2  0  1  3  年     3  月  

《 10日 》    辻山

夜叉神峠登山口 〜 夜叉神峠 〜 山火事跡  (往復)

   不安定な天気との予報だったので、八ケ岳からの帰路に安易に取り付ける山として鳳凰三山前衛の辻山(2584m)に白羽の矢が立った。 登山口となる夜叉神峠登山口の駐車場に前泊し、翌朝5時に出発。 昨夜は上空で強い風が一晩中唸っていた。  駐車場には車が10数台停まっていたが、殆どの人が昨日から入山している感じで、日帰り組はまだいないようだった。 意外にも登山口からすぐに雪があり、凍っていない所を選んで登る。 昨日の疲れもあったが、夜叉神峠まで初めて1時間以上掛かった。 峠までの登りでは朝焼けは見られず、峠からは辛うじて白峰三山が朧げに望まれた。 夜叉神峠で山が見えなければ潔く引き返そうと思ったが、天気の回復を祈りながら先へと進む。 天気が良い方に転がるか否かは神のみぞ知るところだ。 峠からは風が強まりモチベーションは上がらないが、途中で追いついてきた単独の男性はこのルートは初めてとのことで、何のためらいもなく先に進んで行かれた。 杖立峠への登りでは凍っている部分が多くなり、アイゼンを着けて登る。 樹間からはいつも見える山並みが全く見えず、杖立峠の手前で引き返そうと思ったが、風が次第に収まってきたのでさらに先に進む。 杖立峠に着くと、ちょうど下山してこられた夫婦のパーティーとすれ違った。 昨夜は南御室の冬期小屋に泊まったが、風が強く小屋が壊れそうだったという。 今朝も天気が悪いので、山には登らず早々に引き上げてこられたとのことだった。 雑談を続けていると、この山域に詳しい方だと直感したが、2年前のGWに仙丈ケ岳の山頂でお会いしていた方だと気が付いた。 杖立峠からは積雪が増えたが、登山ブームのお蔭で踏み固められたトレースがあり、夏道と同じペースで歩けた。 天気は相変わらず悪いが、時々薄日が射すようになった。 煮え切らない気持ちのまま8時半過ぎに木々の切れた展望の良い山火事跡に着く。 1mを超える高さの鉄パイプの道標はまだ雪に埋もれていた。 行く先には目的の辻山が望まれたが、肝心の白峰三山は白く霞んでいた。 空の色も灰色から黒に変わりつつあり、どうやら今日は天気の回復は望めないようだ。 辻山に再訪を誓い、往路を引き返す。 夜叉神峠の手前からはとうとう小雨が降り始めた。 帰路の高速道路や町中では、強風で大気中に巻き上げられた砂埃で視界が悪くなる“煙霧”という気象現象が見られた。


夜叉神峠登山口


登山口からすぐに雪があり、凍っていない所を選んで登る


登山口から夜叉神峠まで1時間以上掛かった


夜叉神峠からは辛うじて白峰三山が朧げに望まれた


杖立峠への登りでは凍っている部分が多くなり、アイゼンを着けて登る


杖立峠の手前では風が次第に収まってきた


杖立峠で下山してこられた夫婦のパーティーとすれ違う


杖立峠からは積雪が増えたが、踏み固められたトレースで夏道と同じペースで歩けた


天気は相変わらず悪いが、時々薄日が射すようになる


山火事跡から見た辻山


山火事跡から見た白峰三山


辻山に再訪を誓い、往路を引き返す


夜叉神峠登山口に設置された山小屋案内


2 0 1 3 年    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P