《 24日 》 袈裟丸山
郡界尾根登山口 〜 後袈裟丸山 (往復)
道の駅『くろほね・やまびこ』に前泊し、国道122号線の小中の三叉路から郡界尾根登山口へ舗装された車道を車で走る。 最終集落のある追付橋から大滝の間では紅葉が見頃で、大滝の先も予想に反して道路の状態はとても良かった。 登山口には車が5台ほど停められる駐車スペースがあったが、半日で登れるルートなので車や登山者の姿は無かった。
立派な案内板がある登山口を7時に出発する。 新しい道標には『後袈裟丸山』という標記がされていた。 予報には無かった雨や雪が夜中に降ったようで、予報とは違うすっきりとしない天気になってしまったが、天気の回復を祈りながら取り付きの木の階段を登り始める。 期待とは裏腹に、登るにつれて周囲はうっすらと霧に包まれてしまい、足取りはさらに重くなった。 長い木の階段を登り終えると、緩やかな勾配の郡界尾根に合わさり、熊笹の中の良く踏まれた道を歩く。 幅が広く起伏が緩い尾根は、天気が良ければ気持ちが良いだろう。 間もなく『八重樺原』と登山地図に記された山火事の跡のように木々のない展望地に着いたが、霧のため期待していた展望は全く得られなかった。 背丈より高いシャクナゲの藪を通ったりしながら、尾根は次第に痩せて顕著になり、山頂直下ではそれまでと一変して急坂となった。
コースタイムどおり登山口からちょうど3時間で誰もいない後袈裟丸山(1908m)に着くと、ようやく上空には待望の青空が見え始めた。 山頂付近には昨夜の雪による霧氷が偶然見られて良かった。 明るいが雑木に囲まれている山頂からの展望は無かったが、山頂から少し先の樹間からは郡界尾根上の中袈裟や奥袈裟のピーク、そして昨日登った皇海山や鋸山、庚申山などが良く見えた。
11時前に山頂を発って往路を戻る。 山頂直下の樹間から登りでは全く見えなかった前袈裟丸山(1878m)が逆光ながら指呼の間に見えた。 登りでは霧に閉ざされていた八重樺原からは、前袈裟丸山と後袈裟丸山の頂が顔を揃えてすっきりと望まれた。 お手軽なハイキングルートだが、連休最終日ということもあり、下山中に三人の単独者とすれ違っただけだった。 図らずも以前から気になっていた郡界尾根を辿ることができ、山頂直下の痩せ尾根の雪が少なければ、厳冬期でも日帰りで後袈裟丸山への登頂の可能性があることが分かった。