2 0 1 0 年  9 月  

《 26日 》    鋸岳(第一高点)

   釜無川ゲート 〜 林道終点 〜 富士川の水源 〜 横岳峠 〜 三角点ピーク 〜 鋸岳(第一高点)  (往復)

   一泊二日で涸沢から前穂高の北尾根を登る予定だったが、台風と季節の急激な変化で天気の予想が難しかったので中止し、日帰りで山梨県側から鋸岳を登ることにした。 鋸岳(第一高点・第二高点)は10年ほど前の夏に甲斐駒から縦走して登った(下山は角兵衛沢)が、その時は登頂はもちろんのこと、現在は立派な避難小屋となっているらしい六合目石室に泊まることが目的だった。 今回は日帰りなので山梨県側から釜無川を遡るクラシックルートを往復することにしたが、意外にもネットの情報によると、昨今の『二百名山』や『山梨百名山』のブームにより、以前はマイナーだったこのルートが最近良く使われるようになったらしい。 急遽ご一緒することになった山仲間のkana‐catさんと前日の夜7時に小淵沢ICで合流し、夕食後に登山口の釜無川に沿った砂防工事用の林道のゲートの手前500m付近の路肩で前泊する。 予想どおり既に車が数台停まっていた。 翌朝は4時に出発。 標高925mの登山口の気温は7度しかなく、一週間前と比べて15度ほど低い。 自転車に乗った3人組のパーティーが先行していく(その前の2時半に2人組のパーティーが先行していた)。 ゲートからは途中まで舗装された林道を10キロほど先の終点まで延々と歩く。 焦りは禁物なので意識的にペースを落として歩く。 満月に近い月明りでヘッドランプなしでも歩ける。 勾配は緩かったが、ゲートから林道の終点にある赤い屋根の飯場用の小屋まで標高差で600mほどあった。 ここから水流の細くなった釜無川の河原を飛び石伝いに渡ったり、右岸・左岸の淵を辿ったりしながらしばらく遡ると『富士川の水源』と記された道標があり、そこから鋸岳の稜線の最低コルとなっている横岳峠まで鬱蒼とした樹林帯の急登が延々と続く。 登山道は一部が不明瞭で、所々で道を外す。 標高2000mほどの横岳峠では樹間から北岳と仙丈ケ岳が望まれ、ようやく地味な登りから解放されたが、そこから先の尾根筋の登山道も樹林は濃く、最初のピークとなる三角点ピーク(2606m)の手前まで再び展望に恵まれない退屈な登りが続いた。 2等三角点の置かれた三角点ピーク付近からは指呼の間に第一高点が大きく望まれ、いくつもの険悪なガレ沢を眼下に見ながら(最後が悪名高き角兵衛沢)岩稜を小1時間ほど辿り、11時にようやく第一高点に着いた。 今まで第一高点に隠されて見えなかった甲斐駒がいつもと違った面持ちで大きく望まれた。 間もなく角兵衛沢を登ってきた3人組のパーティーと、途中で追い越した自転車の3人組のパーティーが相次いで到着し、狭い山頂は賑やかになった。 麓から霧が湧き始めたが、先週登った荒川岳や塩見岳のみならず、中央アルプスや御嶽・乗鞍、そして北アルプスの山々も遠望された。 風もなく穏やかな山頂で30分以上寛いでから往路を戻る。 “核心”と思われた最後の2時間の林道歩きは、3人だったせいかそれほど苦痛に感じることなく、5時前に車に戻った。 道の駅『蔦木宿』の温泉で汗を流し、温泉とセットで割安になる蕎麦を食べて帰途についた。 往復4時間半という長い林道歩きにお付き合いいただいたkana‐catさんに感謝。


砂防工事用の林道のゲート


勾配の緩い林道を延々と歩く


林道の終点にある赤い屋根の飯場用の小屋


水流の細くなった釜無川の河原をしばらく遡る


三角点ピークの手前から見た北岳(左)と間ノ岳(右)


三角点ピークへの登り


三角点ピーク


三角点ピークの古い標識


三角点ピークから見た鋸岳(第一高点)


角兵衛沢


鋸岳(第一高点)の山頂


鋸岳の山頂から見た甲斐駒


鋸岳の山頂から見た仙丈ケ岳


鋸岳の山頂から見た第二高点


鋸岳の山頂から見た三角点ピーク


2 0 1 0 年    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P