2  0  1  1  年     7  月  

《 24日 》    富士山

御殿場口 〜 富士山  (往復)

    マナスルに向けての高所順応のため、盛夏の富士山に登った。 高所順応は渡航直前が一番効果的だが、定期的に反復して行うことでも一定の効果があるらしい。 山頂までの最短ルートである富士宮口は前泊も含め高所での滞在時間が一番長くなるが、盛夏は週末を中心にマイカー規制があるため週末には登りにくい。 それゆえ今までは須走口を利用していたが、昨今の富士山の登山ブームのため須走口も週末のみマイカー規制がされるようになってしまったので、仕方なく山頂までの最長ルートである御殿場口から登ることにした。 御殿場口は冬期に辿ったことはあるものの、夏期は初めてである。 8月にインドのランサール・カンリ(6662m)に行かれる山仲間のkana‐catさんと前夜に御殿場口の駐車場で合流し、翌朝3時過ぎに登山口(1440m)を出発。 山頂までの標高差が2300m以上あることに加え、最初の営業小屋となる七合目の山小屋までの標高差が1600mもあるため、この時間から登り始める日帰りの登山者の姿は殆どなく、盛夏の喧噪の富士山という感じは全くしない。 登山口には『山頂まで10.5キロ・410分』という新しい標識があった。  砂礫の登山道は歩きにくく退屈だが、風もなく気温もこの時期にしては涼しくて快適だ。 高所順応が目的なので、半年ぶりに再会したkana‐catさんとお喋りをしながら意識的にペースを落として登る。 間もなく周囲が明るくなり、5時に雲間からのご来光となった。 毎年8月に行われる麓から山頂までの駅伝大会のルートにもなっているためか、トレランの人がたまに追い越していく程度で、相変わらず周囲に登山者の姿はない。 6時に休業中の六合目の小屋(2590m)に着き朝食を食べる。 6合目からは各々のペースで登ることにして韋駄天のkana‐catさんに先行してもらう。 『標高3000m』の標識を7時過ぎに通過し、その先の七合目の小屋(日の出館・3030m)でトイレ休憩したが、意外にも人が少なく順番待ちをせずに済んだ。 ここから七合五勺の砂走館(3090m)、七合九勺の赤岩八合館(3290m)と進むと、下山してくる人も含めてやや賑やかになってきたが、それでも富士宮口や須走口の人出とは比べものにならない。 山頂には雲が取り付き、天気は予報どおりあまり良くないが、風もなく登るには理想的だ。 9時半前に御殿場口の頂上に到着。 珍しく風もなく穏やかな山頂だ。 先に到着したkana‐catさんが待っていてくれた。 建物の陰でしばらく休憩してから剣ケ峰に向かう。 パルスオキシメーターの測定では酸素飽和度は90%、脈拍は76だった。 霧や雲で周囲の山々の展望は全くないが、高所順応が目的なので全く気にならない。 それどころか山頂付近に滞在するには好都合な天気で有難い。 意外にも剣ケ峰の混雑もそれほどではなかったので、今度は山頂にしばらく滞在してから、時計回りにお鉢を回る。 富士山頂奥宮でマナスルの登山の安全を祈り、茶屋のベンチでお尻から根が生えるほど長く居座る。 そこもいい加減飽きてきたので、再びkana‐catさんと2回目のお鉢回りをする。 今度は少し負荷をかけて早足で歩く。 2時過ぎにkana‐catさんが一足先に下山していった。 私達も2時半過ぎには下り始めたが、3000m付近までは意識的にペースを落とし、少しでも高い所の空気を吸って下った。 下りも登ってくる人や下る人が少なく、富士山にいるという気が全くしなかった。 砂埃を嫌い、時間は掛かるが砂走り下山道は下らず、登ってきた道を登山口へ下った。 霧のため下りも涼しく、図らずも盛夏の富士山としては今までで一番快適だった。


御殿場口の登山口


登山口の新しい標識


朝焼けと雲海


雲間からのご来光


予想外に登山者が少なかった御殿場口からのルート


休業中の六合目の小屋(2590m)の手前


六合目から七合目の間


『標高3000m』の標識


七合五勺の砂走館(3090m)


八合目から見た御殿場口の頂上


御殿場口の頂上直下


御殿場口の頂上


パルスオキシメーターで酸素飽和度と脈拍を測定する


富士宮口の頂上


剣ケ峰の山頂


剣ケ峰の山頂で寛ぐ


時計回りにお鉢回りをする


お鉢の残雪と剣ケ峰


富士山頂奥宮


2回目のお鉢回りは少し負荷をかけて早足で歩く


御殿場口の頂上から見た剣ケ峰


砂走り下山道は下らず、登ってきた道を下る


2 0 1 1 年    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P