2  0  1  1  年     4  月  

《 24日 》    釜無山  ・  白岩岳

大阿原湿原 〜 釜無山 〜 無名峰 〜 白岩岳    (往復)

    先月釜無山に行った時に偵察しておいた、南アルプス最北端の入笠山から鋸岳への縦走路の最高点の白岩岳(2267m)へ日帰りで登った。 偵察時の印象では白岩岳には残雪の多い3月下旬から4月上旬頃にスノーシューで行くのがベストだと思われたが、前日の大雨の影響で登れる山の選択肢が限られてしまったことと、今年は残雪が多いことを期待して少し時期は遅いが行ってみることにした。 登山口の大阿原湿原の駐車場に前泊し、翌朝5時半に出発(広い駐車場のある沢入から7キロ先の大阿原湿原に通じる車道の入口には通行止めの柵が置かれていたが、自己責任で通行して全く問題なかった)。 運良く一部を除いて釜無山への林道はまだ雪に覆われていた。 夜中も強い雨が降っていたので周囲は朝霧で煙っている。 天気予報どおり本当に晴れるのかとヤキモキしたが、30分ほどで急速に青空が広がってきた。 大阿原湿原から45分ほどで釜無山の登山口に着く。 距離は3キロ位だろう。 古いトレースがあったが、やはり訪問者は少ないようだ。 今日も私達以外は誰も来ないだろう(実際もそのとおりであった)。 所々で雪が無くなると熊笹が覆って歩きにくくなる。 無雪期は藪漕ぎで大変だろう。 4月としては冷たい風が吹いているが、天気は予報以上に良くなり、時折切れる樹間から北アルプスや中央アルプス、そして八ヶ岳などがすっきりと望まれる。 気温が低いため雪は締まり、ツボ足のまま登り続ける。 登山口から1時間足らずで静かな釜無山の山頂に着く。 雪から出ている標識の高さを先月と比較すると、30センチほど雪が減ったことが分かる。 山頂でしばらく休憩してから鋸岳への縦走路へ足を踏み入れる。 先月偵察で行った鋸岳を望む好展望地までの記憶は新しい。 展望地からは今日も甲斐駒や鋸、そして仙丈などの山々が良く見えた。 予想どおり展望地を過ぎてからも古いテープ類が要所要所にあったが、この縦走路は忠実に尾根上を辿っており、霧で視界が無くならない限り大きく道を外す心配はなさそうだ。 所々で雪が無くなっている所では、やはり熊笹が生い茂っていたが、古い登山道を獣が利用しているのか、踏み跡はそこそこ明瞭だった。 縦走路の先に目指す白岩岳が見えた。 釜無山よりも10mほど高い無名峰(2129m)の山頂の一角に8時半に到着。 残念ながら予想どおり樹林に囲まれていて展望はなかった。 意外にも無名峰の山頂の一角から先は平坦な地形となった。 残雪が急に多くなり、雪も少し柔らかくなってきたのでスノーシューを履く。 しばらくは快適な歩みとなったが、無名峰からの下りでは所々で雪が切れていたので、再びツボ足に切り替える。 無名峰と白岩岳との鞍部に下り、長い白岩岳への登りに入る。 残雪期特有の千差万別の雪質で、この先もツボ足かスノーシューかで迷いながら進んだが、結局白岩岳の山頂までツボ足で登ることになった。 途中、木々の枯れた痩せ尾根を通過したが、寒気の影響で西から天気は下り坂となり、朝方はすっきり望まれた北アルプスや中央アルプスの山々には寒々しい雲が取り付いてしまった。 無名峰から2時間以上を費やし、11時にようやく白岩岳の肩とも言える偽ピークに着いた。 北東の方角が開けた偽ピークからは白岩岳は見えなかったが、辿ってきた釜無山からの縦走路と八ヶ岳が良く見えた。 偽ピークからは一旦下り、白岩岳への最後の登りとなる。 今日も夜は雨が降るという予報だったので、正午までに白岩岳に着かなければその時点で引き返すつもりだ。 傾斜が徐々になくなり、樹間が詰まってきた。 高度計の標高はすでに山頂と同じになっている。 平坦な地形となった所には山名標識こそ無かったが、沢山のビニールテープが木々に付けられていた。 ここが白岩岳の山頂なのだろうか?。 周囲の展望は全くなく、ここが山頂だと確信する術が無かった。 すでに正午前となり、そろそろ引き返さなければならないが、はっきりとそれが分かる所まで行ってみようと半信半疑で先に進む。 突然木々が切れて青空が広がり、指呼の間に今度こそ間違いなく白岩岳の山頂と思われる所が見えた。 腐った雪に足を取られながらも思わず山頂に向かって走り出す。 南面が大きく開け、遮るものなく南アルプスの山々が目に飛び込んできた。 足元には立派な三角点があり、シラベの木には愛好家が作った山名標識が括り付けられていた。 正午ちょうどに人待ち顔の白岩岳の山頂に辿り着いた。 山頂から西の谷に向けておびただしい数の乳白色の岩屑が堆積していた。 白岩岳の山名の由来はここから来ているに違いない。 下山後に分かったことだが、山頂手前にあった沢山のビニールテープは、戸台から小黒川に沿って林道を遡り、白岩岳にダイレクトに登るルートとの合流(分岐)点だった。 甲斐駒と鋸岳が縦に重なり、北岳と仙丈ケ岳が横に並ぶユニークな景観はこの山ならではのものだろう。 天気がもっと良ければ北アルプスや中央アルプスの山々も一望出来るだろう。 時間はないが素晴らしい寂峰からの展望を充分に楽しみ、12時半に山頂を辞した。 登りには6時間半を要したが、下りも5時間半を要した。 天気は辛うじて持ってくれたが、釜無山に着いたとたんに小雪が舞い始め、大阿原湿原の駐車場に着いた時は吹雪となった。


釜無山の登山口へ林道を歩く


釜無山の登山口


雪が無くなると熊笹が覆って歩きにくくなる


釜無山への登りから見た中央アルプス


緩やかな釜無山への登り


釜無山の山頂


釜無山の山頂から見た八ヶ岳


縦走路から見た甲斐駒(左)・鋸岳 (中)・仙丈ケ岳(右)


縦走路から見た白岩岳と仙丈ケ岳(左)


釜無山よりも10mほど高い無名峰


無名峰の山頂の一角


無名峰の山頂の一角から先は平坦な地形となった


無名峰と白岩岳との鞍部に下る


無名峰と白岩岳との鞍部から見た釜無山


長い白岩岳への登り


縦走路から見た甲斐駒 ・ 鋸岳 ・ 北岳 ・ 間ノ岳 ・ 仙丈(左から)


縦走路から見た白岩岳(左)と偽ピーク(右)


木々の枯れた痩せ尾根


偽ピークから見た釜無山


偽ピークから見た八ヶ岳


偽ピークから見た甲斐駒(左)と鋸岳 (右)


沢山のビニールテープが付けられていた小黒川方面からの直登ルートとの分岐点


白岩岳の山頂


白岩岳の山頂から見た甲斐駒(奥)と鋸岳 (手前)


白岩岳の山頂から見た北岳(左)と仙丈ケ岳(右)


大阿原湿原の駐車場に着いた時は吹雪となった


2 0 1 1 年    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P