2 0 1 0 年 11 月  

《 13日 》    頸城駒ヶ岳 ・ 鬼ガ面山

   三境峠 〜 頸城駒ヶ岳 〜 鬼ガ面山 〜 海川分岐 〜 海谷渓谷 〜 三境峠  (周回)

   珍しく2週続けて新潟(上越)と富山の天気予報が関東よりも良かったので、山仲間のハイジさん&ちー隊長と一緒に日帰りで海谷山塊の頸城駒ヶ岳・鬼ガ面山・鋸岳の三山に登ることにした。 ルートは以前行った時と同じ三境峠からの周回ルート、三境峠又は大神堂から雨飾山荘への縦走ルートの3つがあり、その選択に直前まで悩んだが、紅葉はもう終わりとはいえ、海谷渓谷の景観が素晴らしいので前回同様三境峠からの周回ルートとした。 北陸道の蓮台寺PAで前泊し、糸魚川ICで高速を下りて、キャンプ場を兼ねた立派な駐車場のある三境峠に向かう。 周囲がうっすらと明るくなり、駒ヶ岳の偉容が麓から仰ぎ見られた。 三境峠を7時前に出発。 駐車場には私達以外の車はなく、今日この周回ルートを辿るのは私達だけのようだ。 三境峠の周辺は紅葉の盛りであるが、残念ながら天気は予報どおりではなく陽射しが全くない。 登山道の入り口には「雪害防止のためハシゴを撤去した」と記された立札があった。 勾配の緩い山道をしばらく歩くと登山道は急に荒々しくなり、所々で昨夜の雨で濡れた岩場をロープを掴んで登るようになった。 ハシゴがあれば全く問題ないような所も通過に時間がかかる。 標高1000m辺りからは登山道に雪が見られるようになり、溶けた雪で足元の落ち葉がさらに濡れてますます登りにくくなった。 駒ヶ岳の山頂手前の顕著な尾根に上がると、ようやく青空が少し覗き、海谷渓谷を挟んで屹立する荒々しい阿彌陀山と烏帽子岳が立派に見えた。 最初のピークの駒ヶ岳に9時過ぎに到着。 山頂で大神堂から登ってきた単独の方と入れ違いとなったが、その後は下山するまで誰とも出会わなかった。 展望に恵まれた駒ヶ岳の山頂からは指呼の間に次のピークの鬼ガ面山が見え、その背後には雪化粧した焼山が見えた。 眼前には雨飾山が大きく鎮座し、雲海に浮かぶ北アルプスの白馬や雪倉、そして五竜や鹿島槍も遠望され、先週辿った栂海新道の尾根も見えた。 駒ヶ岳から先の尾根では再び雪が登山道を覆い始め、木の枝や熊笹を掴みながら慎重に下る。 鬼ガ面山との鞍部に下る直前でロープや鎖を掴んで下る急斜面の岩場があったが、ありがたいことに岩が乾いていたので助かった。 鞍部から鬼ガ面山への登り返しも雪が中途半端に残っているので登りにくかった。 山頂直下の濡れた岩場をロープを掴んで登りきると、猫の額ほどの狭い鬼ガ面山の山頂に飛び出した。 縦走路の先にはこれから辿る鋸岳が偉容を誇っている。 天気は高曇りで青空は望めないが、高度感のある山頂は気分が良い。 再び鋸岳との鞍部に向けて熊笹を掴みながら尾根を急降下する。 予定よりも少し遅れて正午過ぎに海谷渓谷へ下る分岐の手前に着いた。 計画ではこの先の分岐から鋸岳を往復してから海谷渓谷へ下ることにしていたが、悪路に予想以上に時間を取られ、また天気が冴えない時に鋸岳の山頂を踏んでも楽しくないので、潔く分岐から渓谷へ下ることにした。 予想どおり登山道のない渓谷への下りは雪で道形が見えなくなっていたが、所々に付けられたテープを頼りに概ね尾根通しに下る。 危ない所はないが、雪の腐った急斜面とその下の濡れ落ち葉には勝てず、所々で尻もちをつきながら下る。 間もなく眼下に海川の広い河原が見えるようになったが、陽射しに恵まれない対岸の岩壁の微かな紅葉は輝きを完全に失っていた。 稜線から2時間近くを要して海谷渓谷の河原に降り立ち、阿彌陀山の岩壁を右手に眺めながら開放感のあるU字谷の左岸を歩く。 途中1か所だけ右岸に渡渉する所があり、幅10mほどの膝下の深さの浅瀬を靴を履いたまま強引に渡る。 河原は前回訪れた時はすっきりと見通しが良かったが、所々で背丈ほどの雑草が茂ってしまい、正しいルートを見失いがちだった。 人が入らないため川の水は澄んでいてイワナが泳ぐ姿も見えた。 紅葉が終わった殺風景な河原を1時間ほど歩き、三境峠からの登山道の終点になっている取水口の管理小屋に着いた。 谷はここから狭く急峻となり、駒ヶ岳の迫力ある垂壁を見上げながら歩く。 先週見た初雪山同様、阿彌陀山にも登山道がないという認識でいたが、登山道の終点からさらに阿彌陀山方面に登って行く確かな踏み跡があった。 もう少し時期が早く天気が良ければ、ここから先の登山道が周回ルートのハイライトとなるが、残念ながら今日は完全に消化試合となってしまった。 日没寸前の5時前に登山口の三境峠に着き、麓のシーサイドバレースキー場のホテル内にある『塩の道温泉・美人の湯』で汗を流した。 夕食は地元ではポピュラーな回転寿司のチェーン店の『きときと寿司』で食べたが、こちらはなかなか良かった。


登山口の三境峠から勾配の緩い山道をしばらく歩く


昨夜の雨で濡れた岩場をロープを掴んで登る


ハシゴがあれば全く問題ないような岩場の通過に時間がかかる


駒ヶ岳の山頂


駒ヶ岳の山頂から見た荒々しい阿彌陀山


駒ヶ岳の山頂から見た鬼ガ面山と雪化粧した焼山(左奥)


鬼ガ面山との鞍部に下る直前の急斜面の岩場をロープや鎖を掴んで下る


鬼ガ面山への登り


縦走路の樹間からは雲海に浮かぶ北アルプスの白馬、雪倉、そして朝日岳が遠望された


鬼ガ面山の山頂から見た鋸岳と焼山(左奥)


鬼ガ面山の山頂から見た雨飾山


分岐から海谷渓谷へ下る


海谷渓谷を俯瞰する


紅葉が終わった殺風景な海川の河原


三境峠からの登山道の終点になっている取水口の管理小屋


駒ヶ岳の迫力ある垂壁を見上げながら歩く


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