《 27日 》 菰釣山 ・ 御正体山
白井平 〜 菰釣山 〜 山伏峠 〜 御正体山 〜 白井平 (周回)
釈迦ケ岳(高原山)にスノーシューで登る計画をしたが、強風の予報で急遽予定を変更し、一番風の弱そうな山梨南東部の山に行くことにした。 先週行った道志の山が静かだったので、今回は西丹沢の菰釣山(1348m)から道志と丹沢の山塊を繋ぐ山伏峠を経て御正体山(1682m)へ縦走する計画だ。
国道413号線の道志村役場付近のトイレのある駐車場に前泊し、翌朝登山口とした白井平の集落の手前の路肩の空きスペースに車を停めて6時半に出発。 白井平の集落から『スカイバレーキャンプ場』の看板に従って舗装された車道を菰釣山方面に向かって歩いていく。 間もなく冬期休業中のキャンプ場があり、その傍らを直進して山道に入る。 この山道は東海自然歩道になっている西丹沢の主脈の縦走路へ最短距離で通じているが、諸事情により地形図にも登山地図にも載っていない。 山道の入口にも道標やテープ類は一切なかったが、踏み跡は明瞭で迷う所はなかった。 鬱蒼とした杉林を登っていくと間もなく「東海自然歩道まで75分」と微かに記された朽ちかけた道標があり、その後は縦走路との分岐点となるブナの丸までの間にいくつか同じような古い道標や古い赤テープが見られた。 北西斜面で陽は当たらないが、樹間から御正体山や大室山、そして富士山が時々見えた。 中間点の前岳(1230m)を過ぎると登山道に雪が僅かに見られるようになったが、根雪にはならない程度のものだった。
予定どおり8時半ちょうどに縦走路との分岐点となるブナの丸に着き、山伏峠とは反対の菰釣山のピークを往復する。 分岐からは20分ほどで明るく開けた菰釣山に着く。 予想どおりまだこの時間帯では誰も山頂にはいない。 初めて登った菰釣山の山頂からの展望はまずまずで、富士山や御正体山はもちろんのこと、愛鷹山や南アルプス、八ヶ岳、そして山中湖と相模湾も望まれてユニークだった。
9時過ぎに菰釣山を発ち、東海自然歩道になっている西丹沢の主脈の縦走路を南下する。 山頂の道標には「山伏峠まで5.6キロ」と記されていた。 縦走路からは順光となっている富士山がいつでも正面に見られ、葉の落ちた冬場に歩くには申し分ない。 右手には御正体山や先日辿った道志山塊の今倉山などが見えた。 ここもトレランの大会のルートになっているのか、新しいピンクのテープや「菰釣山」と大きく記されたペナントが所々の木々に括り付けられていた。 山伏峠方面への縦走路はやや下り基調で、油沢ノ頭、樅ノ木沢ノ頭、西沢ノ頭、石保土山といったいくつもの地味なピークを踏み、大棚ノ頭から縦走路を外れて山伏峠へと下る。 雪も全く無かったのでコースタイムどおりに歩け、送電線の下を通って11時半過ぎに山伏峠に着いた。 国道からの登山道が上がってくる峠は狭く、あまり歴史的なものは感じられなかった。
峠からは道志山塊の主脈への登りとなったが、急斜面の長い登りが続き、45分ほどで主脈の縦走路との分岐に着いた。 分岐からは石割山や鹿留山が樹間から望まれ、道志山塊に入ったことを実感する。 12年前に石割山経由で平野からこのルートを往復したことがあるが、記憶は殆ど残っていなかった。 縦走路の最初のピークの奥ノ岳の先の大きな送電線の下は360度の大展望で、石割山や鹿留山が指呼の間に望まれ、丹沢の山並みと今日辿ってきた菰釣山からの西丹沢の縦走路が一望出来た。 送電線の展望所からは笹深い所もあり、中ノ岳・前ノ岳といった御正体山の前衛峰のような名前の地味な小ピークを緩やかな登りで越えていく。 前ノ岳から先は急坂が続き、傾斜が緩んだ山頂付近は一面雪に覆われていた。 予定よりも少し早く2時半過ぎに三度目となる御正体山の山頂に着いた。 道坂峠からの新しいトレースはあったが、この時間帯に山頂にいる人もなくベンチでゆっくりと寛ぐ。
3時に山頂を発ち、道坂峠方面へ下る。 北側となる登山道は雪が多く凍っていたので、軽アイゼンを着けて下る。 30分ほど下った所で白井平へ下る踏み跡を見つけて右に折れるが、木に括り付けられた標識の文字は消えていた。 雪は無くなり、軽アイゼンを外して落ち葉の堆積する明瞭な踏み跡を下る。 分岐から30分ほど下って沢と合流すると間もなく林道に出たが、ここには御正体山を示す道標があった。 古い別荘が立ち並ぶ林道を20分ほど歩き、4時半に国道413号線の御正橋のバス停に着いた。
車道を10分ほど歩いて車に戻り、先ほど越えてきた山伏峠の下を通るトンネルを抜けて山中湖畔の日帰り温泉『紅富士の湯』で汗を流し、明日登ることにした竜ケ岳の麓の本栖湖へ向かった。