2  0  1  2  年     4  月  

《 1日 》    和名倉山

秩父湖 〜 和名倉山  (往復)

   4月に入ったが週末は雨や冬型の気圧配置になってしまったので、計画していた山スキーや登山を中止し、以前から気になっていた秩父湖から和名倉山に登るルート(二瀬ルート)を辿ることにした。 一昔前は和名倉山自体がマイナーだったため登る人も少なかったが、近年の200名山と最近の登山ブームにより山梨県側からのルート(三ノ瀬ルート)は言うに及ばず、マイナーな埼玉県側からのルート(二瀬ルート)を登る人も増えつつあり、更には大洞川の上流から仁田小屋尾根を辿るルートも一部の愛好家に登られるようになったようだ。 例年どおりの積雪であれば3月の中旬まではラッセルが厳しいが、雪解けが急速に進むこの時期なら日帰りでも山頂に届く可能性はあると思った。 道の駅『大滝温泉』に前泊し、早朝登山口となる埼玉大学秩父山寮手前の駐車スペースに移動して5時半過ぎに出発。 予想どおり他に車は停まっていなかった。 地形図から見た登山口の標高は550mほどで、山梨県側の三ノ瀬よりも700mほど低い。 長さ200mほどの吊り橋で秩父湖の対岸に渡り、鬱蒼とした杉林の急な斜面に取り付く。 二瀬ルートは標識が全く無い代わりにテープ類は沢山あるが、事前にしっかりルートを確認しておかないと分かりづらい。 40分ほどジグザグに薄暗い杉林を登って行くと秩父湖を眼下に見下ろす二瀬尾根の末端に乗り、1369mの登尾沢ノ頭に向けて左が杉林、右が自然林の顕著な尾根を登る。 尾根は次第に幅が広くなり自然林の中を登るようになるが、テープ類が沢山あるので無雪期なら迷うことはない。 樹間からは三峯神社から雲取山へ続く尾根と長沢背稜が重なって見えて面白い。 登山口から2時間ほどで最初の休憩ポイントとなる登尾沢ノ頭(1369m)直下の広場に出る。 ここからは尾根通しに登尾沢ノ頭には登らず、昔の森林軌道跡を通って尾根を巻いていく。 所々で雪が凍っていたので早々にアイゼンを着ける。 幅の広い和名倉山の頂上稜線が樹間から見えてくる。 森林軌道跡は殆ど起伏がなく、40分ほど水平にトラバースを続けていくと次の休憩ポイントとなる造林小屋の跡地に着く。 錆びたレールや車軸が散乱し、倒壊した飯場の跡の傍らには小沢が流れていた。 造林小屋の跡地からは再び二瀬尾根に向けての登りとなる。 ここからは積雪が一気に増えたが、気温が低く雪がまだ締まっていたのでつぼ足で登る。 予想どおりトレースは無く、ここしばらくの間誰も登っていないようだった。 1639mのピークの先で再び二瀬尾根に乗ると、このルートの名物のスズタケの藪の洗礼を受ける。 無雪期なら問題ないが雪で倒れたスズタケが所々で道を塞いでいて煩わしい。 テープ類は相変わらず沢山あるが、それでも時々道を見失う。 しばらく登山道はスズタケの尾根を辿るが、1800m付近から再び尾根を僅かに外れて左側から巻いていく。 くるぶしの高さではあるが、ずっとラッセルが続いて時間が掛かる。 陽射しが足元に届かない暗い雑木の密林から明るい白樺の疎林に変わると、ようやく三ノ瀬からのルートとの合流点(二瀬分岐)に着いた。 意外にも三ノ瀬からのルートにもトレースは無く、今日を含めてここ数日は誰も登っていないようだった。 すでに正午を過ぎていたが、足も相当疲れていたので、ここで大休止する。 二瀬分岐から山頂までは南斜面で陽当たりも良く、雪も少なかったのでコースタイムどおりに歩けた。 1時に人待ち顔の和名倉山の山頂に着く。 今回で3回目となった和名倉山は図らずも貸し切りとなった。 下山もそれなりに時間が掛かり、6時前になって車に戻った。


登山口の埼玉大学秩父山寮


長さ200mほどの吊り橋で秩父湖の対岸に渡る


二瀬尾根の末端から1369mの登尾沢ノ頭に向けて顕著な尾根を登る


尾根は次第に幅が広くなり自然林の中を登る


最初の休憩ポイントとなる登尾沢ノ頭(1369m)直下の広場


昔の森林軌道跡を水平にトラバースして尾根を巻く


幅の広い和名倉山の頂上稜線が樹間から見える


錆びたレールや車軸が散乱する造林小屋の跡地


造林小屋の跡地からは積雪が一気に増えた


このルートの名物のスズタケの藪


1800m付近から見た雲取山


1800m付近から再び尾根を僅かに外れて左側から巻いていく


三ノ瀬からのルートとの合流点(二瀬分岐)


雪が無くなった千代蔵の休ン場


和名倉山の山頂付近


和名倉山の山頂


下山もそれなりに時間が掛かった


2 0 1 2 年    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P