2 0 1 0 年  4 月  

《 10日 》    守門岳 <スキー>

大原スキー場 〜 東藤平山 〜 守門岳(袴岳)  (往復)

    月山のスキー場のオープンに合わせて週末は月山と鳥海山に行く予定だったが、天気が悪くなりそうなので中止し、先週行けなかった守門岳に行くことにした。 3年前に二分の集落から守門岳の一角である大岳と青雲岳にスキーで登ったので、今回は大原スキー場から主峰の袴岳にスキーで登ることにした。 関越道の大和PAに前泊し、翌朝登山口となる大原スキー場の駐車場を6時半に出発。 駐車場には私達を含めて車が4台と予想以上に少なかった。 先週で終了したはずのスキー場は雪が多いためか週末のみ営業していた(リフトの運転時間は8時半から)。 二分まで縦走するという地元のベテランパーティーと相前後しながら昨日のうちに圧雪されたスキー場の緩やかなスロープを登る。 小さなスキー場でリフトは2基しかない。 天気は予報以上の快晴となり、眼前の毛猛山や越後三山、巻機、妙高などの県内の山々が良く見えた。 1時間足らずでゲレンデトップに着き、樹林帯を少しだけ下ってから東藤平山へ通じる尾根に取り付く。 登山道があるような登り易い尾根だったが、中間点の急斜面では雪の圧力で何本もシュルントが口を開き、行く手を阻んでいた。 スキーを担ぎ、足場を一歩一歩確めながら緩みかけた雪にピッケルを打ち込んで慎重に登る。 予想していなかった難所を越えると再び登り易い尾根となり、ゲレンデトップから2時間半ほどでなだらかな主稜線の藤平尾根に出た。 尾根に上がってからも風がなく気温の上昇で目に見えて雪が腐ってくる。 傾斜の緩やかな尾根を鼻歌交じりに登って行くと、突然ヘリが飛んできて青雲岳の上で何か下に向かって叫んで飛び去っていった。 後で縦走してきた方から話しを聞くと、大岳付近の雪庇に近づかないようにとの警告だったようだ。 登山口から5時間を要し、袴岳の山頂に11時半に着いた。 主脈上の青雲岳や大岳はもちろんのこと、粟ヶ岳、御神楽岳、浅草岳、そして佐渡の金北山や飯豊連峰も遠望され、先週に続き360度の展望を見ることが叶った。 少し遅れて到着した地元のベテランパーティーと談笑したりしながら山頂で1時間ほど寛ぎ、12時半に滑り出す。 今日は新潟市でも気温が20度以上になると予報されていたので仕方がないが、すでに雪は腐り、快適な滑りは全く出来なかった。 山頂からは雪庇の発達した緩やかな尾根を東藤平山までだらだらと滑り、登ってきた尾根を少しだけ下った先から尾根を外れて左の上祝沢に飛び込む。 上祝沢の上部はそこそこ広いが、途中で「のど」のように狭まっている所がどう見ても嫌らしい。 ぐさぐさに腐った急斜面を斜滑降でごまかしながら「のど」に向かって滑る。 案の定雪の圧力のかかる「のど」の部分にはシュルントが口を開いていた。 飛び越えるのはとても危険だったので、スキーを外して方向転換したところ誤って片方のストックが手から外れてしまい、そのままスルスルとスローモーションのように3mほど下のシュルントに吸い込まれてしまった。 危険を覚悟でストックを拾いにシュルントに近づくと下は滝になっていて、もし私が落ちたら脱出不可能であの世行きだった。 「のど」を過ぎると再び沢は広くなり、中間部では思わず万歳したくなるような緩斜面のオープンバーンになっていた。 しかしながら今日は雪質も悪く、またちょっとした不注意でストックを無くしたことに対する苛立ちから失意の滑りとなった。 雪に覆われた林道に合流すると大原スキー場の上部に導かれ、閑散としたスキー場を滑ってまだ陽の高い2時に駐車場に戻った。


大原スキー場入口から見た守門岳


スキー場のスロープを登る(正面が東藤平山 ・ 右端が守門岳(袴岳)


ゲレンデトップから見た越後駒(中央奥)


東藤平山への尾根


東藤平山


尾根の中間点のシュルントを回避しながら登る


主稜線の藤平尾根


なだらかな藤平尾根の中間部


守門岳(袴岳)直下の雪庇の発達した尾根を登る


守門岳(袴岳)山頂から見た青雲岳(左)と大岳(右)


守門岳(袴岳)山頂


守門岳(袴岳)山頂から見た浅草岳


守門岳(袴岳)山頂から見た飯豊連峰


守門岳(袴岳)山頂から見た粟ヶ岳


守門岳(袴岳)山頂直下を滑る


なだらかな藤平尾根の中間部を滑る


ぐさぐさに腐った上祝沢の上部を滑る


雪質が良ければ思わず万歳したくなるような上祝沢の中間部の緩斜面


上祝沢の下部から見た沢の全容


閑散としたスキー場を滑って駐車場に戻る


2 0 1 0 年    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P