2  0  1  5  年    1  月  

《 24日 》    西平岳 ・ 中岳

  釈迦ケ岳開拓 〜 西平岳登山口 〜 西平岳 〜 中岳  (往復)

   週末は久々に冬型が緩むという予報で、登る山の選択肢が増えたが、直前の降雪によりいくつかの計画は白紙となり、以前から何度か計画倒れになっていた高原山の釈迦ケ岳に行くことにした。

   新しい道の駅『湧水の郷しおや』に前泊し、未明に新藤原経由で登山口の釈迦ケ岳開拓に向かう。 雪の影響で県道63号線やその先の道路のどこまで車が入れるか分からなかったが、運良く県道は除雪され、釈迦ケ岳開拓内の車道にも車の轍があったので、結果的に登山口への林道のゲートの500mほど手前まで車で入れた。 

   6時半過ぎに車を出発。 ちょうどご来光となり、新雪が車の轍の上に積もった車道を西平岳への登山口に向かって歩く。 歩き始めるとすぐに林道のゲートがあったが、意外にもゲートは開いていた。 ゲートの先は緩やかな下りとなり、しばらくすると左右に分岐していた。 右へ続く轍を見送り、轍のない左の林道を緩やかに登っていくと、徐々に積雪が増してきたのでスノーシューを履く。 車を停めた場所から1時間ほどで道標のある西平岳への登山口に着いた。 6年前の秋に、ここから西平岳を経由して鶏頂山に登ったが、その時は周回したこともあり、登山口の記憶は全くなかった。 

   7時半過ぎに登山口を出発。 今年に入ってから入山者があったかどうかは分からないが、予想どおりトレースは無かった。 登山口の積雪は20センチほどで、スノーシューで歩くにはちょうど良い。 テープ類はいずれも古く、道型もはっきりしないが、地形図に従って直登気味に登って行く。 尾根は次第に顕著になり、標高100m毎に標高を記した木のプレートがあった。 積雪は標高に比例して増してくるが、新雪は湿雪だったのか、それとも南斜面のためか、予想以上に雪が締まっていたので助かった。 予報どおり未明から吹いていた風は弱まり、これから向かう山の上空にも青空が広がってきた。 

   地形図上の1501m地点からは西平岳の偽ピークと目標の釈迦ケ岳(1794m)が見えた。 1501m地点から僅かに下ったあとは、偽ピークに向けてやや勾配が増したが、雪の状態が良かったので直登を続けた。 10時半に偽ピークに着いて一息入れる。 偽ピークからは霧氷の花が綺麗な尾根を縦走するが、ありがたいことに風は殆どなく、雪もそれまで以上に良く締っていたので、西平岳までスムースに歩くことが出来た。 

   予定よりも早く11時に西平岳(1712m)の山頂に着く。 山頂からは中岳を挟んで釈迦ケ岳が立派に見えた。 登山口までのアプローチや雪の状態では、ここをゴールにすることも考えていたが、今日は好天にも恵まれ、釈迦ケ岳まで行けそうに思えた。 西平岳から中岳との鞍部へ下る途中にあったガレ場は風の通り道のようで、赤茶けた火山礫の地肌が露出していた。 木々の無いガレ場からは眼前に鶏頂山(1765m)が大きく望まれ、男体山や女峰山など日光の山々も良く見えた。 

   ガレ場から中岳との鞍部までは雪庇の尾根を快適に歩くことが出来たが、鞍部から中岳への登りに入ると状況は一変した。 見た目どおり急峻な痩せ尾根には岩も出てきたので、スノーシューを外してアイゼンを着ける。 雪に埋もれた古いトラロープを引っ張り出しながら、慎重に痩せ尾根を登っていくと、途中から登山道の道型が全く分からなくなった。 仕方なく尾根を忠実に直登することにしたが、積雪が多いため木々の枝が藪と化し、登高スピードが一気に落ちた。 枝が雪から出ていない所は雪が深く、枝が出ている所は藪で歩きにくい。 吹き溜まりに足を踏み入れると、胸までもぐるほどだったので、西平岳から1時間以上掛かってようやく中岳(1728m)の山頂に着いた。 

   無雪期では雑木に囲まれ、ただの通過点に過ぎない中岳の山頂からは、指呼の間の釈迦ケ岳や鶏頂山はもちろん、荒海山や七ケ岳などの南会津の山々や、日留ケ岳、男鹿岳、大佐飛山なども見えた。 すでに正午を過ぎてしまったが、あと1時間ほどで釈迦ケ岳に着ければ、明るいうちに登山口の林道まで戻れそうだった。 しかしながら、中岳と釈迦ケ岳との鞍部までの傾斜はさらに増し、標高差は僅か50mほどしかないが、積雪は登り以上に多く危険を感じたので、無理をせずここを今日のゴールとすることにした。 西平岳の登山口から林道を先へ進んだ登山口から釈迦ケ岳へ直接登る『塩谷コース』の尾根は登り易そうに見えたので、明日はこの尾根を登って釈迦ケ岳へリベンジしようと思った。 

   展望の良い山頂でラッセルの疲れを癒しながら30分ほどゆっくり寛ぎ、1時に山頂を発って往路を戻った。 トレースの付いた西平岳から下りはコースタイム以上の速さで下れ、まだ陽の高い4時過ぎに車を停めた釈迦ケ岳開拓に戻った。


新雪が車の轍の上に積もった車道を西平岳(正面)への登山口に向かって歩く


林道のゲートは開いていた


徐々に積雪が増してきたのでスノーシューを履く


西平岳への登山口


地形図に従って直登気味に登る


標高100m毎に標高を記した木のプレートがあった


尾根は次第に顕著になった


1501m地点から見た釈迦ケ岳


1501m地点から見た西平岳の偽ピーク


西平岳の偽ピークの直下


西平岳の偽ピーク


偽ピークから見た釈迦ケ岳


偽ピークから見た剣ケ峰


偽ピークからは霧氷の花が綺麗な尾根を縦走する


偽ピークから西平岳の間から見た釈迦ケ岳と中岳(左)


西平岳の山頂


西平岳の山頂から見た釈迦ケ岳


西平岳から中岳との鞍部へ下る途中のガレ場


ガレ場から見た日光の山々


ガレ場から見た鶏頂山


ガレ場から中岳との鞍部ヘは、雪庇の尾根を快適に歩く


鞍部の手前から見た西平岳


鞍部の手前から見た中岳


鞍部からは雪に埋もれた古いトラロープを引っ張り出しながら痩せ尾根を登る(帰路の撮影)


積雪が多いため木々の枝が藪と化し、登高スピードが一気に落ちた(帰路の撮影)


中岳の山頂


中岳の山頂から見た釈迦ケ岳


中岳の山頂から見た鶏頂山


中岳の山頂から見た西平岳


中岳の山頂から見た日留賀岳(左) ・ 男鹿岳(中央) ・ 大佐飛山(右)


中岳の山頂から見た荒海山


中岳との鞍部から西平岳へ


西平岳の山頂付近から見た『塩谷コース』のたおやかな尾根


西平岳から登山口へ下る


車を停めた釈迦ケ岳開拓内の車道


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