2  0  1  4  年    9  月  

《 20日 》    七ケ岳 ・ 田代山 ・ 帝釈山

黒森沢コース登山口 〜 七ケ岳 〜 下岳 〜 下岳登山口 〜 黒森沢コース登山口  (周回)

   飛び石連休となる週末の甲信越地方の天気予報はあまり良くなく(結果的に予報は大きくはずれた)、天気の良い東北の山は混雑が予想されたため、自宅から高速を使わずにアプローチ出来る南会津の七ケ岳と帝釈山に日帰りで登ることにした。 七ケ岳は16年前に三岩岳の帰路に高杖のスキー場から登り、もう一方の帝釈山は22年前に湯ノ花温泉からのルートで登っているが、両山とも記憶には全く残っていない。 

   道の駅『たじま』で前泊し、翌朝針生の黒森沢コース登山口に向かう。 国道289号線から登山口への林道の路面状態は良く、15分ほどしか掛からなかった。 6時半に登山口を出発。 半日で登れる山なので、10台ほど停められる登山者用の駐車場には予想どおり他に車はなかった。 車も通れそうな道をしばらく歩いてから登山道に入る。 傾斜の緩い平凡な道をのんびり歩いていくと、間もなく登山道は沢(黒森沢)と出合い、大きな岩が堆積した水量の少ない沢の中を辿るようになった。 今回は前回辿っていない七ケ岳の七つのピークを縦走することが目的で、全くこのルートについて下調べをしてこなかったが、次第に水量を増す沢を岩の間を縫って登っていくと、登山地図に『護摩滝』と記された滝が前方に見えてきた。 滝の左右のどちらかを巻いて登るのかと思ったが、意外にも滝の中にロープが張られていて、藪っぽい巻道は一応あるものの、滝を登る方が一般的なようだった。 滑り易い滝を登った後も沢の左岸を中心にロープが延々と続いていたので、それに従って沢の中を登り続けた。 沢は次第に傾斜が緩くなり、ロープも無くなって最後はナメ状となったが、意外にも稜線の手前まで数百メートルも続いていた。 この沢登りの登山道はユニークで面白かったが、水量が多かったり、凍っていたり、あるいは下りにルートをとった場合にはそれなりに危険だと思われ、一般ルートにしてはそれを注意する案内が無かったことが不思議に思えた。 

   8時半に誰もいない七ケ岳(一番岳)の山頂に着く。 天気は予報以上に悪く、周囲の山々の展望は冴えなかったが、これから辿る縦走路は辛うじて見えた。 あと1月ほど経てば南会津の山らしく紅葉で素晴らしい景色となるだろう。 縦走路からは午後に登る予定の帝釈山が荒海山と並んで見えた。 曇天のため途中で足を止めて展望を愛でることもなかったので、縦走路の最後のピークとなる下岳(七番岳)まで1時間半ほどで着いた。 

   午後からは回復するという天気予報を信じて下岳登山口へと下る。 下岳登山口にも黒森沢コース登山口と同じように広い駐車場があったが、車は停まってなかった。 下岳登山口から黒森沢コース登山口へは未舗装の林道を30分ほど歩き、11時半過ぎに登山口に着いた。 稜線を縦走したことよりも、沢登りの印象が記憶に残った。


黒森沢コース登山口の登山者用の駐車場


傾斜の緩い平凡な道をのんびり歩く


黒森沢と出合う


大きな岩が堆積した水量の少ない沢の中を辿る


次第に水量を増す沢を岩の間を縫って登っていく


護摩滝


護摩滝を登る


護摩滝を登る


護摩滝を登る


護摩滝を登る


沢の右岸を登る


沢の左岸を登る


沢の左岸を登る


沢は次第に傾斜が緩くなり、ロープも無くなった


ナメ状となった沢


標識のある沢ルートの終了点


七ケ岳(一番岳)山頂


七ケ岳の山頂から見た二番岳(左)と三番岳(中央)


一番岳から二番岳へ


二番岳から三番岳へ


縦走路から見た帝釈山


三番岳の山頂   背景は一番岳


下岳(七番岳)への登り


下岳の山頂


下岳の山頂から見た三番岳(中央手前)と一番岳(中央奥)


