2  0  1  1  年     5  月  

《 8日 》    富士山

須走口 〜 須走口頂上  (往復)

    数日前の天気予報では雨だったGW最後の日曜日が晴れの予報に変わったので、寸暇を惜しんで日帰りで須走口から富士山に登った。 今シーズンは冬場に雪が少なく、登る機会に恵まれなかったので、ちょうど良いタイミングだった。 4年前のGW明けにも同じ須走口から登ったが、その時の印象では中間部の広い斜面がまさに山スキーのゲレンデには最高だったが、この時期では一般的でない御殿場口を除けば、どのルートよりも長いことが幸いして登山者やスキーヤーが少ないということだった。 しかしながら、以前冬場にアイスバーンの富士山の中腹をスキーで滑ったことが相棒の妻にはとても印象が悪く、今回もスキーで行くことはお預けとなった。 須走口の広い駐車場に前泊し、4時半過ぎに駐車場を出発。 少し前に単独の年配の方が出発していった。 駐車場には他に車が数10台停まっていたが、その殆どが登山やスキーではなく、星座の観察とかご来光が目的のようだった。 予報どおり暖かいが、逆に風は予想以上に強い。 このままこの強風が続けば山頂は踏めないだろう。 高度計の標高を2000mに合わせる。 すでに営業が始まった茶店の先の階段を登り、鳥居をくぐるとすぐにご来光となった。 砂走り下山道との分岐を過ぎると、登山道は雪に覆われ始めた。 雪に潰された灌木が登山道を塞いでいたので、登山道を外れて火山礫に溶岩が混じった斜面を登る。 後ろから若い単独の方が追い着いてきたので道を譲る。 2300m付近からはようやく残雪が山肌全体を覆うようになり、登り易くなった。 昨日の雨で麓は一面の雲海となっている。 間もなく先に出発した年配の方を追い越す。 2500mの6合目の小屋を過ぎると再び風が強まり、富士山特有の台風並みの突風が吹くようになったのでアイゼンを着ける。 昨日山頂付近に積もった雪なのか、粒の小さなあられが容赦なく吹き付けてくる。 先週の風が強かった聖岳のことが頭に浮かぶ。 本6合目の小屋付近では所々で足を止めて風が吹き止むのを待つため、遅々として登高は捗らない。 まだ半分雪に埋もれた7合目の小屋を過ぎると少し風が収まってきたので安堵する。 明瞭なトレースは無いので登山道どおりには登らず、雪煙の舞う山頂を目指して最短コースを直登する。 本7合目の小屋を横目で見ながら登っていくと、右上に吉田口から登ってきた4人のガイドパーティーの姿が見えた。 風はまだあるが、先ほどのような突風は無くなった。 山頂から滑ってきたスキーヤーが再び山頂に向かって登り返していく(山頂で話を伺うと、地元の御殿場の方だった)。 8合目の小屋へも寄らずにその先の8合5勺の小屋の陰でようやく一息つく。 先週登られた“富士山の主”の山ちゃんの情報では、山頂直下の所で蒼氷が出ているということだったので、ここでアンザイレンする。 9合目からは傾斜が一段ときつくなったが、雪の状態は登るにはベストでアイゼンの爪が小気味良く利いた。 11時過ぎにようやく須走口の山頂に着く。 私達と入れ違いに2人の外国人スキーヤーが滑り下りて行った。 予想どおり山頂は強い風が吹き荒れていて、真冬のように寒々しかった。 少し前まで上空は青空だったが、今は雲や霧で剣ケ峰は見えない。 それでも強風に耐えながら剣ケ峰まで何とか行けそうだったが、相棒の妻が行くのを嫌がったので諦めることにした。 小屋の陰の風の当たらない場所で寛いでいると、ようやく山頂を覆っていた雲や霧がなくなり、火口越しに剣ケ峰が見えた。 1時間ほど山頂に滞在し、正午過ぎに山頂を辞した。 2組のガイドパーティーに続いて吉田口からはスキーヤーが10数名登ってきたが、やはり須走口からの登山者やスキーヤーは少なかった。 気温はますます高くなり、8合目付近から下は雪も緩んでザラメ状態になっていた。 まだ陽の高い3時前に登山口に着くと、GWらしく一般の観光客の姿が散見された。


登山口の茶店は営業が始まっていた


登山道を外れて火山礫に溶岩が混じった斜面を登る


2300m付近からはようやく残雪が山肌全体を覆うようになった


6合目の小屋を過ぎると再び風が強まった


本6合目の小屋付近では所々で足を止めて風が吹き止むのを待つ


まだ半分雪に埋もれた7合目の小屋を過ぎると少し風が収まってきた


登山道どおりには登らず山頂への最短コースを直登する


吉田口から登ってきたガイドパーティー


吉田口と合流した8合目から8合5勺の間を登る


山頂から滑ってきた地元のスキーヤー


須走口(吉田口)の頂上直下


須走口(吉田口)の頂上(到着時)


山頂は強い風が吹き荒れていて、真冬のように寒々しかった


山頂を覆っていた雲や霧がなくなり、火口越しに剣ケ峰が見えた


須走口(吉田口)の頂上(下山時)


1時間ほど山頂に滞在し、正午過ぎに下山する


まだ陽の高い3時前に登山口に着く


2 0 1 1 年    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P