2 0 0 9 年 1 2 月  

《 13日 》    赤岳

美し森 〜 赤岳  (往復)

    八ヶ岳(特に赤岳)は首都圏から近く、また通年営業している山小屋も(過剰に)あるため、一年を通して登る人が多いが、清里方面から赤岳に通じる真教寺尾根や県界尾根は冬の間登山者が少ないと言われていた。 ネットでの情報を見る限りでも、年末年始にはそれなりの人出があるが、それ以降の入山者は殆どいないような感じであった。 正月前の積雪量はどの山域でも年によって千差万別であるが、この時期の真教寺尾根を辿って赤岳に登ることにした。 真教寺尾根の登山口となる『美し森たかね荘』の駐車場に前泊し、5時半に出発。 駐車場に他の車はなく、予想通り日帰りの登山者は私達だけのようだ。 ラッセルを想定し、ワカンかスノーシューかの選択に迷ったが、機動力を重視してワカンを持っていくことにした。 すでに登山口から僅かであるが積雪があり、同時に昨日のものと思われる新しいトレースがあった。 1時間ほどで『大泉清里スキー場』のゲレンデトップと合流し、朝焼けに染まる金峰山が見えた。 この辺りでの積雪はまだ10センチほどであったが、その先の牛首山付近では30センチほどとなった。 新しいトレースは登りと下りとが一人ずつであったが、登りのトレースが後に印されていたので、どちらも縦走者のものではないかと想像された。 案の定、トレースは途中の牛首山や扇山のピークまでではなく、山頂に向けて続いていた。 一昨日から腰痛を患っている妻のためにトレースを意識的に拡幅しながら登るので疲れるが、ラッセルの苦労を考えれば桁違いに楽である。 森林限界となった8合目付近で妻が山頂を諦めたので、ここから先はアイゼンを着けて一人で山頂に向かう。 指呼の間となった大天狗の岩峰が立派に見える。 雪はこの時期にしては少ないのか、鎖や岩がまだ半分くらいしか雪に埋れていなかった。 岩が完全に雪に埋まってしまえばもっと歩き易いのかもしれないが、そうなると下部の樹林帯のラッセルが大変となる。 トータルで考えるとやはり正月前のこの時期か、3月中旬以降の雪の締った状態がベストかもしれない。 稜線に出ると西から吹きつける風が強かったが、意外にも北部の天気は予報以上に良く、北アルプスの銀嶺が一望出来た。 少しリスキーな稜線を文三郎尾根の分岐まで辿り、正午前に赤岳の山頂に着いた。 山頂には主稜などのバリエーションルートを登ってきたガイドパーティーなどが数人いた。 妻を待たせているので休憩はせず、写真だけ撮ってトンボ返りで往路を下る。 やはり今日の真教寺尾根は貸し切りだった。 トレースは綺麗に出来上がり、4時前にたかね荘の駐車場に着いた。


朝焼けに染まる金峰山


賽の河原から見た赤岳


賽の河原付近から見た北岳


扇山付近の樹間から見た赤岳


8合目付近から見た大天狗の岩峰


9合目付近から見た赤岳の山頂


稜線から見た権現岳(背景は南アルプス)


稜線から見た北アルプスの銀嶺


稜線から見た赤岳の山頂


赤岳の山頂から見た北八ヶ岳


赤岳の山頂から見た阿弥陀岳


赤岳の山頂から見た真教寺尾根


2 0 0 9 年    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P