2  0  1  5  年    4  月  

《 4日 》    窓明山 ・ 坪入山

  国体コース登山口 〜 窓明山 〜 坪入山  (往復)

   週末の雨の予報が直前に晴れに変わり、急遽山に行くことになった。 山行の計画を立てる時間もなかったので、先週登れなかった窓明山(1842m)と条件が良ければその先の坪入山(1774m)へ行くことにした。 雪解けのこの時期に、一週間で山がどのように変わったかを見るのも面白いだろう。

   先週と全く同じスケジュールで道の駅『番屋』に前泊して翌朝登山口の小豆温泉に向かう。 先週はマイナス7℃だった未明の気温は今日はプラス3℃と10℃も違う。 4月に入り、三岩岳のスキーの旬は過ぎたのか、小豆温泉のスノーシェッド手前の路肩の除雪されたスペースには車が停まっていなかった。 国体コースの登山口周辺の積雪もここ数日の高い気温と雨で先週と比べて50センチほど少なくなり、沢も雪から出ていた。 5時半に登山口を出発。 先週の経験を活かし最初からスノーシューを履いていく。 予報どおり朝方は破天荒だった昨日の天気が残り、上空は雲や霧に包まれていた。 ランドマークの899mの電波塔には出発してから30分ほどで着く。 その先のやせ尾根では登山道が露出している所があり、周囲の山肌にも雪が剥げ落ちている所が見られた。 足元の雪も先週とは全く違う湿雪となり、残雪期のように少し薄汚れてきた。 ブナ林が始まる1100m地点に着くと、ようやく周囲を隠していた霧があがり、雲間から薄陽が射すようになった。 三岩岳も辛うじて見えた。 相変らずスノーシューを履いた妻のペースは遅いが、新道コースとの分岐には先週よりも少し早い8時前に着いた。 天気は予報どおり回復し始め、この時点では先週と同じくらいになった。 1699m峰へ登る途中で妻のお腹の調子が悪くなり、ペースがさらに落ちたが、天気はますます良くなってきた。 窓明山の背後にも青空が広がるようになり心が弾む。 

   1699m峰を過ぎた辺りから三岩岳方面へのルートから外れ、1750m付近の台地から窓明山方面へシラビソ林の中をルーファンしながらトラバース気味に進む。 ルーファンが上手くいったので、予定よりも少し早く10時前に雪庇の発達した窓明山への尾根に乗ることが出来た。 雪ならぬ雨でリセットされた雪庇の尾根にはトレースがなかった。 無雪期には湿原や池塘になっている広い鞍部まで緩やかに下る。 予報どおり風は全くなく、まさに稜線漫歩だ。 栃木との県境の帝釈山や田代山には灰色の雲が取り付いているが、これから向かう北の方角ほど空は青い。 広い鞍部からは先週と同じように越後駒が良く見えた。 春霞で先週ほど遠くの景色がクリアーでないのが玉にキズだ。 鞍部からの登り返しでは雪庇が波打っていたが、雪は柔らかく、急斜面でもスノーシューで登れた。 山頂直下では傾斜が緩み、予定よりも少し早く11時に静かな窓明山の山頂に着いた。 無雪期とはまるで違う広い山頂の片隅の木の枝に、山頂を示す赤テープが見えた。 山頂からは三岩岳が重厚な面持ちで望まれ、目指す坪入山が隣の純白の無名峰と並んで見えた。 ここまで来ても丸山岳(1820m)は遥かに遠い。


小豆温泉のスノーシェッド手前の路肩の除雪されたスペースに車を停める


国体コースの登山口周辺の積雪は先週と比べて50センチほど少なくなった


ランドマークの899mの電波塔への急坂を登る


電波塔の基部も雪から出ていた


電波塔の先のやせ尾根では登山道が露出している所があった


1100m地点への登り


1100m地点から見た三岩岳


1100m地点からのブナ林を登る


新道コースとの分岐から1699m峰への登り


1699m峰の手前から見た窓明山


1699m峰の手前から見た三岩岳


1699m峰


1699m峰から1750mの台地へ


1750mの台地から見た窓明山


1750mの台地から窓明山への尾根へトラバース気味に進む


1750mの台地から窓明山への尾根へのトラバース地点から見た窓明山


雪庇の発達した窓明山への尾根に乗る


無雪期には池塘や湿原になっている広い鞍部まで緩やかに下る


尾根から見た坪入山(中央)


