《 27日 》 雨ケ岳 ・ タカデッキ ・ 毛無山
道の駅『朝霧高原』 〜 端足峠 〜 雨ケ岳 〜 タカデッキ 〜 毛無山 〜 麓 〜 道の駅『朝霧高原』 (周回)
富士五湖の外輪山は晩秋から冬にかけてがベストシーズンだが、昨今の登山ブームで訪れる人も多くなり、足が遠のいていたが、成人の日に降った大雪で入山者が減っていると思い、端足峠から雨ケ岳・タカデッキを経て毛無山へ縦走することにした。 このルートは9年前の3月に山仲間の西さん&セッちゃんとご一緒したことがあるが、前回と違い車が1台しかないので、道の駅『朝霧高原』に前泊し、翌朝5時半に出発。 道の駅付近の国道139号線には観光客向けの幅の広い歩道がありとても歩き易い。 根原のバス停の先を左折するとすぐに通行止めのゲートがあり、その先に続く車道を歩いて端足峠へ向かう。 路面がアイスバーンになっていることが暗くて分からず、激しく転んで腰を強打してしまった。 のっけからのアクシデントで行く先が危ぶまれたが、歩くと響く腰をだましだまし歩き続ける。 貯水池付近で車道から登山道に変わると、朝焼けが始まり背後に富士山のシルエットが浮かんできた。 端足峠への登山道には雪も少なく、予定よりも少し早く7時半前に本栖湖を眼下に見下ろす端足峠に着いた。 山仲間の栗本さんから“ダイヤモンド富士”が見られるという情報をいただいていたので、20分ほど富士山の展望が良い端足峠でご来光を待つと、山頂から少し左にズレたが素晴らしいダイヤモンド富士が見られた。 端足峠までは少なかった積雪は雨ケ岳への登りに入ると30センチほどとなったが、少ないながらも昨日のトレースがあり、気温が低く雪が締まっていたのでさほど困難ではなかった。 天気は予報以上の快晴となり、樹間から南アルプスの山々が僅かに望まれた。 初めは少しあった風も次第に収まり、気温は低いが陽射しが暖かい。 振り返れば端足峠を挟んで隣の竜ケ岳が見えた。 笹の多い稜線の道は緩急のメリハリがあるが、登り一本調子で効率が良い。 予想よりも早く9時過ぎに雨ケ岳(1771m)の山頂に到着。 南側は木々が無く富士山の眺めは良いが、北側は木々が密集していて南アルプスの山々の展望はない。 予想どおり雨ケ岳から先にはトレースが無かったので、ここでスノーシューを履く。 雨ケ岳から先の積雪は多い所で50センチほどになった。 まだ雪がそこそこ締まっているので、スノーシューでのラッセルはそれほど苦ではない。 尾根は顕著なのでルーファンが要らないのが嬉しい。 陽が当たる所の雪は溶けたり固まったりを繰り返すので硬く、逆に陽が当たらない所の雪は新雪のままで柔らかい。 雨ケ岳から毛無山まではトレースが無いので、コースタイムの倍以上の時間を見込んだが、中間点のタカデッキ(1921m)には雨ケ岳からコースタイムの2〜3割増しくらいの時間で着いた。 木々が疎らなタカデッキの山頂からは富士山や南アルプスの山々の展望が良いが、山頂から数分下った先に無木立の笹原があり、鳳凰三山や南アルプスの山々が一望された。 図らずもタカデッキから先では雪がさらに締まり、歩き易くなった。 間もなく前方から声が聞こえ、毛無山から来た若い男女のパーティーと出会った。 毛無山からこちらに向かうトレースがあったのでツボ足で辿ってきたが、途中からトレースが無くなり苦労したとのことだった。 トレースが繋がったのでさらに歩行は楽になった。 午後に入っても雲一つない快晴の天気が続き、上空には多くのパラグライダーが飛んでいるのが見えた。 朝霧高原はパラグライダーのメッカで道の駅周辺にはいくつかのランディングポイントがある。 毛無山の山頂の喧噪を避け、展望はないが縦走路の最高点となる大見岳(1959m)の山頂の日溜りでのんびり寛ぐ。 以前あった麓の集落への登山道は通行止めとなりロープが張られていた。 大見岳から毛無山の間は順光になりつつある秀麗な富士山を眺めながらの気持ちの良いフィナーレとなり、田貫湖や天子山塊への縦走路、そしてその向こうに十枚山や青笹山などの安倍奥の山並みも見えた。 予想よりもだいぶ早く1時半前に毛無山の山頂に着くと、ちょうど麓の集落から男女4人のパーティーが登ってきたところだった。 山頂にはダイヤモンド富士が目当てだったのか、テントを張った跡が残っていた。 山頂直下の麓の集落へ下る登山道との分岐付近の露岩から最後の南アルプスの展望を楽しみ、スノーシューから6本爪のアイゼンに替えて麓の集落へ下る。 コースタイムとほぼ同じ時間で麓の集落に着いた。 麓の集落から道の駅『朝霧高原』までは東京農大の牧場の周囲の車道を1時間以上歩かなければならないので嫌だったが、意外にも牧場から眺める夕方の富士山の眺めは見事で退屈することなく歩けた。 5時に道の駅『朝霧高原』に着くとちょうど赤富士が見られ、今日は一日中富士山の展望を楽しめた。