《 16日 》 白馬岳 ・ 杓子岳 ・ 白馬鑓ケ岳
猿倉 〜 白馬岳 〜 杓子岳 〜 白馬鑓ケ岳 〜 白馬鑓温泉 〜 猿倉 (周回)
海の日の3連休は梅雨が明けず、また天気予報も毎日変わって行先を選ぶのに苦労したが、結局最終日に日帰りで白馬三山の周回ルートを久々に歩くことにした。 同じような境遇だった山仲間のハイジさんが御一緒して下さることになり、さらには山仲間のkana−catさんとも山中で偶然?お会いし、図らずも日帰りながら想い出に残る山行となった。 猿倉の駐車場で前泊し、未明の2時半に出発。 悪天候のためか、予想に反して猿倉の駐車場は連休中とは思えないほど空いていた。 今日は長丁場だが訓練が目的ではないので、意識的にペースを落として歩く。 暗闇に浮ぶ三日月に寄り添うように輝く金星がとても絵になる。 白馬尻で朝食を食べ、僅かに登山道を登ってから大雪渓の末端に取り付く。 涼しさを求めてここに来たわけだが、雪渓を吹き降ろす風は寒いくらいで、雨具を羽織って登る。 雪面も硬く締まっていたので、6本爪のアイゼンを着けて登る。 まだ夜が明けたばかりなので周囲に人影は無く、夏の白馬大雪渓とは思えないほど静かだ。 4時半過ぎに主稜越しのご来光となり、葱平の下でようやく下山してくる人とすれ違った。 上空には青空が見えたが、稜線上は雲の流れが速く、天気は予報以上に不安定な感じがした。 新築されたお花畑避難小屋でアイゼンを外して登山道を登るが、ウルップソウを始めとする花々が見頃で、遅いペースがさらに遅くなる。 それでもほぼ予定どおり7時過ぎには村営の頂上宿舎に着き、ベンチで一息入れる。 上空の雲の色が黒く風も強かったので、白馬鑓方面へ行くかどうか迷ったが、再び青空が見えるようになったので、予定どおり白馬岳に登ってから縦走することにした。 あいにく山々のピークには雲が取り付き、展望には恵まれないが、稜線にはチングルマを始めとするお花畑がいたる所に見られ全く退屈しない。 夏の白馬岳は非常に混雑するので、ここ数年は足が向かなかったが、この一面のお花畑は本当に見事だ。 毛勝三山は良く見えるが、剱岳は山頂に雲が取り付いている。 8時に白馬岳の山頂に到着。 山頂直下では大きな荷物を背負ったイギリス人の女学生の団体と遭遇して驚いた。 山頂は雲の中で風も強いのでトンボ返りで白馬山荘へ下る。 下から韋駄天のように颯爽と駆け登ってくる山ガールは紛れもなくkana−catさんだった。 聞けば私達よりも2時間遅く猿倉を出発したとのこと。 偶然出会ったというよりは予想どおりという感じがして笑えた。 ホテルのような白馬山荘の売店でジュースを買い、次のピークの杓子岳へ向かう。 山小屋に泊まった登山者はすでに出発しているため、縦走路に人影は少ない。 相変わらずお花畑が続き、コースタイムどおり歩くことが難しい。 風の当たらない杓子岳の直下で一休みしていると、kana−catさんが追い着き、それ以降は亀足の私達にお付き合いしてもらうことになった。 天気は好転せず、杓子岳の山頂も写真を撮っただけで通過し、最後のピークの白馬鑓に向かう。 杓子沢のコル付近では再び見事なお花畑となり、皆で撮影大会となる。 コルから白馬鑓へは標高差もかなりあるが、暑くないので全く苦にならない。 11時前に白馬鑓の山頂に到着。 山頂直下で30分近く休みながら粘ったが、結局三山とも雲の中で展望は得られなかった。 鑓温泉への分岐に向けて下って行くと突然雲が切れ、天狗ノ頭の向こうに薬師岳や水晶岳が遠望されたので、分岐から天狗ノ頭方面へ少し登り、今日一番の展望を満喫した。 分岐から少し下ったガレ場にはコマクサの群落が見られ、その先もしばらくお花畑となっていたが、大出原周辺ではまだ残雪が多く、花はこれからだった。 1時過ぎに鑓温泉に到着。 鑓温泉小屋は今日山頂を発ったと思われる登山者で賑わっていた。 露天風呂はもちろんのこと足湯もあり、のんびりしていきたいところだが、ここから猿倉までは登り返しが何度もある長丁場なので、心を鬼にして下山する。 迷いやすい雪渓も赤旗が立てられていたので助かった。 小日向のコル付近では水芭蕉の群落が随所に見られ、お花見山行のフィナーレに相応しかった。