2 0 1 0 年  1 月  

《 3日 》    古賀志山

古賀志山 <ゲレンデ>

    宇都宮市郊外にある古賀志山は標高583mという低山の里山であるが、隣接する寂峰とを繋ぐマイナーな登山道を加味したルートを選べばちょっとした岩場もあり、半日行程であるが西上州の山を思わせる小気味良さがある。 今回は山歩きではなく、ニュージーランドの山に向けての岩登りの練習としてその山中にある岩壁のゲレンデに行くことにした。 早朝自宅から2時間足らずで8時過ぎに古賀志山の麓に着き、林道から10分弱登ると目的のゲレンデに着いた。 正月ということもあり、まだ誰もいない様子だった。 事前に調べておいた初心者向けの易しいルート(5.8)を探したが、ザイルが張られていないと分かりにくい。 誰もいないので、しばらく写真を撮ったりしながらルートをつぶさに観察していると、どこからともなく地下足袋を履いた年配の方が現れ、まるでゲレンデの管理人のような雰囲気で私達に声を掛けてきた。 雑談を交わしながら今日の練習の目的を話したところ、すぐにゲレンデの片隅にあった一番易しいルートに案内してくれ、終了点やリングボルトの信頼性などについても細かく説明してくれた。 また、ここは週末には沢山の人が訪れるが、このルート近辺には殆ど人が来ないことなども親切に教えてくれた。 帰宅後に調べたところ、ここはまさに「3級ルート」と命名された初心者向けの易しいルートだった。 それでも登山靴で登るため、安全第一にオンサイトは狙わず、15mほど上の終了点まで岩場の脇にあった草付きの急斜面を木々にザイルを張りながら登り、1時間近くかけてトップロープのセットを行った。 まず終了点から懸垂下降でルートを観察しながら下り、次いでそのままの状態で巻き付け結び(フレンチノット)による自己確保で私が登り(妻は体重が軽く非力なので私を確保することが出来ないため)、再び懸垂下降で下りてから妻が普通のトップロープで登り、ロアーダウンによらず懸垂下降で下るという基本的な動作の確認をお互いに違う方法で繰り返し行った。 間もなく周囲からクライマーの声が聞こえるようになってきたが、管理人?さんの言ったとおり、こちらの方には時々“トイレ”目的に来るだけだったので、気兼ねすることなく練習出来て良かった。 手袋をしたりしながら何本か繰り返し登った後、今度はアイゼンを着けての登下降の練習をしたが、登りでは全く歯が立たず懸垂下降をするに留まり、あまり効果がないので数回で止めた。 他にルートを探すこともなく、再び元の地味な練習を続けた。 今回は目的があってここに来たが、年に数回はこういう練習も大事だなと思った。


 

古賀志山全景


1時間近くかけてトップロープのセットを行う


「3級ルート」と命名された初心者向けの易しいルート


巻き付け結び(フレンチノット)による自己確保で登る


トップロープで登る


アイゼンを着けて懸垂下降をする


2 0 1 0 年    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P