2  0  1  4  年  1  0  月  

《 19日 》    博士山 ・ 志津倉山

道海泣き尾根登山口 〜 博士山 〜 近洞寺山 〜 道海泣き尾根登山口  (周回)

   未明に道の駅『からむし織の里しょうわ』を出発し、大成沢の集落から舗装された車道を辿って博士山の登山口へは30分ほどで着いた。 6時半前に周回ルートの起点となる登山口を出発。 今日登る博士山(1482m)と志津倉山(1234m)は、以前計画したことはあったが、いずれもまだ登ったことがなかった。 どちらも半日で登れる山なので、早朝から登る人はいない。 

   『道海泣き尾根』と名付けられた美しいブナ林の急坂を、だんだんと色づき始める紅葉を愛でながら1時間ほど登ると、たおやかな頂上稜線との分岐に着いた。 尾根上に見られるアスナロの巨木に驚きながら、その昔は神社が建っていたという社峰(1442m)という地味なピークを踏んで、8時過ぎに明るく開けた博士山の山頂に着いた。 山頂は背の低い雑木に囲まれていたが、まずまずの展望で、昨日登った二岐山や吾妻、飯豊などの山々が遠望された。 意外にも山頂には立派な一等三角点が置かれていた。 

   山頂で一息入れてから往路を戻り、登ってきた尾根との分岐を右に見送り、頂上稜線を直進して近洞寺山(1266m)方面へ向かう。 樹間からようやく志津倉山が見えた。 分岐点では富山から来たという年配の男性と出会った。 すでに他の〜百名山は登り終え、一等三角点の山を登っているとのことだった。 近洞寺山も先ほどの社峰と同じように今は何も信仰の跡は残っておらず、山名の標識すら見当たらなかった。 全般的に紅葉は期待していたほど素晴らしくなかったが、近洞寺山からの下りでは所々に燃えるような赤いモミジが見られた。 11時に周回ルートの終点となる車道に降り立ち、登山口の駐車場まで20分ほど歩いて戻った。


 

道海泣き尾根登山口


ブナ林の急坂を登る


だんだんと色づき始める紅葉


たおやかな頂上稜線


頂上稜線から見た近洞寺山


社峰から見た博士山の山頂


博士山の山頂


博士山から近洞寺山へ


樹間から見た志津倉山


近洞寺山からの下りでは所々に燃えるような赤いモミジが見られた


車道を登山口の駐車場まで歩く


登山口 〜 屏風岩 〜 志津倉山 〜 糸滝 〜 登山口  (周回)

   大成沢の集落に下り、大谷峠を経由して志津倉山の周回ルートの起点となる県道脇の登山口へは40分ほどで着いた。 天気が良いことも手伝って登山口の駐車場にはすでに6台の車が停まっていたが、その中の1台は先週御神楽岳でお会いした方のものだった。 登山口の標高は700mで、紅葉が見頃を迎えていた。 登山口には里山らしい案内板が置かれ、それによると私の計画と同じように時計回りに周回するのが一般的なようだった。 里山にしては珍しく遭難碑が見られた。 

   正午に登山口に設置された鐘を鳴らして山道に入ると、すぐに周回ルートとの分岐があり、道標に『大沢コース』と記された左の道を行く。 禁漁区となっている澄んだ沢に沿って登って行くと、小さな滝の前でイワナの魚影が見られた。 入山者はそこそこいるが、出発時間が遅く、周回ルートのため、すれ違う人はいなかった。 博士山と同じようにブナ林が美しくて癒される。 間もなく志津倉山のシンボルともいえる黒い一枚岩の『雨乞岩』が見えたが、あいにくの逆光で良い写真が撮れなかった。 相変わらずブナ林が続き、派手な赤は少ないが、周囲の紅葉は正に旬を迎えていた。 

   登山道が沢から離れると『シャクナゲ坂』という急坂になり、途中で『屏風岩』という足下がスッパリ切れ落ちた岩壁の上を登る。 屏風岩からは再び雨乞岩が見えた。 なおも続く急坂を木の根を掴んで登って行くと、古い松の木が三本並ぶ『三本松』という所があったので一息入れる。 ここからは紅葉のハイライトとなり、『ブナ平』という頂上稜線まで鮮やかな紅葉が楽しめた。

   ブナ平から廃道となった本志津倉山への分岐を左に見送り、起伏の緩やかな頂上稜線を進んでいくと、間もなく明るく開けた志津倉山の山頂に着いた。 ここまで誰とも出会わなかったが、山頂には地元の男性の方が一人のんびりと寛いでいた。 山頂からの展望は博士山とそれほど変わらないが、先週登った御神楽岳が近かった。 

   地元の男性の方と雑談を交わしたりしながら30分ほど寛ぎ、糸滝方面への周回ルートを下る。 頂上稜線を離れると間もなく急坂となり、その途中に岩壁を滑るように流れるユニークな糸滝が見られた。 急坂をさらに下っていくと、頭上に荒々しい屏風岩の一部が見えた。 傾斜が緩やかになると、登りに使った大沢コースと合流し、まだ陽の高い3時半に登山口に着いた。 

   大辺峠を越えて昭和村に下り、昨日と同じしらかば荘の温泉(@500円)で汗を流して帰途についた。 昭和村から春日部までの距離は200キロほどと、意外に近いことが分かった。


登山口にある案内板


美しいブナ林に癒される


志津倉山のシンボルともいえる雨乞岩


派手な赤は少ないが、周囲の紅葉は正に旬を迎えていた


足下がスッパリ切れ落ちた屏風岩


屏風岩付近から見た猫啼岩(中央)


古い松の木が三本並ぶ『三本松』の休み処


三本松からブナ平までは紅葉のハイライトとなった


ブナ平付近の紅葉


ブナ平からは起伏の緩やかな頂上稜線を進む


明るく開けた志津倉山の山頂


山頂から見た御神楽岳(遠景中央)


岩壁を滑るように流れるユニークな糸滝


糸滝の下から頭上に荒々しい屏風岩の一部が見えた


志津倉山の登山口


県道の大辺峠の手前から見た志津倉山の頂上稜線


2 0 1 4 年    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P