2  0  1  2  年   1  2  月  

《 23日 》    真富士山 ・ 第二真富士山 ・ 湯ノ岳 ・ 青笹山 ・ 仏谷山

    真富士山第3登山口 〜 真富士山 〜 第二真富士山 〜 湯ノ岳 〜 青笹山 〜 細島峠 〜 仏谷山 〜 地蔵峠 〜 正木峠  (縦走)

   南アルプス前衛の八紘嶺(1917m)から南に派生する安倍奥東山稜の山々は、週末ハイカーには魅力的な存在だが、アプローチの悪さからこれまで行く機会を逸していた。 一昨年の12月にようやく十枚山から梅ケ島温泉までの間を踏破することが出来たので、まだ未踏破の十枚山から南の山々への縦走を計画していたところ、山仲間の西さん&セッちゃんも一緒に行くことになったので、車を2台使って機動的な縦走を試みることにした。 当初はテントと水をボッカして真富士山から梅ケ島温泉まで一泊二日で縦走する計画だったが、縦走路上の地蔵峠(1414m)から林道が通じている正木峠(1125m)まで登りも下りも1時間足らずで行けることが分かったため、車の回収は面倒だが重荷を背負って歩くデメリットを考え、日帰りの縦走を二日続けることで真富士山から梅ケ島温泉まで完歩することにした。 安倍街道沿いにある道の駅のような存在の『真富士の里』に前泊し、翌朝6時に出発。 ワサビ田や茶畑が点在する有東木の集落の先に延びる九十九折りの舗装された林道を上がり、青笹山(1558m)への登山口となる葵高原(920m)を経て、下山口とした正木峠(1125m)に車1台をデポする。 長い林道を引き返して麓まで下り、平野の集落から同じような九十九折りの舗装された林道を上がって、真富士山の登山口に向かう。 林道の延長により登山口もそれに合わせて上がっていったのか、第1、第2、第3と登山口が三つあった。 一番奥の第3登山口を7時半過ぎに出発する。 真富士山(1343m)や第二真富士山(1402m)はここから2時間足らずで登れるので、この時間帯から登る人はいない。 昨日は遅くまで雨が降っていたせいか、空はどんよりと曇っている。 30分ほど植林の登山道を登るとヲイ平という真富士峠方面との分岐があり、右の真富士山方面に行く。 稜線が近づくにつれ周囲は霧にすっぽりと覆われてしまった。 昨日の雨の影響もあるのか登山道に雪は全くない。 登山口から労せずに1時間少々で稜線に上がり、小さな祠があるだけの真富士神社に立ち寄ってから真富士山に向かう。 霧に包まれた冬の縦走路は幻想的な雰囲気がするが、青空がないのはやはり辛い。 9時に最初のピークの真富士山に着く。 東面が開けた山頂は富士山を望むには絶好の場所だが、今日は全く望むべくもなかった。 次の第二真富士山に期待して真富士峠に下り、第二真富士山へ登り返す。 30分ほどで第二真富士山に着いたが、天気は全く変わらずここでも展望は得られなかった。 第二真富士山からは鬱蒼とした植林の尾根を緩やかに登り下りしながら進む。 所々で木々が伐採され西側の斜面が開けているが、霧が展望を妨げている。 樹林に囲まれ苔むした平らな湯ノ岳(1438m)を過ぎると足元に笹が見られるようになってきた。 青笹山までの縦走路では誰にも出会わないと思っていたが、間もなく若い地元の男性パーティー二人とすれ違った。 これから真富士山を越えて竜爪山(1051m)まで縦走するとのことだった。 二人とも全身濡れ鼠で、ネットの情報にあった背丈を超す高さの笹薮を漕いできたという。 雨具を着て濡れた笹薮に突入すると、男性パーティーの話どおり足元が刈り払われていたので、それほど通過は困難ではなかった。 20分ほどで笹薮を抜けると、送電線の鉄塔が建つ浅間原という巡視路が左右に交差する峠に着いて一息入れる。 一瞬だが青空が覗き、今日一番の展望がある次のピークの青笹山に期待が持てた。 浅間原からは防火帯のように刈り払いされた笹の道が青笹山まで続いた。 雲は多いが上空には青空が広がり始め、左手の樹間から南アルプス南部の銀嶺が僅かに見えるようになった。 青笹山が近づくとようやく足元に雪が見られ、山頂直下の灌木には僅かに霧氷が見られた。 12時半前に明るく開けた青笹山(1558m)の山頂に着く。 山頂は3連休らしく10人ほどの登山者で賑わっていた。 未だに東の方角の富士山は見ることは出来ないが、西の方角には純白の聖岳・赤石岳・荒川岳などが雲の中に見え隠れするようになった。 今日はここが一番の展望なので、40分ほど大休止して1時に山頂を発つ。 青笹山を過ぎても笹原は続き、その山名の由来について納得した。 人気のある青笹山の登山道には、今朝車で通過した登山口の葵高原(920m)から順に@からSまでの番号が付された看板が設置されていた。 葵高原への登山道が通じる細島峠(1481m)を経て、今日の最後のピークとなる仏谷山(1503m)へ僅かに登り返す。 仏谷山の山頂は明るいが、背丈を超える笹に囲まれ展望には恵まれなかった。 仏谷山から地蔵峠(1414m)への下りでは明日登る予定の下十枚山(1732m)が眼前に大きく望まれた。 予定よりも早く2時過ぎに地蔵峠に着くことが出来たが、今日は最後まで富士山を望むことが出来なかった。 峠の山梨県側には3畳ほどの広さのお堂があり、その名の通りお地蔵様が置かれていて、緊急時には泊まることも出来そうだった。 地蔵峠から車をデポした正木峠(1125m)まで30分足らずで下ることが出来たので、予定よりも1時間ほど早い2時半過ぎに正木峠に着いた。 真富士山の登山口へ車を回収し、梅ケ島温泉手前の日帰り温泉施設『黄金の湯』に向かったが、冬期は受付時間が4時までなので残念ながら入浴することは出来なかった。 同施設内には広い駐車場があり、テントを建てて持ち寄ったおでん等の食材で夕食の宴とした。

        

真富士山第3登山口


霧に煙る縦走路


真富士山の山頂


真富士山から第二真富士山へ


第二真富士山の山頂


第二真富士山からは鬱蒼とした植林の尾根を緩やかに登り下りする


樹林に囲まれ苔むした平らな湯ノ岳の山頂


青笹山までの縦走路で唯一すれ違った若い地元の男性パーティー


背丈を超す高さの笹薮を漕ぐ


背丈を超す高さの笹薮を漕ぐ


送電線の鉄塔が建つ浅間原


浅間原からは防火帯のように刈り払いされた笹の道が青笹山まで続いた


青笹山が近づくとようやく足元に雪が見られた


山頂手前から見た青笹山


青笹山の山頂直下の笹の回廊


明るく開けた青笹山の山頂


雲の中に見え隠れする南アルプス南部の銀嶺


青笹山を過ぎても笹原は続いた


背丈を超える笹に囲まれた仏谷山の山頂


仏谷山から地蔵峠への下りでは明日登る予定の下十枚山が大きく眼前に望まれた


地蔵峠のお堂


車をデポした正木峠へ下る


正木峠の登山口


『黄金の湯』から見た大光山(おおぴっかりやま)


『黄金の湯』の駐車場にテントを建てる


夕食の宴


2 0 1 2 年    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P