《 5日 》 焼石岳 ・ 南本内岳
中沼コース登山口 〜 焼石岳 〜 焼石沼 〜 南本内岳 〜 東焼石岳 〜 中沼登山口 (往復)
国道397号線から6キロほど未舗装の狭い林道を走った先の中沼コースの登山口に前泊し、5時半前に出発。 50台ほど停められる広い駐車場には地元ナンバーの車を中心に車が20台ほど停まっていたが、大半は上の二つの避難小屋に泊まっているようで、早朝から出発する人は数名だった。
焼石岳へは6年前の秋に秋田県側からすずこやのコースで登ったが、岩手県側の中沼コースは22年前の残雪期に登って以来だ。 近年入山者が増えたためか、ぬかるんだ登山道は良く整備されて登り易くなっていた。 登山口から30分ほどで静寂の中沼に着く。 陽射しは予想よりも弱かったが、中沼からは辛うじて焼石岳を望むことが出来た。 湖畔の紅葉はすでに見頃となり始め、山頂付近では盛りを過ぎていることが予見された。 間もなく見えてきた上沼から先では、登山道周辺の紅葉が美しく足取りは軽くなったが、予想よりも天気が良くならずヤキモキする。 森林限界付近に建つ銀明水避難小屋は改築され新しくなっていた。
避難小屋から先では左手の横岳の山肌の紅葉を眺めながら沢状の道を進む。 しばらくすると傾斜が緩み、前方に再び焼石岳の山頂が見えてきた。 東焼石岳への道が分岐する泉大沼の畔からは、紅葉に彩られた焼石岳の山頂が大きく望まれ、ようやく心が弾んだ。 足取りも軽く山頂へ登り始めると、横岳との分岐のコルから雲海の彼方に鳥海山が見えたが、その直後に風が急速に強まり、あっという間に霧が山頂を覆い隠してしまった。 分岐からは
8時半過ぎに霧に煙る焼石岳の山頂に着く。 今日は紅葉狩りが目的なので、山頂からの展望は潔く諦め、早々に紅葉の綺麗なすずこやのコースへ下る。 しばらくすると風は収まり、山々を覆っていた霧も徐々に晴れてきた。 6年前の秋と同じように、曇天にもかかわらず八合目の焼石沼付近から眺めた山肌の紅葉は見事だった。 再び九合目まで登り返し、焼石岳との分岐のコルから指呼の間の南本内岳(1492m)に登る。 山頂の手前には池や小さな湿原が見られた。 再び天気が怪しくなり、霧が焼石岳を覆い始めたが、辛うじて南本内岳の北側に広がる紅葉を山頂から眺めることが出来た。
再び風が強まってきたので、下山しようとしたところ、意外にも私達の後からこの寂峰に登ってくる人がいた。 挨拶を交わすと地元のテレビ局のカメラマンと地元の山のガイドさんだった。 ガイドさんは先週も焼石岳を登られたとのことで、デジカメのモニターで素晴らしい紅葉の写真を見せてくれた。 今年は9月の気温が低かったので、山の紅葉は一週間早いとのことだった。 予報どおり午前中しか天気は持たなかったので、焼石岳の山頂へは登り返さず、再訪を誓って2時半に登山口に戻った。