《 5日 》 爺ケ岳 ・ 鹿島槍ケ岳
扇沢 〜 爺ケ岳 〜 鹿島槍ケ岳 (往復)
8月中旬にカザフスタンから帰国した後は、週末のみならず天気がずっと悪く、ようやく土曜日に晴れの予報が出たので、日帰りで柏原新道から爺ケ岳を経て鹿島槍ケ岳に登った。 妻は2か月ぶり、私も1か月ぶりの山登りだ。
6時過ぎに扇沢下の登山者専用駐車場を出発。 すでにこの時間でも広い駐車場はほぼ満車だった。 柏原新道は尾根の少し内側を歩くので朝方は涼しくて快適だ。 まだ夏山シーズンなので、前後を歩く登山者は多い。 種池山荘の少し手前で、2年前のネパールの山にご一緒した広島の山村さんとすれ違った。 予定よりも少し早く、9時前に種池山荘に着く。 予報どおり天気は良いが、昨日まで降り続いた雨のせいで霧が湧き始め、先ほどまですっきり見えていた針ノ木岳方面の山々を隠してしまった。
種池山荘前のベンチで一息入れ、指呼の間の爺ケ岳に向かう。 ここからは2か月ぶりに山を登る妻のペースに合わせてゆっくり歩く。 剱岳や毛勝山方面は良く見えるが、目標の鹿島槍ケ岳にはすでに麓からの霧が湧き始めていた。 爺ケ岳は南峰だけ踏んで鹿島槍ケ岳に向かう。 爺ケ岳を過ぎると、登山者の数は少なくなった。 10時半過ぎに冷池山荘に着き、山荘前のベンチで大休止する。
山荘の上にある幕場には2年前に泊まったばかりだが、無雪期の鹿島槍ケ岳に登るのは久しぶりだ。 ハイマツ帯に入る前の登山道の脇には高山植物が多く見られた。 天気はそれほど悪くないが、立山や剱岳にも雲が取り付き始めた。 布引山(2683m)を過ぎると扇沢や種池山荘から出発した人達とすれ違うようになり、目標としていた1時よりも少し早く、12時半過ぎに鹿島槍ケ岳(2889m)の山頂に着いた。 山頂には多くの登山者が思い思いに寛いでいた。 あいにく到着と同時に山頂は霧に呑み込まれてしまい、楽しみにしていた五竜岳方面の展望は得られなかった。 山頂にいた三羽の雷鳥の兄弟が、皆のカメラの被写体になっていた。
霧が上がる兆しが全くないので、1時に山頂を発って往路を引き返す。 布引山から爺ケ岳方面の稜線も次第に霧が覆い始めた。 冷池山荘までは立ち止まって見る景色もなくなり、山頂から1時間足らずで下ってしまった。 明日の天気を予想してか、幕場にはテントが数張しか見られなかった。 再び冷池山荘前のベンチで大休止し、爺ケ岳への長い登り返しに備える。 相変らず霧で展望は得られず、爺ケ岳は中峰(2669m)だけ踏んで種池山荘へ下る。 山荘の周囲には宿泊者の姿が多く見られたが、柏原新道の下りでは人影が無くなり、日没寸前にアルペンルート脇の登山口に着いた。