2 0 1 0 年 1 2 月  

《 5日 》    薬師岳 ・ 観音岳

夜叉神峠 〜 薬師岳 〜 観音岳  (往復)

    夜叉神峠登山口を4時半に出発。 日帰り組もいそうな気配もするが、私達が先発のようだ。 昨日とは違い風もなく暖かい。 夜叉神峠までは正に“通い慣れた道”だ。 眼下の甲府の夜景が明るい。 まだ真っ暗な夜叉神峠には天体写真を撮っている人がいた。 鳳凰への縦走路に入ると間もなく秩父方面からの燃えるような朝焼けが始まり、富士山の端正なシルエットが綺麗に見えた。 足元に新雪が散見されるようになり、杖突峠から先で登山道は雪に覆われるようになった。 人気のルートなので足跡は多い。 地形的にご来光は拝めないが、左の樹間に見える白峰三山がモルゲンロートに染まり始める。 木々の隙間が狭く写真が撮れないのが玉にキズだ。 途中の山火事跡でようやく白峰三山と南アルプスの主脈の山々がすっきりと望まれた。 農鳥岳も新雪でさらに一段と白くなった。 天気は快晴無風であるばかりか、季節が1か月以上戻ったような感じで暖かい。 8時半過ぎに南御室小屋に到着。 温室のように暖かい本館の食堂で一服する。 冬期小屋に泊まって薬師岳を往復してきたパーティーがちょうど戻ってきたので雑談を交わす。 冬期小屋は6畳ほどのスペースだった。 南御室小屋から砂払岳への急坂を登り、森林限界を過ぎると展望が一気に開け、砂払岳の山頂付近からは薬師岳が大きく迫る。 薬師岳小屋へ一旦下り指呼の間の薬師岳へ登り返す。 意外にも例年は閉まっている薬師岳小屋も開放されていた。 いつもは風の強い薬師岳の山頂も今日は風が殆どなく、ゆっくり展望を楽しめる。 未明からの行動でだいぶ疲れてはきたが、快晴無風の天気に足取りは軽い。 観音岳への登りはモナカ雪のトラバースが続いたが、先行者のトレースに助けられアイゼンを着けずに歩く。 11時にすでに誰もいなくなった観音岳の山頂に到着。 昼近い時間帯にも拘らず、秋のような澄みきった青空でこの山から見える山は全て見えるほどの大展望だ。 北アルプスのみならず遠く白山まで見える。 陽射しも暖かく手袋なしでもいられるほどだ。 後続の日帰り組が薬師岳に着いたのが見えたが、観音岳までは来なかった。 1時間近く山頂を独占し正午前に重い腰を上げて下山する。 下りは山頂から南御室小屋までアイゼンを着けて下った。 砂払岳までは富士山を正面に見据えながらの稜線漫歩だ。 夜叉神峠で農鳥岳の肩に沈む夕陽を名残惜しく眺め、4時半にすでに車のなくなった駐車場に戻った。 芦安町営の日帰り温泉『山渓園』は営業時間がこの時期は6時までだったこともあり貸し切りだった。


朝焼けの富士山の端正なシルエット


山火事跡から見た白峰三山


山火事跡から杖突峠へ


南御室小屋の冬期小屋


砂払岳手前の森林限界から見た北岳


砂払岳を登る


薬師岳小屋


薬師岳を登る


薬師岳の山頂


薬師岳から観音岳へ


観音岳を登る


観音岳の山頂


観音岳の山頂から見た地蔵岳


観音岳の山頂から見た甲斐駒


観音岳の山頂から見た仙丈ケ岳


観音岳の山頂から見た八ヶ岳


観音岳から薬師岳へ


夕暮れの夜叉神峠


2 0 1 0 年    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P