《 14日 》 赤鞍ケ岳 ・ 朝日山 ・ 菜畑山 ・ 今倉山
大栗 〜 赤鞍ケ岳 〜 朝日山 〜 菜畑山 〜 今倉山 〜 道坂トンネル (縦走)
先週に続いて冬型が非常に強かったので、久々に道志の山を歩くことにし、20年前の古い登山地図で計画を練る。 当初は厳道峠から二十六夜山までの縦走を計画したが、冬至の日の短さと天気の不安定さから計画を大幅に縮小し、その核心部の赤鞍ケ岳・朝日山・菜畑山・今倉山の四つのピークを踏んで歩くことにした。
前日に下山口とした道坂峠のトンネルの東側の出口に自転車を1台デポし、道の駅『どうし』に前泊する。 翌朝登山口とした大栗キャンプ場付近の集落に車で向かい、集落の外れの路肩に車を停めて6時半過ぎに出発。 いかにもマイナーそうな山とルートのため、衆議院解散総選挙の今日は誰とも出会うことはないだろう。 植林の杉林から送電線の下を通り、村役場からの舗装された林道を横切ると、最初のピークの赤鞍ケ岳(1257m)までは急坂の連続だ。 逆光ながら、大室山や加入道山といった普段見慣れない丹沢の山々が近くに見えて面白い。 登山口から1時間半ほどで厳道峠からの縦走路と合わさり、間もなく静かな赤鞍ケ岳の山頂に着いた。 山頂には気象観測用の施設があったが、登山地図に記された赤鞍ケ岳の標識や山名板は見当たらなかった。 雑木に囲まれた山頂は展望がなかったが、山頂のすぐ先に展望が開けた所があり、これから辿る縦走路や菜畑山と今倉山、そして御正体山の向こうに富士山が見えた。
次の朝日山(1299m)への縦走路は、標高差は少ないものの小さなピークが連続し、またその殆どが急坂だった。 縦走路は人が少ない割に道は良く踏まれていて、木々にはピンクのテープがうるさいほどついていたので、山岳レースのコースになっているのかもしれない(帰宅後に調べてみたら、やはりそうだった)。 予報以上に風が無く穏やかなのが嬉しい。 登山地図に記された朝日山の山頂に着くと、『赤鞍ケ岳』という古い大きな標識があり、どちらが正しいのか分からなくなった。 朝日山(赤鞍ケ岳)から菜畑山へは岩戸ノ峰、ブドウ岩の頭という名前が付けられた地味なピークを踏んでいくが、同じように標高差は少ないが急坂の連続だった。 意外にも途中でマウンテンバイクに乗った二人の男性とすれ違った。 道坂峠から厳道峠まで踏破されるとのことだった。
予定よりも少し早く、11時半過ぎに三つ目のピークの菜畑山(1283m)の山頂に着いた。 屋根のついたテーブルとベンチが置かれた山頂は今日一番の展望台だったが、すでに富士山にも雲が湧いていた。 日溜りのように暖かい山頂でゆっくり昼食を食べ、最後のピークとなる今倉山(1470m)へ向かう。 今倉山が今日の最高点のため、縦走路は登り基調となったが、これまでの急坂のアップダウンは無くなり、三ツ峠や大菩薩の山々を右手に見ながらの緩やかな登りとなった。 先ほどの二人以外とは誰とも出会うことなく、1時半に今倉山の山頂に着いた。 菜畑山に続いてここにも山梨百名山の標柱が立っていたが、背の高い木々に囲まれ展望に恵まれない地味な頂だった。 予定よりも少し早く着いたので、もう少し二十六夜山方面へ足を延ばそうかとも考えたが、寒気の影響で空も曇りがちになってきたので、予定どおり道坂峠に下ることにした。
山頂から一直前に急坂道を転がるように下ると、30分足らずで道坂峠のトンネルの西側の出口への分岐があった。 分岐を右に分け、峠を越えて御正体山方面にさらに進むと、トンネルの東側の出口への分岐の手前で御正体山を往復されたという若い夫婦のパーティーとすれ違った。 以前はメインルートだったトンネルの東側の出口からの道は荒廃が進み、御正体山への道標も落ちていた。
予定よりも早くまだ陽の高い2時半過ぎに道坂トンネルの東側の出口に降り立ったが、駐車場の隅にある小さな神社の木にワイヤーで施錠しておいた自転車が無くなっていた。 泥棒に盗まれたということは一目で分かったが、なぜそれほど高価ではない自転車を無理やり盗んでいったのだろうか。 峠から車を停めた登山口までは11キロほどだったので、歩けないこともなかったが、ここを通る車の大半は峠を下って道志方面に行くと思われたので、ヒッチハイクを試みることにした。 最初の数台は止まってくれなかったが、何台目かの車が止まってくれた。 奇遇にも乗っていたのは先ほど登山道ですれ違い、トンネルの西側の出口へ下った若い夫婦だった。 事情を話すと、二つ返事で登山口まで送って下さるとのことで、本当にありがたかった。 町田に在住のTさんという方で、この界隈の山には良く来られているという話しを車中で聞いた。 山の印象よりも自転車を盗まれたことの方が記憶に残る山行となった。