《 22日 》 温泉ケ岳 ・ 根名草山
金精トンネル 〜 金精峠 〜 温泉ケ岳 〜 根名草山 (往復)
今年最後の三連休は三日間共に快晴の予報は無く(結局この予報は当たらなかった)、雨も降らないという中途半端なものだったので、遠出はやめて関東の山で遊ぶことにした。 連休初日は日光の温泉ケ岳(2332m)と根名草山(2329m)を登るため湯ノ湖畔の駐車場に前泊し、翌朝登山口の金精トンネルの入口脇の駐車場に向かう。 金精道路を車で通るのは久しぶりだ。 予想どおり連休中に金精トンネルからスタートして山に登る人はいないようで、他に車は停まっていなかった。 駐車場は除雪されていたが、一週間前に降ったまとまった雪と一昨日降った新雪が10センチほど積もっていた。
6時半に駐車場を出発するとすぐにご来光となった。 雪は登山道の道型を隠すほどではなく、昨日のものと思われる新しい単独者のトレースがあった。 新雪は低温のためまだ全く凍っておらず、金精峠までの急坂もアイゼンを着けることなく40分ほどで登れた。 稜線の積雪は多いところで20センチほどあったが、意外にもトレースは金精山や白根山方面だけでなく、これから向かう根名草山方面にもあった。 幸か不幸か予期せぬトレースに助けられ、金精峠からもほぼコースタイムどおりに歩けたので、年初に金精トンネルからラッセルで5時間(湯ノ湖からは7時間半)を要した2220m地点に1時間半足らずで着いた。 寒気の影響による寒々しい雲が次々と上空を通過していくが、眼前には雪化粧した白根山が良く見えた。 展望の良い2220m地点で小休止していると、後続者の足音が聞こえてきた。 2220m地点から再び樹林帯の中を緩やかに15分ほど登ると温泉ケ岳への分岐に着いた。
分岐から先の根名草山方面の縦走路にはトレースがなく、トレースの主たちは温泉ケ岳に登ったことが分かった。 トレースがある温泉ケ岳を先に登るか、トレースがない根名草山を優先させるか迷ったが、天気が続く保証はないので、先に温泉ケ岳に登ることにした。 温泉ケ岳の山頂は分岐から僅か10分ほどだった。 山頂からの展望はまずまずで、雪を戴いた谷川連峰から越後三山までの中越の山々や燧ケ岳、至仏山、平ケ岳、会津駒ケ岳など会津の名峰が一望された。 一番近い日光の山々が逆光となっているのが玉にキズだ。
山頂で30分ほどゆっくり寛いで分岐に戻ると、分岐からは後続の単独者の新しいトレースが根名草山方面に伸びていた。 縦走路の積雪は少し増え、吹き溜まりでは30センチ以上になったが、先行者のトレースのお蔭でほぼコースタイムどおりに歩くことが出来た。 温泉ケ岳と根名草山は標高が殆ど同じなので、緩やかな登り下りを繰り返しながら進むと、分岐から1時間ほどで新しく改築された念仏平避難小屋に着いた。 避難小屋の内部は利用者が少ないのかとても綺麗で、新しい毛布も沢山置いてあった。
日溜りとなっていた避難小屋の前のベンチで一息入れ、根名草山への登りに入る。 尾根が痩せて顕著になった山頂直下で先行していた年配の単独者とすれ違い、11時前に根名草山の山頂に着いた。 12年ぶりに訪れた山頂の記憶は不思議と全く無かった。 天気は尻上がりに良くなり飯豊も遠望されたが、山頂の西側の樹間が詰まっていたので、展望は温泉ケ岳の方が数段上だった。 次第に順光となりつつある日光の山々を眺めながら30分ほどゆっくり寛いで往路を戻る。 金精峠で先ほどすれ違った単独者と再会した。 若い人が山に多い昨今、年配ながら同じルートを登られていることに親しみを覚えた。 雑談を交わすと春日部から近い幸手にお住まいで、連休中は朝霧高原にある別荘をベースに遊ばれるとのことだった。
まだ陽の高い2時過ぎに金精トンネルの入口脇の駐車場に着き、湯ノ湖畔の温泉宿で汗を流してから、明日の皇海山への登山口となる銀山平へ向かった。