《 4日 》 越後駒ケ岳 <スキー>
石抱橋 〜 道行山 〜 小倉山 〜 越後駒ケ岳 (往復)
この時期の越後駒ケ岳への登山口となる銀山平の石抱橋に通じる奥只見シルバーラインの通行時間が朝の6時から夜の6時までなので、ゲートの脇のトイレのある駐車場に前泊する。 ゲートが開く6時前には30台ほどの車の列が出来たが、大半は丸山スキー場に行く車で、石抱橋に向かった車は6〜7台だった。 石抱橋を渡ったすぐ先の除雪の終了点の道路脇に駐車して6時45分に出発。 すでに先行者が2〜3名いるようだ。 久々の快晴の天気に胸が躍る。 登山口を同時に出発した地元の方に話しを伺うと、今年は麓でも残雪が多く近隣の山々も雪が多いとのことだった。 朝陽に照らされた越後駒や中ノ岳には昨日も新雪が僅かに積ったようでとても綺麗だ。 北ノ又川の左岸(右側)を500mほど進んで右上の林道に乗り、先行者の明瞭なトレースに従って傾斜のない雪の林道に沿ってスキーを快適に走らせる。 石抱橋から45分ほどでガイドブックに記された道行山への尾根ルート(道行新道)に取り付く目印となる柳沢らしい水流が見えたが、尾根に取り付いているトレースがなかったので、ラッセルを嫌って先行者のトレースどおりに先に進む。 そこから15分ほどで前方に越後駒を望む開けた河原に出ると、右手に道行山へ通じる顕著な尾根があり、先行者の姿が見えた。 尾根の傾斜はきつそうだったので迷わずスキーを担ぐ。 ここから道行山までの標高差は500mほどあるので、妻とのペースを合わせるため妻のスキーも一緒に担ぐ。 道行山への尾根の下部は痩せていたが先行者のトレースのお蔭で非常に快適な登高となる。 右手には道行新道の尾根が見えた(下りはその尾根を滑った)が、こちらの尾根の方が登り一本調子で結果的に早かったような感じがした。 明るい尾根からは越後駒や中ノ岳、そして荒沢岳の展望が終始良く小躍りしたくなるような心境だ。 雪の状態がベストだったので、予定よりも早く9時に道行山に着いた。 道行山からは小倉山や前駒を経て山頂に至る稜線が一望でき、無雪期とは違う景色の雄大さに思わず息を飲む。 後続のパーティーも私達と同じルートを辿ったようでポツポツと登ってくる。 ここから先は昨年の秋に訪れているので、ルートの状況は概ね分かる。 稜線には風が多少あるが寒さはなく、雪の状態を保つには好都合だ。 最初のポイントとなる小倉山へは夏道のコースタイムよりも早く着き、山頂直下を左側からトラバースする。 小倉山からはしばらく緩やかな尾根を辿る。 途中スキーが下駄を履いてしまい難儀するが、正面の越後駒の迫力ある展望に励まされる。 前駒直下の傾斜は少し急だったが、シールが良く利き快適に登れた。 帰路の滑りも期待できそうだ。 前駒からは燧ケ岳など尾瀬方面の山々も良く見えた。 前駒から駒の小屋までの間は急な痩せ尾根になっているので再びスキーを担いで登るが、妻はここを滑るのを嫌がって駒の小屋の手前でスキーをデポした。 ペースはゆっくりだったが、予定よりも早く正午前に駒の小屋に着いた。 山頂は風が強そうだったので小屋の前で大休止してから山頂に向かう。 途中から夏道を外れて山頂に直登する。 シールも良く利き、小屋から20分ほどで山頂に着いた。 風はそれほど強くなく、周囲の展望を充分満喫出来た。 間もなく外国人の方が登ってきたので声を掛けてみると、何とガイドのツヴェートさんだった。 話しを伺うと、お客さんに越後駒のスキーのガイドを頼まれたので、その下見を兼ねて奥さんの中島さんとに遊びにこられたとのことだった。 将来オートルートのガイドをしていただけるか尋ねてみると、過去に3回ほど経験があるのでOKとのことだった。 賑やかな5〜6名の団体と入れ違いに駒の小屋に向けて滑る。 雪質は少し硬めのザラメで気持ち良くターンが決まる。 駒の小屋からは登山道どおりに痩せ尾根を滑るか、右の急斜面の広い沢を滑るかだが、雪が少し緩んできたので思い切って沢に飛び込むと、これが実に良い雪質で、どこまでも滑っていきたいという衝動に駆られたが、途中から前駒に向かってトラバースして尾根に戻った。 前駒から小倉山を経て道行山までの幅の広い尾根は気温があまり上がらなかったお陰で滑りは予想以上に快適だった。 最後の道行山へは板を担いで10分ほど登り返したが、傾斜も緩く全く苦にならなかった。 ここまでくれば下りの時間も計算出来るので、逆光で凄みを増してきた越後駒を眺めながら大休止する。 白沢方面の枝沢を苦戦しながら滑っているツヴェートさんの姿が豆粒ほどに見え、道行山で休んでいた人達が固唾を呑んで見守っていた。 道行山からは荒沢岳を正面に道行新道の尾根を滑る。 次第に尾根が痩せてきたので左側の柳沢に飛び込みたくなったが、先行者のトレースを辿って滑る。 意外にも午後の陽射しがない東側の尾根の雪の状態は良く、最後の最後まで快適な滑りが楽しめた。 トレースに従って行くと今朝確認した柳沢と林道との出合に着いた。 春の訪れを感じさせる北ノ又川の左岸の林道を30分ほど流して夕方の4時に石抱橋に戻った。