこの観音山コースがメインルートになっていることが分かった)。
六合目を過ぎると尾根は痩せ、所々で急になったのでアイゼンを着ける。 間もなく今日初めて日帰りの単独者とすれ違う。 この方は地元の方だったが、山頂は踏まれなかったようだ。 あいにく天気の崩れが早くなったようで、1150m地点からは風が強まってきた。 間もなく男女4人のガイドパーティーが下ってきたが、風が強いので下山するとのことだった。 風はかなり強いが、昨日の爆風に比べたらそよ風だ。 すでに20人ほどの人達とすれ違ったが、このパーティーが最後だった。
八合目を過ぎると尾根は広くなり、どこが登山道か分からなくなるが、階段状のトレースのお蔭でコースタイムよりも早く登れてしまう。 予想よりもだいぶ早く1時過ぎに頂上稜線の西端に着いた。 ここから先は雪庇が崩れそうな荒々しい小岩峰が連続しているため、古いトレースはあるが今日は誰も三角点がある避難小屋方面へは行ってないようだった。 気温の上昇で岩に張り付いた雪庇の状態が悪かったが、ロープで確保しながら少しずつ足元の雪を切り崩して先に進むと、山頂の標柱が見えたのでそこまで進むことにした。 天気は下り坂に向かっていたが、雪庇の上の山頂からは正面に巻機山が大きく望まれ、越後三山や奥利根の山々も良く見えた。
1時半に再訪を誓って山頂を後にする。 10分ほど下ったところで妻が登ってきた。 山頂に一緒に登り返すことを勧めたが、腰の状態が良くないので、ゆっくり下山することになった。 今回登ったルートは事前に全く調べてなかったので、ルートを良く観察しながら下ると、ルーファンは難しくないが、痩せ尾根や急斜面が所々にあり、トレースがなければ決して簡単に登れる山ではないことが分かった。 地元の人が少なかったのはそのせいなのだろうか。 ゆっくりでもトレースのある下りは速く、4時半に登山口に着いた。