《 16日 》 山王帽子山 ・ 小太郎山
光徳 〜 山王峠 〜 山王帽子山 〜 小太郎山 (往復)
日曜日のみ冬型の気圧配置が緩むという予報が出たので、久々に稲子湯から天狗岳に登ろうと思ったが、今年は12月としては積雪が多いためマイナーなルートでは日帰りで稜線や山頂まで辿り着けないという懸念が拭いきれず、日光の山王帽子山に登ることにした。 運良くトレースに恵まれれば、その先の小太郎山や太郎山まで足を延ばすことが出来るかもしれない。 光徳のアストリアホテルに隣接する駐車場で前泊し、5時半に出発。 予報にはなかったが、未明の気温が0度と異常に高く、昨夜から不安定な気象で一晩中強風が吹いていた。 無雪期はこの先の山王峠まで車道を車で上がれるが、今は冬期通行止めとなっている。 駐車場に他の車はない。 光徳から山王峠までは登山道もあるが、前日の下見で車道の積雪が予想よりも少なく、スノーシューを履かずに歩けそうだったので、距離は長いが時間は早いと判断し、山王峠まで車道を歩くことにした。 12月に入ってから日光でもかなりの積雪があったらしいが、ここ数日は積雪は無いようで、1週間前くらいと昨日の足跡が僅かに見られた。 間もなく夜が明けて周囲が明るくなった。 車道の積雪は次第に多くなり、スノーシューやスキーで滑った跡も見られるようになった。 光徳から車道を1時間ほど歩くと脛までのラッセルとなったのでスノーシューを履く。 そこから15分ほどで山王峠手前の太郎山への登山口に着いたが、意外にも登山道には古いトレースが残っていた。 つぼ足でも登れそうだったが、そのままスノーシューで登る。 山王峠から山王帽子山を経て太郎山に登るのは11年ぶりなのでルートの記憶は殆ど無い。 予報どおり快晴の天気になりそうだが、相変らず強い風が治まらず上空で唸り声を上げている。 トレース次第では太郎山まで行けるかもしれないと期待が高まるが、むしろこの強風がキーポイントになりそうだった。 北隣りの三岳(1945m)が目線の高さになると、風が樹間越しに背中から吹き付けるようになった。 山頂手前の切り裂きから男体山や白根山が見えてきたので、風の当たらない南斜面の日溜りを見つけて一息入れる。 そこから僅かに登って、予定よりも早い9時前に山王帽子山の山頂に着いた。 残念ながらというよりも予想どおり山王帽子山から先にはトレースはなかったが、まだ時間も早かったので山頂からの展望の良い小太郎山まで足を伸ばすことにした。 山王帽子山と小太郎山との鞍部に向けて急坂を下る。 積雪はここが一番多く50センチほどだった。 帰路の登り返しを考え、なるべく登山道に沿ってトレースを作りながら下る。 鞍部までは160mの標高差だった。 鞍部から小太郎山への登りは見た目どおりの急坂だ。 積雪は30センチほどなのでスノーシューでのラッセルは楽だが、もう一度まとまった新雪が降ると厳しいだろう。 鞍部からしばらく登ったハガタテ薙分岐を過ぎると、それまで山王帽子山に遮られていた風が再び樹間越しに背中から吹き付けるようになった。 森林限界を超える山頂付近はかなり厳しいと覚悟していたが、登山道は上手く風の通り道から外れてくれ、強風に苛まれることはなかった。 山王帽子山から2時間半ほどで無木立の小太郎山の山頂に着いた。 快晴の天気に恵まれた山頂からは日光や尾瀬の山々が全て見渡せ嬉しい限りだ。 予想どおり太郎山への痩せ尾根には強風がまとも吹き付け、歩くこともままならない状況だったので潔く諦め、風の当たらない山頂の南斜面で30分ほど展望を愛でながらゆっくり寛ぐ。 正午過ぎに静かな山頂を辞し往路を引き返す。 鞍部まで一気に下ると、山王帽子山への登り返しを嫌って山王帽子山の南斜面をトラバース気味に光徳への車道に下ってしまいたい衝動に駆られたが、スキーほどの機動力はないので自重した。 図らずもトレースをつけた山王帽子山への登り返しは全く楽だった。 山頂で一息入れてから山王峠手前の登山口に下る。 私達以外のトレースは無く、今日は小太郎山のみならず山王帽子山にも登った人はいなかった。 登山口からは車道を下らず、山王峠から山王見晴しを経由して光徳への登山道を下る。 緩やかな癒し系の登山道は愛好家が多いのか、立派なトレースに助けられスノーシューを履いたまま1時間足らずで光徳まで下った。