下岳からの下り


下岳登山口


猿倉登山口 〜 田代山 〜 帝釈山  (往復)

   午後は帝釈山を登るため、湯ノ花温泉の先の猿倉登山口へと車で向かう。 国道352号線の舘岩から湯ノ花温泉に入り、そこからは未舗装だが状態の良い林道を30分ほど走って猿倉登山口に着いた。 登山口には新しい大きな案内板があり、上下にある広い駐車場には車が20台以上停まっていた。 

   2時前に登山口を出発。 ちょうど今日登った人たちが次々と下りてきた。 田代山までの登山道は近年良く整備されたようで、暗くなっても帰りの心配は無用と分かった。 前回も同じルートを辿ったと思うが、登山口も登山道も全く記憶に残っておらず、初めて登る山のようだ。 雑木の生い茂った地味な道を1時間ほど登ると小田代という小さな湿原があり、そこからさらに15分ほど登って田代山の広い山頂湿原に飛び出した。 すでに人影が無くなった湿原は一方通行の木道が敷かれていた。 天気の回復が遅れているようで、空にはまだ分厚い雲が残っている。 草紅葉が始まった湿原は僅かな光でオレンジ色に輝いていたが、残念ながら光量不足で期待していた風景には出合えなかった。 池塘もある湿原からは墨絵のような会津駒ケ岳や三岩岳が望まれた。 木道を歩いて湿原を半周すると立派な避難小屋があり、その隣にはさらに立派なバイオトイレがあった。 弘法大師の祭壇がある避難小屋は、10人ほど泊まれそうなスペースがあり、今晩泊まられる人もいた。 

   帝釈山へは行かず、湿原で天気が回復するのを待つという選択肢もあったが、予定どおり避難小屋の脇から帝釈山へ向かう。 鬱蒼とした樹林帯の中を70mほど一気に下ると30分ほど起伏のあまりない道となり、帝釈山の山頂直下を100mほど一気に登ると視界が開け、ようやく陽が当たり始めた田代山が見えた。 今なら湿原も光り輝いているだろう。 そこから僅かに岩の剥き出した尾根を登ると、人待ち顔の帝釈山の山頂に着いた。 山頂には比較的新しい立派な標柱が立っていた。 山頂は雑木に囲まれあまり展望は良くなかったと記憶していたが、日光方面の山々はもちろん、逆光ながら燧ケ岳や会津駒ケ岳など会津の山々も見えた。 

   時刻はすでに4時半近くになっていたが、陽射しが強く夕方という感じは全くしない。 山頂で寛いでいる分だけ暗い道を歩かなければならないので、4時半過ぎに往路を引き返す。 当初は避難小屋に泊まることも考えたが、明日は天気が悪いという予報なので今回は止めておいた。 日没を迎えようとしている田代山の湿原には哀愁が漂い、午前中に登った七ケ岳が夕焼けの空に浮かんでいた。 後ろ髪を引かれる思いで6時前に湿原を後にする。 間もなく周囲が暗くなり、ヘッドランプを灯して登山口へと下った。 

   6時半に登山口に着き、車に乗ってラジオを聞くと、意外にも天気予報は急変し、明日の会津地方は快晴の予報となっていた。 林道を下りながら急遽明日登る山を考えるが、幸か不幸か燧ケ岳以外の山は思い浮かばなかった。 コンビニで食料を調達し、時間切れで温泉には入れず、桧枝岐温泉スキー場の駐車場に泊まった。


田代山・帝釈山の登山口


登山口にあった新しい大きな案内板


田代山までの登山道は良く整備されていた


田代山の山頂手前の小田代という小さな湿原


田代山の山頂湿原


田代山の山頂湿原


田代山の山頂湿原


田代山の山頂


田代山の山頂湿原


田代山の山頂湿原


田代山の山頂湿原


田代山避難小屋(弘法大師堂)


避難小屋の内部


バイオトイレ


帝釈山の山頂直下から見た田代山


帝釈山の山頂


山頂から見た会津駒ケ岳


夕暮れの田代山の山頂湿原から見た七ケ岳


日没後に登山口に着く


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