2  0  1  3  年     3  月  

《 30日 》    御嶽山 <スキー>

おんたけ2240スキー場 〜 田の原 〜 御嶽山  (往復)

   先週の日曜日は天気予報が良い方に急変し、絶好のスキー日和を逃してしまった。 過去何度も計画倒れになっている平標山の西ゼンの旬も今週が最後だろう。 日々週末の天気の動向をチェックしていたが、前夜の予報では新潟方面はあまり良い天気は望めそうもなかったので、急遽天気の一番良い長野南部の山に行くことにした。 御嶽山は過去2回スキーに行ったことがあるが、いずれも『御岳ロープウェイスキー場』からの往復で、一番登山者の多い田の原からのルートはまだスキーでは行ったことがなかった。 春先の山の天気は変わり易いため、他の山への登山にも対応出来るように、スキー以外の装備も車に積んでいくことにした。 中央道の『辰野PA』に前泊し、翌朝『おんたけ2240スキー場』へ向かう。 早朝は曇っていてヤキモキさせられたが、天気は予想以上の快晴となり、山麓から雲一つない御嶽山が望まれた。 スキー場手前の駐車場で板にシールを付け終わった時、こともあろうにザックを忘れてきたことに気が付いた。 過去にも色々な忘れ物はあるが、ザック(その中身も)を忘れたことは初めてだ。 昨夜は急遽計画を変更し、天気や代替えの山の計画に奔走していたことが原因だが、幸いにも山道具を余分に持ってきていたので、登山用のアイゼンもあった。 無いのは手袋一式、帽子類、サングラス、ジャケット、防寒用の薄いダウンジャケット、そしてカメラだ。 手袋は妻の予備、帽子は目出し帽、サングラスは運転用のクリップオンタイプのもの、ジャケットは雨具、ダウンジャケットの代わりにアンダーを2枚着ることにした。 ゴンドラの片道料金1200円を支払い、15分ほどで2240mのゲレンデトップへ。 ゴンドラの車窓から中央アルプスや乗鞍が望まれ、忘れ物で下がり気味だったテンションが上向いてくる。 忘れ物騒ぎで予定よりも1時間ほど出発が遅れてしまい、9時半過ぎにゲレンデトップを出発。 スキー場の『パノラマコース』を滑って三笠山の裏側に回り込み、雪に半分埋もれた鳥居をくぐって田の原ルートの登山道に入る。 眼前に見える大きな御嶽山の山頂までほぼ一直線の登りだ。 田の原ルートは過去2回登ったことがあるが、最後に登ったのは9年前のGWで、この時は山仲間の西さんセッちゃんと山頂で幕営した懐かしい想い出がある。 出発が遅くなったので先行者は多いが、私達の後から登ってくる人は殆どいない。 田の原の登山口からしばらくは傾斜の緩い樹林帯(積雪のため樹林帯という感じはしないが)をシールで登る。 陽射しが強く、目出し帽と運転用のサングラスでは全くの役不足だ。 カメラが無いので携帯で写真を撮るが、雪の反射で液晶が全く見えず、サングラスの付いたメガネを外して裸眼でないと撮影が出来なかった。 また、普段から携帯で写真を撮る習慣がないので、シャッターが切れなかったり、誤作動することがしばしばで、イライラが募った。 潔く写真を撮るのを止めれば良いのだが、あまりにも天気が良すぎるので、写真を撮らないことがストレスになる。 樹林帯を抜けると傾斜が徐々に増してくる。 登山道のある右側の尾根は登らず、左側の雪のスロープを登る。 先行者は多く、10人以上のツアーの団体の姿も見られた。 入山者は総勢50人くらいだろか。 うちスキーヤーは3割くらいと、今日は登山者の方が多かった。 この時期の田の原ルートでは雪崩の危険も無く、ルーファンの必要も無く、ゴンドラを使えば簡単に3000mの山に登れてしまうのだから、人気があるのは当然だろう。 登るにつれて傾斜は増し、風もそれに比例して強くなったが、ありがたいことに今日の風は春の風だ。 2500mくらいまでの雪質は良質のザラメで、今すぐに滑ってしまいたい誘惑に駆られたが、9合目の王滝頂上山荘が見えてくると雪は次第に硬くなってきた。 斜面に合せて大きくジグザグを切ったり、直登したりしながらシールのまま登り続け、12時半に王滝頂上に着いた。 指呼の間に見える剣ケ峰の山頂まで何とか雪は繋がっていたが、岩も露出してあまり快適そうな斜面ではなかったので、スキーをデポし、風の当たらない神社の隅で一息入れてからアイゼンを着けて山頂に向かう。 風の通り道かと思われた山頂までの間は意外にも風は無く、アイゼンが要らないほど雪は柔らかかった。 1時半に快晴無風の剣ケ峰(3067m)の山頂に着く。 出発が遅れたことが幸して、山頂はほぼ貸し切りだった。 もうすでに何度も訪れている頂なので、残念ながら感動は無い。 気温の上昇ですでに春霞の状態になり、周囲の山々の展望もパッとしなかった。 9合目の王滝頂上に戻り、シールを剥がして2時半過ぎにようやく滑べり始める。 すでに視界には誰も見えなくなり、図らずも大斜面が貸し切りの状態になって嬉しかったが、気温の上昇でベストになったと思われたバーンは意外にもまだ硬く、上部では滑りが全く楽しめなかった。 2700mくらいからようやく雪が柔らかくなったので、標高差で僅か400mくらいは無木立のバーンの滑りを堪能したが、ダケカンバの樹林帯に入ると雪が重くなり、田の原までは消化試合となった。 田の原からはスキー場の『パノラマコース』に合流したが、これは田の原までの車道の上を滑るコースだった。 ゴンドラの下を通ってスキー場のメインコースに入り、営業時間の終了のアナウンスと共に駐車場に戻った。


おんたけ2240スキー場のゲレンデトップから見た中央アルプス


田の原から見た御嶽山


傾斜の緩い樹林帯をシールで登る


登山道のある右側の尾根は登らず、左側の雪のスロープを登る


2500mくらいまでの雪質は良質のザラメだった


入山者は総勢50人くらいで、うちスキーヤーは3割くらいだった


9合目の王滝頂上山荘が見えてくると雪は次第に硬くなってきた


9合目の王滝頂上


王滝頂上から見た剣ケ峰


王滝頂上(右上)から剣ケ峰へ


快晴無風の剣ケ峰の山頂


山頂から見たニノ池・継子岳方面


2700mくらいからようやく雪が柔らかくなった


標高差で僅か400mくらい無木立のバーンの滑りを堪能した


ダケカンバの疎林から田の原へは雪が重くなり消化試合となった


田の原から見た午後の御嶽山


営業時間の終了のアナウンスを聞きながらスキー場を滑る


2 0 1 3 年    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P