2  0  1  3  年     7  月  

《 6日 〜 7日 》    爺ケ岳

扇沢 〜 種池山荘 〜 爺ケ岳 〜 冷池山荘(テント泊)  (往復)

   曇天で大気の状態は不安定だが、土・日とも午前中には雨が降らないという予報を信じて、行動時間の短い鹿島槍に避暑を兼ねて行くことにした。 長野道の筑北PAに前泊し、未明に扇沢手前の登山口に移動して5時半前に柏原新道を登り始める。 登山口の駐車場は三連休前ということもあってか、車は10台ほどしかなかった。 鉛色の空で天気は予報以上に悪く感じたが、それでも針ノ木や蓮華が間もなく見えるようになった。 天気が悪いことが幸し、危惧していた暑さには苛まれることなく、歩き慣れた登山道を淡々と登る。 種池山荘が先日から営業を始めたので、途中の5か所の雪渓も全てスコップで道が削られ、アイゼンは不要だった。 人気の柏原新道だが、昨日は雨だったので下山してくる人もなく、途中3人に道を譲られただけで、8時半に種池山荘に着いた。 山小屋の前の残雪は例年より多く、まだチングルマのお花畑になるには時間が掛かりそうだった。 小屋の前のベンチで一息入れ、モノトーンの爺ケ岳の南峰に向かう。 予想どおり剱や立山は厚い雲に隠され、鹿島槍も前山の布引山が辛うじて見えているだけだったが、今回は避暑と割り切っていたので、それほどガッカリはしなかった。 予報では南の風とのことだったが、風は真西から吹いていた。 山頂が近づくにつれて風は強まり、南峰の山頂では強風が断続的に吹いていたので、写真だけ撮って中央峰に向かう。 中央峰の山頂も同じように風が強く、冷池山荘までの稜線の下りもずっと強かった。 足を止めて景色を愛でることもなかったので、予定よりもだいぶ早く11時前に冷池山荘に着いた。 冷池に幕を張るのは6年前のGWに山仲間のハイジさん&ちー隊長と訪れた時以来だ。 山小屋で受付を済ませ、鹿島槍方面に登山道を5分ほど登った所にある幕場に向かう。 幕場はテントが30ほど張れるくらいのスペースがあったが、殆どが傾斜地で凸凹も多くあまり快適ではない。 それでも一番早く幕場に着いたので、ハイマツの切り裂きの中の一番良い場所にテントを設営する。 テントが飛ばされそうなほどの爆風ではないが、風速5m以上の風が断続的に吹き続けているため、付近にある石を拾い集めて風上に積んだ。 1時間ほどかけてテントの設営が終わると同時に、早くも小雨がパラつき始めた。 その後も風は一向に収まらず昼寝を決め込んだが、4時半を過ぎると雨足が一段と強まり、夜になっても雨は降り止まなかった。 最終的に幕場には6パーティーのテントの花が咲いた。


柏原新道から見た針ノ木岳(右)と蓮華岳(左)


途中の5か所の雪渓も全てスコップで道が削られ、アイゼンは不要だった


種池山荘の前の残雪は例年より多かった


種池山荘


種池山荘付近から見た爺ケ岳南峰


爺ケ岳南峰への登りから見た鹿島槍


爺ケ岳南峰への登りから見た種池山荘


爺ケ岳南峰への登りから見た針ノ木岳(中央)と蓮華岳(左)


強風の爺ケ岳南峰の山頂


爺ケ岳南峰直下から見た中央峰


爺ケ岳中央峰から見た南峰


爺ケ岳中央峰から冷池山荘までの稜線の下りもずっと風が強かった


冷池山荘


幕場から見た爺ケ岳


冷池の幕場は殆どが傾斜地で凸凹も多くあまり快適ではない


風を避けるためハイマツの切り裂きの中に幕を張る


幕場から見た岩小屋沢岳


6年前のGWに山仲間のハイジさん&ちー隊長と訪れた時の冷池山荘前の幕場


   翌朝は4時前に出発して朝焼けとご来光を拝みながら鹿島槍の山頂を往復する予定だったが、3時に起床した時にまだ雨が降っていたので、明るくなるまで様子を見ることにした。 雨は一時的には止むものの、風は相変わらず吹き止まず、昨日以上に雲が黒く天気の回復は望めそうになかった。 5時の天気予報は一昨日とは変わり、麓の大町でも9時から雨になっていたので、潔く下山することに迷いはなかった。 6時前に幕場を発ち、改築された冷池山荘にトイレで立寄る。 意外にも宿泊客は若い人が多く、山小屋のロビーも垢抜けていた。 6時過ぎに山小屋を出発して爺ケ岳経由で往路を戻る。 風は昨日に比べて弱まったが、雨が再び降り始めた。 雨の稜線を歩くのは何年ぶりだろうか。 冷池山荘から休まず歩き続けたので、種池山荘には1時間半足らずで着いた。 種池山荘では冷池山荘方面からの濡れ鼠の縦走者を快く自炊室に迎え入れてくれた。 柏原新道の下りでは風もなくなり、ようやく傘をさして歩くことが出来るようになった。 10時過ぎに登山口に下り、『上原の湯』に立ち寄って帰途についた。


幕場から見た朝焼け


幕場から見た夜明け


幕場から見た鹿島槍


幕場から見た爺ケ岳


垢抜けた冷池山荘のロビー


雨の中を爺ケ岳経由で種池山荘に向かう


閑散とした種池山荘


柏原新道の下りは傘をさして歩く


登山口付近では雨が一層強くなった


2 0 1 3 年    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P