2  0  1  1  年   1  0  月  

《 29日 》    三岩岳 ・ 窓明山

小豆温泉 〜 三岩岳 〜 窓明山 〜 三岩岳 〜 小豆温泉  (往復)

    今年の初夏に計画したが、雨で中止となった南会津の三岩岳と窓明山に行った。 三岩岳は13年前の春に一度登ったが、その時の記憶は不思議と全くない。 今回はこれに隣の窓明山を加え、さらにその後開削されたらしい小豆温泉から巽沢山・家向山への周回ルートを辿ることにした。 道の駅『たじま』で前泊し、翌朝登山口の小豆温泉を7時に出発。 近くに尾瀬があるためか、広い駐車場には他の車は無かった。 意外にも登山道(新道)の入口には「豪雨災害のため登山は遠慮して下さい」との看板があり、鉄の階段にはロープが張られていた。 状況が分からないのでとりあえず自己責任で入山したが、すぐその先で土砂崩れにより登山道が流出していた。 沢状地形だったので倒木をまたぎ、地形に逆らわずにしばらく進むと踏み跡があり、それを辿って行くと無事登山道に合流した。 その後は入山者が少ないためか下草が伸びてはいたものの全く問題なく山頂まで登れた。 天気は予報以上に素晴らしい快晴となり、すでに終わりかけていた木々の紅葉が陽光を浴びて蘇る。 小豆温泉からの登山道(旧道)との分岐を過ぎると間もなく単独の男性(今日私達の他に登った唯一の人)が追いついてきたが、新道の取り付きが不明で一旦引き返し、旧道を登ったがこちらも不明瞭で再び新道を登ってきたとのことだった。 標高1500mを過ぎると足元に新雪が見られるようになり、紅葉もすっかりなくなった。 窓明山との分岐にある避難小屋を経て11時過ぎに三岩岳の山頂に到着。 360度の大展望ではないが、眼前には大戸沢岳から会津駒に続くたおやかな稜線と燧ケ岳の頂稜部が、そして白根山、日光、那須、荒海山、七ガ岳などの山々はもちろんのこと、中ノ岳や越後駒、荒沢岳が意外と近くに望まれた。 先に到着した単独の男性も周回ルートを辿るとのことで下山して行った。 展望を充分楽しみ正午に山頂を辞する。 避難小屋まで一旦戻り、窓明山への縦走路に入る。 稜線の南側斜面は木々がなく開放的で明るい。 三岩岳の山頂から標高差で300mほど下ったコルから少し窓明山方面に登ると小さな湿原と池塘があった。 1時過ぎに人待ち顔の地味な窓明山の山頂に到着。 ここからは新しく開削された登山道を小豆温泉付近の国道に向けて2時間半ほど下るだけだったが、途中で脱いだ愛用のTシャツをどこかに忘れてきたことに気が付いた。 急げばまだ何とか間に合うので、予定どおり周回ルートを辿る妻と別れて断腸の思いで往路を引き返す。 コースタイムの半分ほどの時間で走るように登り、避難小屋を経て1時間ほどで再び三岩岳の山頂を踏む。 新しいトレースはなく、他に登山者はいなかったことが分かった。 残念ながら山頂にTシャツはなく徒労に終わった。 下りも急いだため緩んだ雪に足を取られ、避難小屋までの間に2回転んだ。 避難小屋まで下ってくると、今度は帽子の上にのせていたサングラスが無いことに気が付いた。 時間に余裕はないが、たった今転んだ場所に落ちているに違いないので、再び三岩岳の山頂に登り返す。 全くの茶番劇だ。 転んだ場所の記憶は曖昧で、時間切れのためサングラスを見つけることは出来なかった。 先日のマナスルを始め数々の山行を共にした愛用のサングラスを意外なことで失い、失意の下山となった。 Tシャツは最初に休憩した旧道との分岐にあったので、土砂崩れで歩きにくい新道を下るのをやめ、分岐から旧道を走って下る。 登山道の状態が心配だったが、落ち葉の堆積した急坂が続くものの状態は良くコースタイムの半分ほどの時間で下ることが出来た。 但し、登山口の取り付きの木の階段が土砂崩れで流されていたので、確かに登りでは取り付きが分かりにくいと思った。 旧道の登山口から国道を僅かに歩き、まだ明るい4時半に小豆温泉の車に戻ることが出来たが、かえってそれが悔しかった。


新道の登山口付近では倒木をまたぎながら進む


土砂崩れにより登山道が流出していた


黒桧沢の右岸を辿る


すでに終わりかけていた木々の紅葉が陽光を浴びて蘇る


旧道との分岐の手前から見た三岩岳の頂稜部


避難小屋の手前から見た窓明山


避難小屋


避難小屋から先の稜線は新雪を踏んで登る


三岩岳の山頂直下の笹原


三岩岳の山頂


三岩岳の山頂から見た大戸沢岳から会津駒に続くたおやかな稜線


三岩岳の山頂直下から見た窓明山


縦走路から見た窓明山


縦走路にある湿原


縦走路にある池塘


縦走路から見た三岩岳


地味な窓明山の山頂


旧道のブナ林


旧道の登山口


2 0 1 1 年    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P