2 0 1 0 年 1 1 月  

《 20日 〜 21日 》    丹後山 ・ 大水上山 ・ 兎岳 ・ 中ノ岳

十字峡 〜 丹後山(避難小屋泊) 〜 大水上山 〜 兎岳 〜 中ノ岳 〜 十字峡  (周回)

    日帰りで八ヶ岳か西上州の山に行く予定でいたが、週末の天気予報が良い方に急変したので、それに合わせて急遽計画を変更して11年ぶりに越後三山の中ノ岳に行くことにした。 ルートは前回の秋に行った時と全く同じで、十字峡から丹後山の避難小屋に泊まって稜線を周回することとした。 丹後山は山仲間のモコモコさんと初めて出会った懐かしい想い出がある山だ。 関越道の塩沢SAで前泊し、六日町ICで高速を下りて登山口の十字峡へ。 十字峡の登山センターにはその山行とその後残雪期に本谷山に日帰りで登った時の二度しか車を置いたことがないが、何故か妙に印象深かった。 駐車場には車が1台、そしてゲートが閉められている林道の入口にも車が1台停まっていた。 駐車場を8時に出発し、車両通行止めの林道を川に沿って40分ほど歩き、栃の木橋のすぐ先で標識に従って山道に入る。 モコモコさんともここで出会い、避難小屋まで相前後して登ったことが思い出された。 のっけから急登が続き、おびただしい落ち葉が一昨日の雨で濡れて滑るが、快晴の天気で清々しく気分が良い。 1時間ほど登ると尾根は顕著になり、樹間から新雪を冠した中ノ岳が見えた。 麓からは見えないが、標高900mほどの鉄砲平付近から登山道にも雪が見られるようになった。 雪の上には新しい1人の足跡があった。 葉の落ちたブナ林の尾根は展望が良く、左手には明日辿る稜線上の兎岳や大水上山が、右手には下津川山や不遇なネコブ山、そして巻機山が見えて退屈しない。 今日は丹後山の避難小屋までと行程が短いので、所々で休みながらの各駅停車だ。 陽射しも暖かく、今年一番の登山日和で季節が1か月戻った感じがする。 2時半前に避難小屋に到着。 小屋にいた先行者は日帰りだったようで、ちょうどこれから下山されるところだった。 話しを伺うと、今日は大水上山まで行かれたとのことだった。 後で小屋のノートを見るとKさんという方でこの山の常連さんのようだった。 誰もいない小屋に荷物を置き、目と鼻の先の丹後山の山頂に行く。 午後に入っても快晴無風の天気は続き、展望も気分も最高だ。 眼前の中ノ岳、八海山、越後駒の三山は言うに及ばす、荒沢岳や平ケ岳、そして燧ケ岳や至仏山、会津駒などの尾瀬の山々が良く見えた。 明日の下見に大水上山方面に少し歩いた後、小屋に戻って早速水作りを始める。 屋根から落ちたばかりの新雪はとてもきれいで、フィルターで漉す必要もなかった。 小屋の屋根は葺き替えられたものの、内部は以前と変わらず懐かしかった。 “好事魔多し”の諺どおり、水筒を途中で休憩した所に忘れてきたことに気が付き、往復1時間ほどのアルバイトを強いられたが、展望の良い尾根の往復はさほど苦にならなかった。 図らずも小屋は貸し切りとなり、夕焼けを見に外に出ると、満月に近い月がすでに東の空に浮かんでいた。 30分ほど山頂で夕焼けショーを見ながら至福の時を過ごす。 今日は関東甲信越の山ならどこでもこのような素晴らしい風景が見られていることだろう。 夜中も風はなく、静かで快適な一夜を過ごした。


栃の木橋の先の登山道から尾根へ登る


二合目付近から見た中ノ岳


葉の落ちたブナ林の尾根


下津川山(左)とネコブ山(右)


五合目付近から見た兎岳(中)と小兎岳(左)


六合目付近から見た中ノ岳


気持ちの良い新雪の尾根を登る


八合目付近から丹後山直下へ登る


丹後山直下から見た平ケ岳


丹後山直下から見た巻機山方面への縦走路 越後沢山(中)と本谷山(右)


平らな丹後山の山頂と避難小屋


丹後山の山頂付近から見た兎岳


丹後山の山頂付近から見た荒沢岳(中央奥)


避難小屋の内部は以前と変わらず懐かしかった


夕陽に淡く染まる中ノ岳(右)と八海山(左)


