2  0  1  2  年     2  月  

《 12日 》    北奥千丈岳

柳平の林道ゲート 〜 川上牧丘林道 〜 大弛峠 〜 北奥千丈岳   (往復)

   連休となった週末は混雑を避けて、2年前の同時期に敗退した川上牧丘林道から大弛峠を経て国師ケ岳に登るルートにリベンジすることにした。 前回は林道の積雪が予想以上に多く、スノーシューでも苦戦したため、今回は大弛峠までスキーで行くことにした。 乙女湖の先の柳平の林道ゲート(1500m)手前の除雪された駐車スペースに前泊したが、予想どおり他に車は無かった。 ゲート付近の積雪が前回に比べて明らかに少なかったため、悩んだ末に急遽スキーからスノーシューに変更し、前回よりも1時間早い5時前に出発する。 気温はマイナス7度で、その後マイナス11度まで下がった。 ゲートから14キロ先の大弛峠(2365m)まで6時間、峠から国師ケ岳まで2時間の予定だ。 ゲートから先の積雪は見立てどおり前回に比べて少なく、巡視車両等の轍で舗装路面が見えるほどだった。 また前回は轍がゲートから2キロほど先の六本楢峠付近までだったが、今回はその先までずっと続き、結局ゲートから8キロほど先まで続いていた。 積雪は少なかったが、前回同様にトレースは無く、予想どおりここしばらくは誰もこの林道を歩いていないことが分かった。 日の出前は上空に鉛色の雲が見られヤキモキしたが、明るくなってからは青空が広がり、その後は日没まで雲一つない快晴の天気となった。 道幅の広い吹きさらしの林道は所々で風が強いが、南アルプスの山々や金峰山の展望が楽しめた。 ゲートから1キロ毎に『大弛峠まで○○キロ』の標識があるので、時間をチェックしながら歩く。 最初の4キロまでゲートから1時間20分、次の4キロまでゲートから2時間40分と、ほぼ同じタイム(時速3キロ)で通過することが出来たが、『大弛峠まで6キロ』の標識を過ぎると前回同様に積雪が多くなり、巡視車両等の轍もその少し先で消えていた。 雪は締まっていたのでそのまま1キロほど軽いラッセルで進んだが、30分以上掛かったので、『大弛峠まで5キロ』の標識からスノーシューを履く。 積雪は30センチほどで、表面だけが硬いモナカ雪になっていたので、スノーシューで歩くにはぴったりだった。 意外にも前回の最終到達地点となった『大弛峠まで3キロ』の標識を過ぎると雪はさらに締まり、部分的には殆ど雪に沈むことなく歩くことが出来るようになったので、峠の手前の最後の1キロは20分ほどの速さで歩くことが出来た。 ほぼ予定どおりの11時過ぎにシーズン中の喧噪が嘘のように静まり返った大弛峠に着く。 無雪期であれば舗装された駐車場となっている大弛峠で感動を覚えることはないだろうが、川上村(長野県側)に抜ける林道と奥秩父の縦走路との交差点にはいずれの方向からもトレースはなく、一面が純白の雪でオブラートされたことで、山が原始の姿に少し戻ったような感じがしてとても印象深かった。 長い林道歩きもこの風景に出合えたことで報われた。 気持ちをリセットし、大弛小屋の前を通って国師ケ岳へと向かう。 この区間の縦走路を歩くのは6年前の初冬に甲武信岳から金峰山に縦走した時以来だが、結構記憶には新しかった。 木の階段には雪が平らに積もり、まるで板の上のカマボコのようになっていた。 樹林が濃く登山道に陽射しが届かないため雪は締まっていて、予想以上に軽いラッセルで登ることが出来た。 峠から1時間少々で最初のピークの前国師岳に着く。 山頂は360度の展望に恵まれ、眼前の国師ケ岳、北奥千丈岳、そして金峰山は言うに及ばす、三宝山、甲武信岳、木賊山、そして遠く飛龍山や雲取山までの主脈上の山々が一望出来た。 当初は国師ケ岳に登る予定だったが、北奥千丈岳の方が山頂からの展望が良さそうに見えたので、目標を変更して指呼の間の北奥千丈岳に向かう。 予定よりも少し早く12時半に人待ち顔の北奥千丈岳の山頂に着く。 山頂からの展望は前国師岳同様に良かったが、風が強かったのであまり長居はせず風の無い前国師岳に引き返す。 前国師岳の山頂で展望を愛でながら遅い昼食を食べ、重い腰を上げて長い下山の途につく。 目標を失った身には堪える長さだ。 林道は途中に登り返しもあるため下りも時間が掛かり、柳平の林道ゲートへは日没後の6時に着いた。


ゲートから先は積雪が少なく巡視車両等の轍で舗装路面が見えた


ゲートから1キロ毎に『大弛峠まで○○キロ』の標識がある


林道から見た金峰山


『大弛峠まで6キロ』の標識を過ぎると積雪が多くなった


『大弛峠まで5キロ』の標識からスノーシューを履く


表面だけが硬いモナカ雪の上を歩く


『大弛峠まで3キロ』の標識を過ぎると雪が締まり歩き易くなった


大弛峠の手前では殆ど雪に沈むことなく歩くことが出来るようになった


大弛峠の駐車場


大弛峠


川上村(長野県側)に抜ける林道


金峰山方面の縦走路


大弛小屋


縦走路の雪は締まっていて登り易かった


前国師岳の山頂から見た北奥千丈岳


北奥千丈岳の山頂


北奥千丈岳の山頂から見た金峰山


北奥千丈岳の山頂から見た国師ケ岳


北奥千丈岳の山頂から見た南アルプス


北奥千丈岳から前国師岳に引き返す


前国師岳の山頂から見た三宝山 ・ 甲武信岳 ・ 木賊山(左から)


快晴無風の前国師岳の山頂で展望を愛でながら遅い昼食を食べる


縦走路の木の階段を下る


大弛峠から林道を下る


柳平の林道ゲートへは日没後に着いた


2 0 1 2 年    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P