2  0  1  4  年     2  月  

《 11日 》    六ツ石山 ・ 水根山

奥多摩湖 〜 水根 〜 六ツ石山 〜 水根山  (往復)

   3日前に関東地方(特に東京)に10数年ぶりの大雪が降ったので、アプローチも含めて一番無難な奥多摩の山に出掛けた。 大雪の直後なので、人気の雲取山周辺を除けば入山者は少ないと思われ、またどれだけの雪が奥多摩の山に降ったのか興味深かった。 

   奥多摩湖の小河内ダムの駐車場に前泊し、翌朝5時に出発。 意外にも青梅街道から水根の集落への急坂の車道は綺麗に除雪されていた。 車道を20分ほど登り、民家の脇から六ツ石山への登山道に入る。 新雪はだいぶ落ち着いた感じがしたが、それでも民家の裏からいきなり20センチ以上あり、予想していたこととは言え違和感を覚えた。 標高はまだ650mほどだ。 もちろんトレースはまだ付けられていない。 檜の植林の中をジグザグに登っていくオーソドックスな登山道で道型は分かりやすい。 登山口から1時間ほど歩き、周囲が薄明るくなってきた所で雪が膝の高さになったので早くもスノーシューを履く。 六ツ石山の山頂まではほぼ登り一本調子だが、植林の中はそれなりの急坂が続くのでラッセルは想像どおり大変だった。 山頂手前の長い防火帯では積雪が特に多かったが、上部では雪がすでに締まっていたので登り易かった。 早朝は曇っていた天気は次第に回復し、風もなく絶好の登山日和になった。 

   予想よりもだいぶ遅く、登山口から5時間ほどを要して10時半に純白の六ツ石山(1478m)の山頂に着いた。 奥多摩の山に登るのは基本的に冬だが、低い標高から(登山口から)これだけの積雪を経験したことはなく、また、長沢背稜では珍しくないが、表尾根の山でノートレースをラッセルすることも初めてで、いつもは“通過点”にしか過ぎない1500m足らずの六ツ石山が存在感のある雪山になっていた。

   静かな山頂でラッセルに疲れた足を労わりながら寛ぎ、11時前に鷹ノ巣山方面へ向かう。 降雪前の石尾根のトレースはリセットされ、六ツ石山への分岐付近は雪が吹き溜まり道型も無くなっていた。 登山道は探しても見つからないので、広い尾根を最短距離で進む。 結果的にも冬道の方が早かった。 ここが本当に奥多摩の山なのかと疑いたくなるような雪景色だ。 間もなく登山道と合流すると、ルーファンからは解放されたが、気温の上昇で次第に雪が重くなり、スノーシューが下駄を履くようになってしまった。 時間的に目標の鷹ノ巣山(1736m)までは無理になったので、途中の巻き道との分岐からは尾根ルートをとり、水根山(1620m)を目指すことにした。

   尾根ルートの積雪は部分的に少なく、また雪は意外と締まっていたが、城山(1523m)の山頂直下の登りが急で、短い区間でのラッセルに時間が掛かった。 城山に着いたのが12時半だったので、ここからさらに水根山を登って榧ノ木山(1485m)経由で榧ノ木尾根を下るのは時間的に厳しくなってきたが、引き返すにはまだ未練があったので、とりあえず一息入れてから水根山方面に向かうことにした。 

   水根山は指呼の間に見えるが、石尾根のイメージからは想像も出来ない雪庇があったり、いつもは全く感じない小さなアップダウンに時間が掛かり、なかなか水根山の山頂に着かなかった。 意外にも水根山方面からワカンを履いた単独の若い男性が下ってきた。 日原へのバスは不通で、峰谷から浅間尾根を鷹ノ巣山に登り、石尾根を下って奥多摩駅に下るとのことだった。 水根山から榧ノ木尾根には予想どおりトレースがないとのことで、水根山からは往路を戻ることを決断した。 防火帯となっている山頂直下では、ワカンを履いた中高年の男性とすれ違った。 先ほどの若い方と同じように鷹ノ巣山に登り、これから六ツ石山経由で水根に下るとのことだった。 

   2時ちょうどにようやく水根山の山頂に着く。 山頂からの展望は優れず、いつもなら通過点にしか過ぎない山だが、図らずも今日はとても印象に残るピークとなった。 時間に余裕が無くなってしまったので、写真だけ撮ってトンボ返りで往路を戻る。 六ツ石山からここまで3時間以上を要したが、往路はトレースもあり、休まず歩き続けたので1時間半少々で六ツ石山に戻れた。 明るいうちに下山出来る目処が立ったので、山頂でしばらく休憩し、陽が傾き始めた4時に山頂を辞した。 水根の登山口には日没寸前の5時半に着き、ヘッドランプを灯して小河内ダムの駐車場に戻った。


青梅街道から小河内ダムへの分岐


青梅街道から水根の集落への急坂の車道は綺麗に除雪されていた


六ツ石山の登山口


新雪は登山口から20センチ以上あった


周囲が薄明るくなってきた所で雪が膝の高さになったので早くもスノーシューを履く


植林の中はそれなりの急坂が続くのでラッセルは想像どおり大変だった


植林を抜けて自然林の斜面を斜上する


山頂手前の長い防火帯


防火帯では積雪が特に多かった


防火帯の上部では雪がすでに締まっていたので登り易かった


六ツ石山の山頂直下


純白の六ツ石山の山頂


六ツ石山の山頂


六ツ石山の山頂


山頂から見た鷹ノ巣山


鷹ノ巣山方面へは登山道を離れ広い尾根を最短距離で進む


石尾根の登山道と合流する


気温の上昇で次第に雪が重くなり、スノーシューが下駄を履くようになった


巻き道との分岐


城山の山頂直下の登りは急で、短い区間でのラッセルに時間が掛かった


石尾根のイメージからは想像も出来ない雪庇


城山から水根山へは小さなアップダウンのある顕著な尾根が続いた


防火帯となっている水根山の山頂直下


水根山の山頂


山頂から見た鷹ノ巣山方面


往路はトレースのお蔭で労せずして六ツ石山まで歩けた


二度目の六ツ石山の山頂


六ツ石山から水根の登山口に下る


登山口付近から見た奥多摩湖


2 0 1 4 年    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P