《 13日 》 焼岳
中の湯温泉 〜 焼岳 (往復)
宿でゆっくり朝食を食べ、8時半に宿の裏から急坂を登り始める。 すぐに安房峠への車道と合流し、そこから始まる『新中ノ湯ルート』の登山道に取り付く。 車道脇の駐車スペースには2台の車が停まっていたが、登り始めの時間が遅かったので、他に登山者の姿は見られなかった。 予想どおりトレースは明瞭で、テープ類もうるさいほどあるので、ルーファンの必要は全くない。 天気は昨日ほど良くなかったが、風もなくまずまずの登山日和だ。 昨日がメインの山行だったので、今日は終始おしゃべりをしながらのんびり登る。
中間点となる下掘沢出合の手前の平坦地で先行していた3人のパーティーに追いつく。 焼岳を正面に仰ぎ見る平坦地からは、穂高連峰や霞沢岳、そして昨日登った四ツ岳や乗鞍岳が見えた。 平坦地から疎林の間を縫って下掘沢出合に向けて急坂を登る。 トレースは焼岳南峰(2455m)に向かって痩せ尾根のような下掘沢の縁に付いていたが、適当な所から目標の北峰(2399m)の山頂に向けて下掘沢の源頭(ボウル)に入っていく。 トレースはないが、ボウル内の雪の状態は良く、ラッセルすることもなく終始快適に登れた。 途中の新しいデブリも小さく、全く問題なく通過する。 先ほどの3人のパーティーは南峰に向かったようで、ボウル内を登っているのは私達だけとなった。 間もなく南峰経由で登ったと思われる3人のボーダーが北峰の山頂に見えた。
ボウルを滑っていくボーダー達と入れ違いに正午前に山頂に着いた。 高曇りの天気だが、指呼の間の穂高や笠ケ岳の展望が素晴らしかった。 お尻に根が生えてしまいそうなほど居心地の良い頂だったが、間もなく『中ノ湯ルート』を登ってきた関西の団体のパーティーに山頂を譲り、12時半前に山頂を後にした。