2 0 1 0 年 1 2 月  

《 19日 》    十枚山 ・ 大光山 ・ バラノ段 ・ 八紘嶺

    十枚山登山口 〜 十枚山 〜 大光山 〜 奥大光山 〜 バラノ段 〜 安倍峠 〜 八紘嶺 〜 梅ケ島温泉  (縦走)

    翌朝は車1台を下山口とした梅ケ島温泉の八紘嶺の登山口付近に置き、再び六郎木まで戻ってから十枚山登山口に向かう。 今朝の天気予報では昨日と違い、甲信越の北部ほど天気が良くなり、静岡県だけが曇りとなっていた。 六郎木から舗装された細い急勾配の道を登ると、舗装が切れる手前に僅かな駐車スペースがあり、そこに車を停めて6時半に十枚山に登り始める。 林道を10分ほど登ると十枚山登山口の標識があり、そこから登山道へと入る。 植林された杉林の中にジグザグに付けられた急斜面を延々と登る。 予報どおり天気は冴えない。 途中植林から自然林に変わっても急登は続いた。 里山には良くありがちなことだが、標高差800mの一気の登りはとても印象的だった。 樹間から時折北岳などが見えたが、より近い南ア南部の山は見えない。 8時半に十枚山の山頂に到着。 今日も稜線付近は霧氷に覆われていたが、背景が鉛色で寒々しく感じる。 十枚山は静岡県の山という認識があったが、県境なので『山梨百名山』の標識が立っていた。 すぐ隣に下十枚山が大きく鎮座していたが、昨日は一日中どこからでも良く見えていた富士山が見えない。 山頂の傍らで寛いでいると、西さんが交通事故の後遺症か、腰痛が出てしまったので、セッちゃんも付き添って急遽下山することになってしまった。 断腸の思いで二人を見送ってから9時に山頂を出発し、安倍峠への縦走路に入る。 意外にも登山道は防火帯のように熊笹や灌木が広く刈り払われていて、とても歩きやすかった。 雪は一度少し積もったようだが、根雪にはならず登山道には殆どなかった。 見通しの良い縦走路からは、天気が良ければ南ア南部の山が良く見えるはずだが、今日は湿っぽい雲に覆われていて展望は全く冴えない。 途中の大光山(おおぴかりやま)までは急坂と平坦な道との繰り返しで、普通の登下降がなく、また部分的にやせ尾根の崩壊が激しく、昨日の御坂山塊とは趣を異にした。 刈安峠を経て大光山、奥大光山と顕著なピークを二つ越え、鹿の頭蓋骨が置かれた大笹の頭を過ぎた所でようやく今日最初で最後の縦走者と出会った。 大きな荷物を背負い、単独で山伏から八紘嶺、十枚山、青笹と縦走されるとのこと。 天気は少し良くなり、右手には富士山や毛無山、左手には笊ケ岳とその奥に荒川岳が見えた。 次のピークのワサビ沢の頭は標識がなければ通り過ぎてしまうような目立たない頂だった。 ワサビ沢の頭付近からは八紘嶺から七面山に続く稜線が良く見渡せたが、やはり雪は見えなかった。 縦走路の最後のピークのバラノ段は、その名前のとおり痩せ細った頂で、ここからようやく八紘嶺の全容が見えたが、地形的な理由なのかその頂だけに湿った雲が取り付いていた。 バラノ段から安倍峠までは一気の下りで、標高をどんどん下げる。 安倍峠には先週から冬期通行止めとなっている車道が通っていて、300mほど静岡県側に歩くと駐車場と立派なトイレがあった。 天気が優れないのでここから直接梅ケ島温泉へ下るという選択肢もあったが、万が一の可能性に賭けて八紘嶺に登ることにした。 標高差は500mほどあるのでゆっくり登ったが、天気はますます悪くなる一方で、山頂の僅か15分手前で妻のモチベーシュンが切れ、最後は一人山頂へと向かう。 樹間から見えた十枚山は遥かに遠い。 雪が出てきた登山道を息を切らしながら駆け登る。 3時半前にようやく七面山から山伏への縦走路との三叉路になっている山頂に着いたが、もちろん霧で展望は全くなかった。 晴れる気配も全くないので、次回は七面山から縦走することを心に誓い、トンボ返りで下山する。 梅ケ島温泉への下山は日没寸前の5時前となった。 登山口付近の『湯元館』という日帰り温泉で汗を流して帰途についた。


車道の舗装が切れた所から十枚山へ登る


登山口から山頂まで急登が続く


寒々しい十枚山の山頂


十枚山の山頂から見た下十枚山


十枚山の山頂から見た篠井山


縦走路は防火帯のように熊笹や灌木が広く刈り払われていた


霧氷に覆われた十枚山の山頂


大光山(山頂は左)


大光山への登りから見た十枚山


大光山の山頂


大光山から奥大光山へ


鹿の頭蓋骨が置かれた大笹の頭


大笹の頭を過ぎると富士山がようやくすっきり見えた


ワサビ沢の頭付近から見た七面山への稜線


ワサビ沢の頭付近から見た毛無山


バラノ段の山頂


バラノ段の山頂付近から見た八紘嶺


安倍峠


霧に覆われた八紘嶺の山頂


梅ケ島温泉の八紘嶺登山口


2 0 1 0 年    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P