2  0  1  1  年     2  月  

《 26日 》    金精山

湯元 〜 (金精道路) 〜 金精峠 〜 金精山山頂直下    (往復)

    日曜日が曇りがちという予報だったので、土曜日に日帰りで日光の金精山に行った。 金精山は無雪期であれば山頂に一番近い登山口の金精トンネルから1時間少々で登れる山だが、積雪期には金精道路が冬期通行止めとなるため、湯元からの長い車道歩き(5キロ強)に耐えなければならない。 近くに日光白根山や男体山という人気のある山があるため、この時期は殆ど登られていないようだ。 湯元からの周回も可能だが、トレースが期待できないため金精道路を利用した往復とした。 意外にもいろは坂のみならず湯元まで完全に除雪されていて道路には雪がなかった。 湯元の公営駐車場に前泊し、翌朝5時半に出発。 相棒の妻が急遽行けなくなり、今年2回目の単独行となった。 車道を金精道路の起点のゲートまで戻り、雪に埋もれた金精道路に入る。 気温はマイナス11度とこの時期らしい寒さで、昨日春一番が吹いて最高気温が20度を超えたことが嘘のようだ。 金精道路はスノーシューで歩くことを予定していたが、比較的新しいスノーシューのトレースがあり、僅かに足が沈むほどだったので、ツボ足のまま最後まで歩いてしまった。 退屈な車道歩きだと思い込んでいたが、正面には終始金精山が望まれ、振り返れば男体山や湯ノ湖が見えてそれなりに楽しめた。 ゲートから2時間少々で入口を塞がれた金精トンネルに着いた。 スノーシューのトレースはここまでいくつかあったが、金精峠に登るトレースは予想どおりなかった。 金精山の山頂や稜線には雪煙が舞い、北風が強そうだった。 金精峠までは以前根名草山や白根山に登った時に辿ったことがあったので、その記憶を頼りに尾根を直登気味に登る。 積雪はかなりあるが、気温が低いのでアイゼンを着けてラッセルしながら登る。 所々に赤テープが見られるが、雪の深い所を避けて登らなければならないので、登山道どおりには登れず時間が掛かる。 僅か30分のコースタイムのところを1時間半掛かって金精峠に着いた。 金精峠は菅沼からの道と縦走路との交差点になっているが、いずれの道からのトレースもなかった。 予想どおり峠は風の通り道で、金精神社のお堂の陰で一息つく。 当初は金精山を越えて五色山まで足を延ばそうとも考えていたが、このペースでは無理だ。 峠で充分休憩し、スノーシューを履いて稜線を辿る。 風は思ったよりも強くなかったが、音がうるさくて落ち着かない。 一人だと余計それを感じてしまう。 稜線は左側が雪庇となっているのみならず凸凹に波打っていて歩きにくい。 所々の木に目印となる小さな四角い木のプレートが打ってあるが、大半は雪に埋まっているので登山道どおりには歩けない。 山頂直下は急な岩場となっているため、登山道は途中から尾根を右に外れて巻きながら山頂に通じているが、その分岐が分からずに右往左往する。 ようやく巻道に入ってからの赤テープを見つけ(分岐の道標は多分雪の下)、地形と相談しながら登る。 巻道は北側の急斜面で雪が深く、また脆いので一歩一歩スノーシューで足場を作りながら歩くので時間が掛かる。 いつもならスタカットで簡単にクリアー出来るところも今日は出来ず、相棒の妻の有難みを痛感する。 自然と唯一の確保支点となる立木伝いのルートを取らざるを得ないため、少しトラバースの距離が足りなかった。 そのツケとして山頂直下では傾斜が45度近くになり、25mの補助ロープで立木にビレイを取りながらダブルアックスでラッセルしながら登る。 足元はスノーシューのままだ。 雪崩の心配こそないが雪が脆いので、大半は立木を掴んで攀じ登るしかなかった。 ちょうど10ピッチで山頂直下と思われる所が見えた。 峠からここまでの標高差は僅か200mだったが、すでに3時間半も要していた。 寒々しい北斜面から陽の当たる山頂直下の痩せ尾根に1時半に着いたが、その先は覆いかぶさるような雪庇になっていて突破するには危険が大き過ぎた。 山頂まで標高差ではあと20mほどしかない計算だが、時間も予定より大幅にオーバーしてしまったため、無理をせずここで引き返すことにした。 下りも補助ロープで立木にビレイを取りながら下る。 峠まで1時間ほどで下り、届かなかった頂を振り返り見たが、無我夢中のラッセルで完全燃焼したためか不思議と悔しさは無かった。 天気は終始良かったが、今日は金精峠までも他に入山者はいなかった。 疲れた体を労わりながらゆっくりと車道を下り、まだ明るさの残る5時半に湯元の公営駐車場に戻った。


金精道路の入口のゲート


未明の金精道路から見た湯元温泉と金精山


金精道路


男体山とご来光


金精道路から見た金精山


金精トンネル


金精トンネルから見た金精山


金精峠への登りから見た金精山


金精峠から見た金精山


金精峠から見た温泉ケ岳


金精山への登りから見た燧ケ岳


金精山山頂直下から見た男体山・大真名子山・小真名子山・女峰山・太郎山(右から)


金精山山頂直下から見た五色山


金精峠から見た男体山


2 0 1 1 年    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P