2  0  1  1  年     4  月  

《 10日 》    赤岳 ・ 横岳 ・ 硫黄岳

赤岳山荘 〜 行者小屋 〜 赤岳 〜 横岳 〜 硫黄岳 〜 赤岳鉱泉 〜 赤岳山荘    (周回)

    大地震から1か月が過ぎた。 この間、色々な葛藤があったが、東北方面でなければ山に行くことで被災地並びに被災者に影響が出ることはなくなったと判断し、意を決して山に行くことにした。 山スキーのシーズンだが、今回に限ってはアプローチも含めてリスクが少ない方が良いと思い、大地震の直前に行った南アルプス北端の釜無山から鋸岳方面に尾根をスノーシューで辿り、白岩山まで行ってみることにした。 入笠山の登山口でもある沢入の駐車場に前泊する予定で、中央道の双葉SAにトイレ休憩で寄ったところ、何と全く偶然にも山仲間の西さん&セッちゃんの車が隣に停まっていた。 気の置けない山仲間が同じような考えでいたことが妙に嬉しく、この偶然の出会いはそれを物語っているようだった。 明日の予定を伺うと八ヶ岳に行かれるとのことだったので、急遽予定を変更してご一緒させていただくことにした。 そのまま双葉SAで泊まり、未明に登山口の美濃戸へ向かう。 美濃戸口付近に車を1台デポし、1台で赤岳山荘までの林道を行く。 昨今の登山ブームで人出の多い八ヶ岳だが、赤岳山荘の駐車場には車が10台ほどしかなかった。 すでに周囲が明るくなった5時半前に赤岳山荘を出発。 南沢に沿って行者小屋に向かう。 3月に入ってから気温が低い日が続いたせいか、古い雪が氷化して滑り、歩きにくかった。 専ら震災関連の話をしながらゆっくりと2時間ほど歩くと、行者小屋の手前の樹林の切れた所で暖かな陽射しが降り注いできた。 風もなく、予報どおりの登山日和だ。 登山者の姿も疎らな行者小屋で小休止した後、アイゼンを着けて文三郎尾根を登る。 雪が締まっていてとても登り易い。 赤岳の山頂まで1時間ほどで登れそうだったが、私以外は1か月半以上のブランクがあるので、途中で休憩しながらゆっくり登る。 私達の前後には数パーティーがいるのみで、左手の主稜も渋滞はなさそうだ。 天気は北の方角ほど良く、北アルプスはもちろんのこと、遠く白山まで遠望出来る。 労せずして9時半に赤岳の山頂に着く。 関東方面は一面見事な雲海となっていて、奥秩父の山や富士山は山頂しか見えなかった。 今年の1月に登った時は風が強くてトンボ返りだったが、今日は風も弱く、頂上小屋の前で30分ほど寛ぐ。 天気も安定していたので、横岳方面に縦走する。 地蔵尾根の分岐までは風の通り道なのでさすがに風は強いが、すでに春の風で寒さは感じない。 地蔵尾根の分岐から先も古いがトレースがあり、1か所だけ雪の腐り始めた南斜面のトラバースで念のため補助ロープを使ったが、あとは全く問題なく快適な稜線漫歩となった。 同方向に縦走するパーティーはなく、反対側からの単独者2名とすれ違っただけだった。 三叉峰を経て赤岳からちょうど2時間で横岳(奥ノ院)に到着。 少し稜線に雲が出てきたのでヤキモキしたが、間もなく雲はなくなり再び青空となった。 最後のピークの硫黄岳には1時過ぎに到着。 横岳と同じく他に登山者はいない。 人待ち顔の天狗岳を眺めながら30分ほど寛ぐ。 今日は本当にのんびりムードの春山登山だ。 1時半過ぎに赤岳鉱泉に向けて下る。 赤岳鉱泉のアイスキャンディも利用者は殆どなく閑散としていた。 アイゼンを着けたまま北沢に沿った林道を歩き、4時半前に赤岳山荘の駐車場に着いた。 帰路の中央道では甲府盆地の桃の花が満開で、図らずも車窓から素晴らしい桃源郷を堪能することが出来た。


周囲が明るくなってから赤岳山荘を出発


登山者の姿も疎らな行者小屋


文三郎尾根は雪が締まっていて登り易かった


文三郎尾根から遠望した北アルプス


文三郎尾根から見た阿弥陀岳(右)と中岳(左)


主稜の取り付き


文三郎尾根から遠望した中央アルプス


文三郎尾根から見た横岳(右)と硫黄岳(左)


文三郎尾根の上部


赤岳の山頂直下の鎖場


赤岳の山頂直下の鎖場


赤岳の山頂


山頂から見た阿弥陀岳


山頂から見た権現岳(手前)と雲海越しの南アルプス(奥)


山頂から見た硫黄岳(右)と蓼科山(左奥)


頂上小屋付近から見た横岳


地蔵尾根の分岐付近


三叉峰の山頂から見た横岳(奥ノ院)


横岳の山頂


横岳の山頂から見た赤岳(左)と阿弥陀岳(右)


横岳の山頂から見た硫黄岳


大同心の岩塔


硫黄岳への登り


硫黄岳の山頂


硫黄岳の山頂から見た横岳(左) ・ 赤岳(中) ・ 阿弥陀岳(右)


山頂の爆裂火口


赤岳鉱泉に向けて下る


赤岳鉱泉への下りから見た硫黄岳


赤岳鉱泉のアイスキャンディ


2 0 1 1 年    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P