2  0  1  1  年     2  月  

《 19日 》    袈裟丸山

   塔ノ沢登山口(造林小屋) 〜 寝釈迦像 〜 賽の河原 〜 小丸山 〜 前袈裟  (往復)

   今週末は珍しく晴天が続きそうな予報だったが、あいにく日曜日に用事があったので土曜日に日帰りで10数年振りとなる袈裟丸山に行った。 無雪期であれば長い林道歩きに耐え、郡界尾根を辿る周回ルートも可能だが、積雪期の日帰りではそれは叶わないので、アプローチの良い塔ノ沢登山口からの往復とした。 登山口付近の道の駅『富弘美術館』に前泊し、翌朝舗装された林道を車で登山口に向かう。 林道は除雪されていなかったので、途中の造林小屋附近に車を停めて6時半前に出発する。 塔ノ沢登山口まで30分ほど雪の車道を歩く。 登山口の駐車場にも車はなく、今日日帰りで袈裟丸山まで登る人がいないことが予想された。 前日の朝に全国的にまとまった雨や雪が降ったが、数日前のスノーシューのトレースが登山口から見られた。 登山口から1時間ほどの所にあるこのルートのシンボルの寝釈迦像はまだ半分雪に埋もれていた。 意外にも寝釈迦像を過ぎると間もなくトレースが無くなった。 降雪のためか、トレースの主がそこで引き返したのかは定かでないが、その後はトレースのかけらも見ることはなかった。 先週の3連休も入山者はいなかったのだろうか。 雪が締まっていたのでしばらくはツボ足で軽いラッセルをしながら進むが、塔ノ沢避難小屋の手前から積雪が多くなり、私はスノーシュー、妻はワカンを履いて登る。 小さな塔ノ沢避難小屋は老朽化し、隣に新しい避難小屋が建っていたが、床のスペースが少なく積極的には利用したくない感じだった。 避難小屋の先の賽の河原からは幅の広い尾根道となり、目指す後袈裟とその前衛峰の前袈裟が見えた。 袈裟丸山は積雪期には入山者が少ないのか、テープ類が僅かしかなく所々で道を外す。 予定よりも少し遅れて11時に小丸山に着く。 天気は予報どおりの快晴となり、山頂から袈裟丸山はもちろんのこと、男体山、日光白根山、皇海山などの山々が一望された。 予定していた後袈裟はまだ遠く、この時点で諦めざるを得なかった。 小丸山を過ぎるとそこから先は前日の朝は雪だったようで、積雪が一段と多くなった。 小丸山避難小屋が建つ鞍部まで一旦下り、明るいダケカンバの疎林に覆われたなだらかなピークを一つ越えて前袈裟の山頂が指呼の間に見えるようになると、一転して暗い樹林帯の中の急な登りとなった。 午後に入り、気温の上昇で雪が柔らかくなったことも手伝い、スノーシューでも膝下のラッセルとなり、時には股まで潜ることもあった。 10メートルの高さを10分でも登れなくなり、骨が折れる前に心が折れそうになる。 1時半をタイムリミットとしてラッセルを続け、ようやく山頂直下の顕著な尾根に飛び出した。 視界が広がり、すぐ近くの赤城や榛名の山々が目に飛び込んできた。 意外にも陽当たりの良い尾根の方が雪が締まっており、最後は労せずして人待ち顔の前袈裟の山頂に辿り着いた。 山頂からは指呼の間の後袈裟は言うに及ばす、武尊や至仏、そして谷川連峰の峰々が一望され、疲れも一気に吹っ飛んだ。 2時に私達だけの静かな山頂を辞し、日没ちょうどの6時に林道に停めた車に戻った。


塔ノ沢ルートのシンボルの寝釈迦像はまだ半分雪に埋もれていた


寝釈迦像からは雪に埋もれた塔ノ沢に沿って登る


小さな塔ノ沢避難小屋は老朽化し、隣に新しい避難小屋が建っていた


賽の河原


賽の河原からは幅の広い尾根道となる


賽の河原の少し先から見た前袈裟(中央左)と後袈裟(中)


小丸山の山頂


小丸山の山頂から見た前袈裟(中)と後袈裟(右)


小丸山の山頂から見た男体山


小丸山の山頂から見た日光白根山


小丸山の山頂から見た皇海山


半分雪に埋もれた小丸山避難小屋


小丸山を背に明るいダケカンバの疎林に覆われたなだらかなピークを登る


山頂直下の顕著な尾根からは赤城や榛名の山々が見渡せた


尾根は雪が締まっていて歩き易かった


前袈裟の山頂


前袈裟の山頂から見た谷川連峰の峰々


前袈裟の山頂から見た後袈裟


私達だけの静かな山頂を辞する


明るく気持ちの良いダケカンバの疎林を歩く


2 0 1 1 年    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P