山頂で夕焼けショーを見ながら至福の時を過ごす


巻機山の右に沈む夕陽


    大水上山から先にトレースがないことが分かったので、アイゼンを着けてまだ暗い5時半に避難小屋を出発。 中ノ岳まで行けるかどうかは雪の状態次第だ。 間もなく夜が白みはじめ、周囲の山々が暗闇から浮かび上がってくる。 大水上山の山頂で燧ケ岳方面からのご来光を拝む。 空には雲一つなく、今日も昨日に続き快晴の天気になりそうで嬉しくなる。 モルゲンロートに染まる山々を眺めながらゆっくりしたいが、ここから先はトレースがないので休まずに先に進む。 次のピークの兎岳までの積雪は30センチほどだったが、まだ雪が締まっていたのでラッセルはしなくて済んだ。 7時に兎岳に到着。 小兎岳を挟んで中ノ岳が大きく望まれたが、その頂はまだ遠く感じた。 この先の雪の状況はどうなっているか分からないが、天気も良いのでとりあえず小兎岳まで前進することにした。 小兎岳との鞍部に向けて幅の広い尾根を下るが、雪が吹き溜まっているのでどこが登山道か全く分からなかった。 鞍部から小兎岳への登りも雪が深く、所々で膝下のラッセルとなる。 前進か、それとも敗退か迷い続けながら8時に小兎岳に着く。 小兎岳から先の中ノ岳との鞍部へもさらにまた下りが続き、引き返すならここが理想的だ。 無理して中ノ岳まで行くこともないが、決断がつかなかったので、もう1時間後の9時までと時間を区切って前進することにした。 尾根は再び顕著になってきたので基本的には尾根通しに進むが、所々で岩やハイマツに阻まれ、急斜面を補助ロープで確保しながらトラバースする。 小さなピークが連続し、なかなか中ノ岳への登りにならない。 9時になってようやく中ノ岳への登りになった。 後ろを振り返ると兎岳はもう遠くなり、雪の状態を考えると引き返すことも大変になった。 有難いことに天気は快晴で風もなかったので、前進することに決めた。  相変わらず登山道は分からず、兎のトレースを拾って登る。 最初はアイゼンが20センチほど下駄を履き難儀したが、登るにつれて雪は締まり、途中からはキックステップで登れるほどになった。 間もなく稜線上の小ピークから中ノ岳の山頂が眼前に大きく迫り、その迫力に思わず息を飲んだ。 小ピークから先のやせ尾根は補助ロープで確保してコンテで登る。 十字峡から日向山を経て登ってくる登山道との分岐である池ノ段の標識は辛うじて雪から頭を出していたが、トレースはなかった。 雪の状態も良く、日向山の山頂にある雨量観測施設も良く見えたので、指呼の間となった中ノ岳の山頂に向かう。 兎岳から殆ど休まずに歩いてきたので、ほぼ予定どおりの10時半過ぎに中ノ岳の山頂に着いた。 眼前の八海山や越後駒は言うに及ばす、守門・浅草・会津朝日、そして遠く北アルプスや飯豊の銀嶺も望まれ、昨日に続き展望も気分も最高だ。 まして今日の中ノ岳は私達だけで貸し切りだ。 少し風が出てきたが30分ほど感激に浸りながら山頂で寛いで下山する。 池ノ段からの下りはやや急だったが、登山道の道形はなんとなく分かり、それを忠実に辿って日向山に下る。 途中から昨日のものと思われるトレースが現れ、そこまで登ってきた人が一人いたことが分かった。 陽だまりのように暖かい日向山の山頂でアイゼンを外し、靴も脱いで30分ほど辿ってきた稜線を眺めながら寛ぐ。 重い腰を上げて僅かに紅葉の残る十字峡に下り、3時半過ぎに十字峡の登山センターに着いた。 帰路は麓の五十沢温泉に立ち寄ったが、図らずもこちらも貸し切りだった。


まだ暗い5時半に避難小屋を出発


会津の山々の燃えるような朝焼け


丹後山から大水上山へ


利根川水源の碑から見た中ノ岳


大水上山の山頂で燧ケ岳方面からのご来光を拝む


大水上山の山頂から見た朝陽に染まる兎岳


大水上山の山頂から見た中ノ岳


大水上山から兎岳へ


兎岳の山頂から見た中ノ岳(手前は小兎岳)


兎岳の山頂から遠望した至仏山(中央奥)


兎岳の山頂から見た下津川山(左)とネコブ山(右手前)


兎岳の山頂から見た荒沢岳


小兎岳の山頂から見た兎岳


小兎岳の山頂付近から見た中ノ岳


小兎岳から中ノ岳へ


中ノ岳への登りから見た小兎岳と兎岳


稜線上の小ピークから中ノ岳の山頂が眼前に大きく迫る


稜線上の小ピークから先のやせ尾根


中ノ岳の山頂 八海山(左)


中ノ岳の山頂から見た越後駒と守門岳(右遠景)


中ノ岳の山頂から見た兎岳(手前)と平ケ岳(奥)


中ノ岳の山頂から見た巻機山


日向山への下りから見た八海山


日向山への下りから見た兎岳


日向山直下の生姜畑から見た中ノ岳


2 0 1 0 年    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P