《 6日 》 大室山
神ノ川ヒュッテ 〜 犬越路 〜 大室山 (往復)
昨シーズンから冬の西丹沢の山に通い始めたが、この山域は登山口へ車でアプローチする環境が整っていないことが分かった。 土曜日の天気予報は曇りで日曜日は晴れだったので、土曜日は登山口の下見を兼ねて神ノ川林道を車で入り、神ノ川ヒュッテから犬越路避難小屋を経由して25年ぶりに檜洞丸に登ることにした。 神ノ川林道は神ノ川ヒュッテから1キロほど手前の長者舎付近まで除雪されていたが、登山者ではなく釣り人の車が見られた。 神ノ川ヒュッテには有料の駐車場があるが、積雪があると使えないことが分かった。
長者舎付近の広い路肩に車を停めて6時半に出発。 周囲に登山者の影は無かったが、神ノ川ヒュッテの先からしばらく未舗装の林道を歩いて登山道に入ると、数日前に2人くらいが往復したトレースがあった。 東海自然歩道の新しい標識が100m毎に立っているので、ルーファンの必要は全く無い。 予想以上にスムースに登れると思ったが、『犬越路0.3km』の標識の所から状況は一変した。
この辺りから登山道は日陰沢の源頭に沿ってつけられているが、凍てついた沢には稜線から大量の氷の粒(霧氷が風で落ちたもの)が雪崩のように流されてきて登山道を分断していた。 アイゼンでもフリクションが利かない斜面を登ることは経験もなく危険を感じた。 丹沢の実線の登山道が使えなくなったのは想定外だった。 今日は夕方の登山口の下見に備えスピード重視だったので、ロープはあるものの6本爪のアイゼンでピッケルもない。 沢状地形となっている登山道を登るのは諦め、右側の支尾根から登ってみたが、雪が硬かったり柔らかかったりして安定せず、活路を見出すことは出来なかった。 この時点で今日の目標だった檜洞丸に周回で登るのは諦め、犬越路避難小屋から反対の尾根を辿って大室山を往復することに変更し、一旦支尾根を下ってもう一度登山道に沿って登ることにした。 時間は気にせず安全を第一に、氷の粒の上や急斜面のトラバースを硬い雪に何度も足を蹴り込んで足場を作りながら登る。 頭上には避難小屋とそこを通る人影も見えるようになったが、雪質が悪く遅々として登ることが捗らない。
登山地図のコースタイムでは1時間20分となっている神ノ川ヒュッテから犬越路避難小屋まで4時間を要し、11時前にようやく犬越路避難小屋に着いたが、まるで山の頂に着いたような気分だった。 表玄関とも言える西丹沢自然教室から登ってくる人はそこそこいるようで、大室山のみならず檜洞丸方面にも明瞭なトレースがあった。 天気も予報どおりの曇り空だったので檜洞丸に未練はない。 犬越路避難小屋はトイレもあり、綺麗で快適そうな小屋だった。 大室山への登山道は踏み固められたトレースで登り易く、先ほどまでの登りと比べたらまるで天国だ。 稜線には先ほど苦しめられた氷の粒の源となる霧氷が見られた。
避難小屋から労せずして2時間足らずで大室山の山頂に着いた。 樹間から僅かに檜洞丸や蛭ケ岳を望むだけの地味で静かな頂だ。 昨年の2月にも和出村から登っているので、休憩することもなく写真を撮っただけで早々に帰路につく。 危惧していた避難小屋直下の下りは、雪が少し緩んだことで予想よりも易しく下れたので4時に車に戻れた。 神ノ川林道を下り、明日予定している東海自然歩道の起点の焼山登山口までの間で車を停められる場所を探したが、国道413号線は道幅が狭く、適当な場所が見つけられなかった。 焼山登山口付近には車を停める場所は無かったがコンビニはあった。 唯一車を停められる場所があったのは平丸というバス停付近で、ちょうどここからは焼山登山口からの東海自然歩道に合流する登山道の入口があったので、明日はここから登ることにした。 平丸バス停の近くには日帰り温泉施設の『いやしの湯』があり、入浴後は野外トイレがある施設の駐車場で泊まった。