2 0 1 0 年 7 月

《 6日 》    ポルタチュエロ・リャンガヌーコ峠(4767m)

    カルアス(2650m) ⇒ ポルタチュエロ・リャンガヌーコ峠(4767m) 〜 4300m地点 ⇒ セボヤパンパ(3900m)

   7月6日、昨日に続き夜中に軽い頭痛と動悸があり、明け方は1時間おきに目が覚めた。 今日は高所順応のハイキングをしてから、ピスコの登山口にあるキャンプ場まで移動する。 8時にアグリがホテルに迎えに来てくれ、マイクロバスでユンガイの町を経由してリャンガヌーコ谷を遡り、昨夏も行ったポルタチュエロ・リャンガヌーコ峠(4767m)へ向かう。

   ユンガイからリャンガヌーコ峠への道は昨日のプンタ・オリンピカ峠への道より少し良いが、それでもかなりの悪路だ。 途中のワスカラン国立公園の管理事務所で入山手続きを済ませ、チナンコーチャ湖(3850m)、オルコンコーチャ湖(3863m)の二つの湖を過ぎると、ピスコの登山口からリャンガヌーコ峠まで九十九折の急坂となる。 昨夏は曇天のため周囲の山が全く見えなかったが、今日はワスカラン南峰(6768m)、ワスカラン北峰(6664m)、チョピカルキ(6354m)、ワンドイ(6356m)、チャクララフ(6112m)などの秀麗な6000m峰、そして明日から登るピスコ(5752m)が車窓から望まれ、所々で車を停めてもらいながら撮影大会となる。 天気は昨日ほど良くないが、その迫力ある展望を充分満喫出来た。

   11時半に目的地のポルタチュエロ・リャンガヌーコ峠に到着。 この峠も昨日のプンタ・オリンピカ峠と同じように凹型に両側の岩壁を粗く削り取ってアマゾン側のモロコチャ谷に通じている。 今のところ頭痛などはないが、体調はいつもどおりではない。 峠からルピナスの群生と高山植物が多いハイキングトレイルを標高差で400mほど歩いて下る。 酸素をできるだけ体から失わないよう昨日以上にゆっくりとした行動を心掛ける。 ルピナスのことをケチュア語で“タウリ”と言い、山の名前に良く使われている“ラフ”は氷を意味するとアグリが説明してくれた。 すなわち名峰タウリラフは、ルピナスと氷を意味するようだ。

   峠から1時間半ほどで先ほどの九十九折の山道に合流し、迎えに来たマイクロバスに乗ってピスコの登山口まで下る。 車が常に路肩に停まっているピスコの登山口で車を降り、セボヤパンパ(3900m)の広いキャンプ場に向けてトレイルを僅かに下る。 今回も“大名登山”なので、すでに先行していたエージェントのスタッフ達によってテントは設営されており、ダイニングテントで遅い昼食を食べた。 昼食後にパルスで計測した血中酸素飽和度は私が84、妻が88で、脈拍は私が70、妻が73だった。

   今回は残念ながらコックはラウルではなく、昨夏ラウルを補佐していたロナウだった。 ラウルの料理の腕前は素晴らしいが、私と同じように体質的に高所に弱く、昨夏もイシンカのH.Cで苦しんでいたので、H.Cでの滞在が長い今回の山行では同行出来ないとのことだった。 スタッフ達の大半は昨夏と同じ顔ぶれで、昨夏撮った集合写真を見せると、私のことを少し思い出してくれたようだった。 夕食はトゥルーチャ(鱒)のトマトソース煮だったが、ロナウの料理の腕前はまずまずで、これからの山中での食事に期待が持てた。


ホテル『エル・アブエロ』のフイリッペ・ディアスさんと再会する


ワスカラン国立公園の管理事務所


ケチュア語で女性を意味するリャンガヌーコ谷のチナンコーチャ(湖)


チナンコーチャ湖付近から見たワスカラン北峰


リャンガヌーコ峠への車道から見たワンドイ南峰


車道から見たチャクララフ東峰(右)とチャクララフ西峰(左)


車道から見たワスカラン南峰(左)とワスカラン北峰(右)


車道から見たチョピカルキ


リャンガヌーコ谷のオルコンコーチャ(手前)とチナンコーチャ(奥)


所々で車を停めてもらいながら撮影大会となる


ポルタチュエロ・リャンガヌーコ峠(背景はワンドイ)


峠から見たピスコ西峰(左)とピスコ東峰(右)


峠からハイキングトレイルを標高差で400mほど歩いて下る


ハイキングトレイルにはルピナスの群生が多く見られた


ミリミリ


セボヤパンパの広いキャンプ場


キャンプ地にある標識


快適なダイニングテントでのランチ


コックのみならずサブガイドとしても大活躍したロナウ


夕食のトゥルーチャ(鱒)のトマトソース煮


デザートのサボテン(赤)


2 0 1 0 年    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P