2 0 1 0 年 1 0 月  

《 16日 〜 17日 》    七倉岳 ・ 北葛岳 ・ 蓮華岳

七倉 〜 七倉岳 〜 船窪(冬期)小屋(泊)〜 北葛岳 〜 蓮華岳 〜 針ノ木峠 〜 扇沢  (縦走)

    山仲間のハイジさん&ちー隊長と東北の山の紅葉狩りを計画していたが、東北の天気予報があまり良くないので、行き先を北アルプスに変更し、船窪小屋の冬期小屋に泊まり、七倉岳から蓮華岳を縦走することにした。 長野道の筑北PAで前泊し、今回の下山口とした扇沢に向かう。 扇沢の駐車場に車1台を置いてから登山口の七倉へ。 昨今の登山ブームの影響か、七倉のトイレは立派に改築されていた。 七倉から高瀬ダム方面にタクシーで入山する登山者は散見されたが、船窪方面に向かう登山者はいないようだ。 船窪小屋の冬期小屋には10年前の同時期に泊まったことがあったが、その時の記憶では3〜4人しか泊まれないスペースだったので、念のためテントを持っていくことにした。 8時過ぎに七倉を出発。 今日は船窪小屋までと行動時間も短いので、のんびりペースでお喋りをしながら登る。 紅葉はすでにだいぶ下まで降りてきて、登山口から少し登った辺りが見頃となっていた。 すでに秋の空気となり、登るにはちょうど良い季節となった。 樹間から時々七倉ダムや高瀬湖が眼下に見え、地味な存在の唐沢岳がとても立派に見えた。 七倉尾根は急登が続くが、話の花を咲かせながら登っているうちに展望の良い天狗の庭に着いてしまった。 逆光ながらも遠く槍ケ岳を望む絶好のロケーションの天狗の庭で1時間近く寛ぐ。 指呼の間となった船窪小屋の手前で七倉岳まで日帰りで登った方や針ノ木谷からの単独の縦走者と出会ったが、その後は下山するまで誰とも出会うことはなかった。 稜線は風もなく穏やかで、眼前の針ノ木岳や不動岳、そして立山や剱がすっきりと望まれた。 2時半前に船窪小屋に着くと、予想どおり別棟の冬期小屋には誰もいなかった。 記憶では以前は狭い方の部屋が開放されていたが、今回は広い方の部屋が開放されていた。 広さは5畳ほどあり、私たち4人で貸し切ればちょうど良い広さだ。 荷物を小屋に置いて指呼の間の七倉岳に登る。 眼前の針ノ木岳・北葛岳・蓮華岳の展望は言うに及ばす、五色ケ原や薬師岳なども良く見える。 小屋から少し離れたテント場の崖の下にある“日本一危険な水場”に水を汲みにいく。 予想どおりテント場にも誰もいなかった。 足場の悪い水場には以前烏帽子岳方面から縦走した時に行ったことがあったが、今は立派なロープが水場までつけられていた。 水場から縦走路の分岐までの標高差を測ると何と150mもあった。 結局冬期小屋には誰も訪れず、当初の思惑どおり私達だけで貸し切ることが出来た。 小屋の前から見た夕焼けショーは素晴らしく、槍ケ岳の上空がピンク色に染まった。 明日も行程は長くないので、お互いの夏休みの海外の山行の土産話をしながら夜遅くまで宴は続いた。


七倉尾根を登る


七倉尾根から見た七倉岳


七倉尾根から見た唐沢岳


天狗の庭から眼下の高瀬湖と遠く槍ケ岳を望む


船窪小屋手前から見た立山(中)と船窪岳(左手前)


船窪小屋(左が冬期小屋)


冬期小屋の内部


槍ケ岳(右端)や唐沢岳(左端)を望む絶好の場所に建つ船窪小屋


七倉岳山頂付近から見た針ノ木岳


七倉岳山頂付近から見た蓮華岳


テント場の崖の下の水場から見た立山


小屋の前から見た夕焼けショー


    翌日は6時半に冬期小屋を出発し、七倉岳、北葛岳、蓮華岳を経て針ノ木峠に向かう。 料金箱が見当たらなかったので、冬期小屋の使用料の@300円を棚の隅に置く。 昨日ほどの快晴ではないがまずまずの青空に心が弾む。 雲海の向こうに富士山や八ヶ岳や南アルプスの山並みが見える。 山小屋の背後の七倉岳から次のピークの北葛岳へはコルからの登り返しが結構あったが、北葛岳を下ったコルから蓮華岳までの標高差は500m以上もあり、意外と変化に富んだ縦走路だ。 以前蓮華岳から逆に縦走した時の記憶はあまりなく、最初の岩場が新鮮に感じた。 北葛岳はもちろんのこと蓮華岳の山頂にも誰もおらず、後立山の山並みと立山・剱、そして眼下の針ノ木雪渓下部の紅葉を愛でながらのんびりと寛ぐ。 針ノ木峠まで下ってからすでに営業を終えた針ノ木小屋のベンチで一服し、山との別れを惜しみながら殆ど残雪が消えた針ノ木雪渓を下る。 針ノ木雪渓は残雪期からは想像も出来ないほど痩せ細り、雪渓の上を歩くことなく沢の両岸につけられた登山道を鎖に頼ったりしながら下りた。 日は少し陰ったが、大沢小屋の手前から紅葉が見頃となり、図らずも今シーズン最後の北アルプスの紅葉を楽しめた。 結局、今日は一日中誰とも出会わず、4時に下山口の扇沢に着いた。 車を七倉に回収し、大町町営の『上原の湯』で汗を流した。


雲海の向こうに富士山や八ヶ岳の山並みが見える


七倉岳へ登る


七倉岳山頂から見た不動岳


七倉岳山頂から見た槍ヶ岳(右端)と燕岳(左端)


七倉岳から北葛岳へ


針ノ木谷を眼下に見下ろし、立山(右端)から五色ケ原(左)の稜線を望む


北葛岳山頂


北葛岳山頂から見た蓮華岳


北葛岳山頂から見た針ノ木岳


北葛岳とのコルから蓮華岳へ岩場を登る


標高差が500m以上ある蓮華岳への登りは変化に富んでいた


蓮華岳への登りから見た北葛岳(左手前)と七倉岳(右手前)


蓮華岳山頂直下の岩屑の斜面を登る


蓮華岳山頂


蓮華岳山頂から見た後立山の山並みと針ノ木雪渓下部の紅葉


蓮華岳山頂から見た針ノ木岳


蓮華岳山頂から見た立山(左奥)と剱(右奥)


蓮華岳から針ノ木岳へ


殆ど残雪が消えた針ノ木雪渓


雪渓の上を歩くことなく登山道を下る


2 0 1 0 年    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P