《 31日 》 小楢山
鼓川温泉 〜 妙見山 〜 差山 〜 大沢ノ頭 〜 幕岩 〜 小楢山 〜 焼山峠 〜 乙女高原 〜 塩平 〜 鼓川温泉 (周回)
飛び石連休の喧噪と微妙な天気予報で行き先を選ぶのに苦労したが、終盤を迎えつつある紅葉狩りを目的に、土日とも日帰りで山梨の山を歩いた。 土曜日は奥秩父の前山とも言える小楢山(1712m)に鼓川温泉から登り、焼山峠へ縦走した。 地形図には鼓川温泉からの登山道は記されてないが、昭文社の登山地図には破線で記されていた。 小楢山は山梨百名山にノミネートされているが、まだ登ったことはなかった。
鼓川温泉の市営の駐車場に車を停め、6時半過ぎに登山口の標識に従って登山道に取り付く。 この山を登る人の殆どが焼山峠から登るため、鼓川温泉から登る人はいないと思われたが、意外にも登山道は明瞭で、すぐに顕著な尾根に乗ったため、迷うような所は全くなかった。 労せずして最初のピークの妙見山(1224m)の山頂に着く。 天気が良ければ南東方面の展望がありそうだった。 妙見山から先も岩っぽい顕著な尾根が続き、周囲には紅葉した木々が見られるようになった。 二つ目のピークの差山(1358m)の山頂は雑木に囲まれ展望はなかったが、山頂直下からはこれから向かう大沢ノ頭が良く見えた。
差山から未舗装の林道が通る一次の峠に下り、大沢ノ頭への長い登りに入る。 所々に木々の切れた「富士見台」・「見返りの岩」・「みだれ岩」・「天狗岩」と名付けられた展望所があったが、肝心の天気が予報以上に悪くて残念だった。 山中の紅葉も曇りがちな天気で冴えず、当初の目論見どおりにはいかなかったが、風が強いという予報も外れたので、尾根上は終始無風で快適だった。
大沢ノ頭(1674m)を過ぎるとすぐに幕岩というユニークな形の岩塔があった。 見た目には険しかったが、鎖などを使って容易にそのてっぺんまで登れ、高度感に溢れた360度の展望が得られたが、あいにく眼前の金峰山などの奥秩父の主脈の山々には雲が取り付いていた。 11時に立派な方位盤が置かれた目標の小楢山(1713m)の広い山頂に着いたが、天気は回復せず富士山は霞んで見えなかった。 誰もいない静かな山頂で寛いでいると、次々と登ってくる人が現れたので、山頂から焼山峠方面へ下る。 途中から幅の広い防火帯の中を登り下りとなり、子さずけ地蔵が置かれた焼山峠の登山口を経て、その先の乙女高原まで車の往来が少ない車道(クリスタルライン)を歩いた。 乙女高原からは『乙女高原自然観察路』と登山地図に記された登山道を下ったが、踏み跡は薄く名称とは裏腹に道標やテープ類がなく不安を感じる道だった。
焼山峠からの車道と合流し、塩平の集落を経て鼓川温泉まで1時間半ほど車の往来が少ない車道を歩く。 3時過ぎに車を停めた鼓川温泉の駐車場に着くと、それまでの静寂さが嘘のように駐車場は地元や県外ナンバーの車で埋まり、期待していた温泉に入ることが出来なかった。