2  0  1  2  年     4  月  

《 30日 》    至仏山 <スキー>

鳩待峠 〜 至仏山 〜 山ノ鼻 〜 鳩待峠  (周回)

   朝5時半に起床すると、昨夜の天気予報どおりの曇天だったが、ありがたいことに至仏山は山頂まで見えていた。 6時を過ぎると戸倉から車が上がってくるので、スキーを担がなくて済むように鳩待山荘前(上)の駐車場に車を移動する。 朝食を食べながら出発の準備をしていると、突然「よっちゃ〜ん!」と聞き覚えのある声が掛かった。 声の主は何と山仲間のゆきさんで、ゆきさんのお友達のまきくまさんとご一緒だった。 昨日のMINMINさんに続き、思いがけない所での出会いに驚いた。 車を移動しなかったらお互い気が付かなかっただろう。 ゆきさん達は先ほど朝一番で鳩待峠に入られ、これから笠ケ岳まで往復されるとのことだった。 ゆきさん達を見送り、7時に鳩待峠を出発。 2日続けての好天と今日の曇天が功を奏し、一昨日の喧噪とは比べものにならないほど静かだ。 山ノ鼻への登山道と同じくらい踏み固められたトレースをシールで登る。 今日はピッケル・ロープ・スコップなどの基本装備は置いて行く。 後から思えばアイゼンも不要だった。 交通規制や登山者の多さで敬遠している至仏山には、12年前の秋にキリマンジャロ登山の参加メンバーの親睦登山で山仲間のせっちゃんやKさんのご家族と登って以来だ。 曇天予報だったが薄日も射すようになり、周囲の山々もはっきり見えた。 ここ数日の好天で稜線の雪解けが進んでいるのか、昨日までと同じ山域にいるとは思えないほど雪が茶色く濁っているのが玉にキズだ。 稜線に近づくにつれて展望は良くなり、至仏山の東面に広がるワル沢源頭部の大斜面が誘惑するようになる。 至仏山では1日でムジナ沢とワル沢の両方を滑るのが、山スキーヤーの間では定番だというのも頷ける。 小至仏山を右から巻き、レールのようなトレースに乗っかり、労せずして至仏山の山頂に9時半に着いてしまった。 山頂は20人近くの人で賑わっていた。 山頂からの展望が良く、楽に登れ、滑りも快適で、GW頃になれば雪崩の心配もなく、また道迷いや遭難の危険がないという環境の良さがこの山の人気の理由だろう。 高曇りながらも360度の展望が利き、1時間近く展望を愛でながら寛いだ。 昨日登った平ケ岳は遥かに遠い。 10時半前に重い腰を上げてムジナ沢方面に滑り出す。 意外にも私達の出発した時間帯ではワル沢を滑る人が多く、ムジナ沢はほぼ貸し切り状態だった。 山頂からムジナ沢に向けてひと滑りすると、岩が帯状に露出して行く手を塞いでいた。 稜線伝いに左側からムジナ沢方面に行きたかったが、ギリギリにしか雪が繋がっていなかったので安全策をとって右から岩場を回り込む。 今日2本目の滑りだろうか、下からシールで登ってくるパーティーとすれ違う。 岩場からムジナ沢の源頭に向けてトラバース気味に滑って行くと、まだ今日のシュプールのない斜面があり、そこから眼下の尾瀬ケ原に向かって滑り込む。 尾瀬ケ原までの高度差600m以上の大斜面には急な所もなくほぼ同じ傾斜が続き、デブリの跡もなかったので妻には好評だった。 もちろん、スキーが下手な私にとっても思わず万歳したくなるような快適なバーンだ。 また曇天で気温が高くなかったことが幸して雪質もまずまずで、結構長い距離を同じようなザラメで楽しめた。 尾瀬ケ原に降り立ち、山ノ鼻へスキーを滑らせる。 今日も多くの人で賑わう山ノ鼻で大休止し、ワル沢の大斜面を右手に見上げながら後ろ髪を引かれる思いで鳩待峠に登り返す。 1時過ぎに鳩待峠に着き、帰りの支度をしているとゆきさん達も笠ケ岳から下山してきた。 これから関越道の渋滞が酷くなるので、ゆっくりとお互いの山行の土産話が出来なかったことが悔やまれた。 戸倉から沼田ICまでの国道沿いには開花が遅れた桜が満開で、図らずも今春一番のお花見が出来て何か得をしたような気分だった。


鳩待峠で山仲間のゆきさんと偶然出会う


山ノ鼻への登山道と同じくらいに踏み固められていたトレースをシールで登る


昨日までと同じ山域にいるとは思えないほど雪が茶色く濁っていた


稜線への登りから見た至仏山と小至仏山(左)


稜線への登りから見た笠ケ岳


稜線(オヤマ沢田代)から見た小至仏山


小至仏山を巻いて登る


至仏山の山頂直下


至仏山の山頂


山頂から見た平ケ岳(中央遠景)


山頂から見た燧ケ岳


山頂から見た上越県境の山々


山頂からムジナ沢方面に滑り出す


右から岩場を回り込む


岩場からムジナ沢の源頭に向けてトラバース気味に滑る


ムジナ沢の源頭に向けてトラバースを続ける


尾瀬ケ原を眼下にムジナ沢を滑る


ムジナ沢の上部から中間部へ


ムジナ沢の中間部


ムジナ沢の中間部から下部へ


ムジナ沢の下部


ムジナ沢では終始デブリの跡は見られなかった


尾瀬ケ原に降り立ち、山ノ鼻へ向かう


尾瀬ケ原から見上げた至仏山(左)とムジナ沢(右の斜面)


今日も大勢の人で賑わう山ノ鼻


山ノ鼻から鳩待峠へ


鳩待峠


2 0 1 2 年    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P