鞍部への下り


鞍部から見た窓明山


鞍部から見た三岩岳


鞍部から見た越後駒(左)と未丈ケ岳(右)


鞍部から窓明山への登り


傾斜が緩い窓明山の山頂直下


窓明岳の山頂


窓明山の山頂から見た坪入山と左隣の純白の無名峰


   天気も安定しているので、一息入れてから予定どおり坪入山へ向かう。 山頂直下の下りは雪庇に亀裂が入り、少しやっかいだったが、尾根が二方向に分岐する平らな1775m地点には15分ほどで下れた。 1775m地点から90度左に折れる坪入山方面への尾根にはシラビソの木々が密集していて先が見えず、理想的なラインは全く分からなかったが、木々の間が空いている所を選んで下っていくと、意外にも10分足らずで樹林帯を抜け、その先は思わず笑みがこぼれそうになるほど緩やかな広い雪庇の尾根が鞍部へと続いていた。 癒し系の尾根を足取りも軽く下っていくと、今まで見えなかった1612mの鞍部が見えたが、窓明山からの標高差が230mもあるとは全く思えなかった。 前方を丸々と太った大きな野ウサギが珍客に驚いて逃げていく。 鞍部は広く平らで、核心部と思われた鞍部から坪入山への登り返しも見た目どおりの快適さで拍子抜けするほどだった。 気温の上昇により山頂直下から霧が湧き始め、少しヤキモキさせられたが、予定よりも少し早く12時半に待望の坪入山の山頂に着いた。 登山道がないため、無雪期ではシラビソの樹林に囲まれ展望がないと思われる坪入山の山頂からは、すぐ隣の純白の無名峰から屈曲して続く尾根の先に高幽山(1747m)、丸山岳そして会津朝日岳(1624m)が望まれ、日帰りで登れる山ではあるものの、とても山深い所にいる感じがした。 ここからは並んで見える窓明山と三岩岳の展望もユニークだ。 

   山頂の傍らで原始のままの姿の山々の展望を肴にゆっくり寛ぎ、1時過ぎに重い腰を上げて往路を戻る。 陽射しは強いが気温はそれほど上がらず、雪の状態も午後の割には良かったので、坪入山から1時間半足らずで窓明山まで戻ることが出来た。 休憩も含め、坪入山への往復3時間のシュートトリップは予想以上に面白かった。 窓明山の山頂には三岩岳方面からのスキーのトレースが三本と、家向山方面への尾根を滑ったシュプールが見えた。 山頂から三岩岳方面へは戻らず、スキーヤーのシュプールを辿って直接国体コースの登山口付近へ短時間で下れそうだったが、先週と同じように午後の方が天気が良く、下ってしまうのがもったいなく思えたので、予定どおり三岩岳方面への尾根を下って同じルートを戻り、久々に誰とも出会うことなく5時半過ぎに登山口に着いた。


山頂から1775m地点(右上)への雪庇の尾根


山頂直下の下りは雪庇に亀裂が入り、少しやっかいだった


1775m地点から見た坪入山


1775m地点から見た窓明山


1775m地点から90度左に折れる坪入山方面への尾根にはシラビソの木々が密集していた


木々の間が空いている所を選んで下っていくと、緩やかな広い雪庇の尾根が鞍部へと続いていた


癒し系の尾根を鞍部に向かって足取りも軽く下る


鞍部から見た三岩岳


鞍部から見た窓明山


気温の上昇により山頂直下から霧が湧き始めた


坪入山の山頂


坪入山の山頂    窓明山(左)と三岩岳(右)


山頂から見た丸山岳


山頂から見た高幽山


山頂から見た会津駒


山頂直下から見た窓明山


山頂直下から見た三岩岳


鞍部から窓明山へ


窓明山への登りから見た会津朝日岳


1775m地点から見た窓明山


窓明山の山頂直下


窓明山の山頂


山頂から家向山方面への尾根を滑ったシュプールが見えた


窓明山から三岩岳方面へ


窓明山から三岩岳方面へ


国体コースへのトラバース地点から見た窓明山と坪入山(左端)


国体コースと合流する


国体コースから見た窓明山


国体コースの尾根を下る


2 0 1 5 年    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P