2 0 0 9 年 1 1 月  

《 23日 》    地蔵岳 ・ 赤抜沢ノ頭 ・ 観音岳 ・ 薬師岳

    御座石鉱泉 〜 燕頭山 〜 鳳凰小屋 〜 地蔵岳 〜 赤抜沢ノ頭〜 観音岳 〜 薬師岳 〜 青木鉱泉付近の林道  (縦走)

    天気予報に翻弄された今年最後の三連休の最終日は、ゆきさんと日帰りで鳳凰三山に行くことになった。 青木鉱泉から御座石鉱泉への登山道は不明瞭で、暗くなると分かりにくいため、今回は車を2台使い、御座石鉱泉を起点として地蔵岳・赤抜沢ノ頭・観音岳・薬師岳を縦走して青木鉱泉に下るルートとした。 下山口とした青木鉱泉の駐車場に前泊し、4時前にゆきさんと合流してから車1台を付近の林道に置いた後、登山口とした御座石鉱泉に向かい、4時半過ぎに出発。 今年の3月に同じルートを辿り高嶺を目指したが、深雪のため地蔵岳までしか行けなかったことが思い出された。 昨夜雨(雪)をもたらした雲が残り、空は朝焼けに染まらなかったが、周囲が薄明るくなってくると樹間から金峰山や八ヶ岳が見えた。 間もなく朝陽に照らされた北アルプスの銀嶺も遠望されるようになり、今日の好天に期待が高まった。 御座石鉱泉から1時間ほど登った標高1500m辺りから足元に昨夜の新雪が見られるようになり、標高に比例して積った雪の量はみるみる増え、燕頭山(2105m)の手前あたりから10センチほどの新雪を踏んで歩くようになった。 晩秋のこの時期に数時間前に降ったばかりの新雪を踏めることは嬉しいが、前回のラッセルの苦い経験があるので、果たして予定どおり三山を縦走出来るかどうか少し心配になる。 燕頭山から先ではさらに雪の量は増え、周囲は雪山の景色となった。 樹間から甲斐駒や地蔵岳のオベリスクが青空の下に望まれ、山頂からの展望にますます期待が高まる。 鳳凰小屋から下山してくる登山者もなく、ゆきさんと先頭を交代しながら新雪を踏み続ける。 所々の吹き溜まりでは膝まで潜るが、雪は軽く登山道の道形も明瞭だったので、コースタイムどおりに歩いて9時半前に鳳凰小屋に着いた。 今日で営業を終える鳳凰小屋では管理人さんとスタッフの方が忙しそうに小屋じまいの作業をしていた。 昨夜は6名のみの宿泊で、今回の連休は天気予報が悪かったせいで例年よりも宿泊客が少なかったようだ。 鳳凰小屋からは先行者のトレースに助けられ、労せずして1時間ほどで地蔵岳のオベリスクの基部に着いた。 いつものように風が強かったが、甲斐駒や仙丈、そしてアサヨ峰が出迎えてくれた。 時間に余裕はないが、北アルプスや乗鞍もはっきり見える展望の良さに時間が経つのも忘れてしまう。 オベリスクの頂の攀じ登ることは割愛し、指呼の間に見える赤抜沢ノ頭へ向かう。 地蔵岳に登った6名のうち4名が下山していったので、稜線上の残りの2名のトレースを辿る。 赤抜沢ノ頭からは地蔵岳から見えなかった白峰三山や荒川岳が頭を揃え、360度の素晴らしい展望と雲一つ無い予報以上の快晴の天気に再び長居をしてしまう。 稜線上には夜叉神峠方面からの縦走者の影もなく、この贅沢な景色を私達だけで独占しながら、鳳凰三山の最高点の観音岳へ縦走する。 所々で風が強くなるが、この稜線はいつも風が強いので気にならない。 意外にも観音岳の山頂付近で軽装の登山者と出会った。 不思議に思って声を掛けると、薬師小屋(南御室小屋)の管理人さんだった。 やはり今日小屋を閉められた後に展望を楽しまれていたようだ。 観音岳からの展望はやはり三山の中では一番素晴らしく、指呼の間の薬師岳の向こうに富士山も立派に見えた。 最後のピークである薬師岳には2時前に着いたが、衰えを知らぬ展望の良さに下山したいという意欲が全く湧かず、時間がないことは百も承知で富士山を眺めながら30分近く居座ってしまった。 意外にも青木鉱泉に下る中道のルートは、燕頭山から鳳凰小屋への登路よりも積雪が多かったが、先行者のトレースに助けられ、コースタイムよりもだいぶ早く下ることが出来た。 林道に出る直前に鳳凰小屋から先行していた2名に追いつきラッセルの御礼を言う。 晩秋の日は短く、日没寸前に青木鉱泉付近の林道に置いた車に戻った。


燕頭山の手前あたりから数時間前に降ったばかりの新雪を踏む


燕頭山の山頂


燕頭山付近の樹間から見た甲斐駒


燕頭山付近の樹間から見た地蔵岳


燕頭山付近の樹間から見た八ヶ岳


燕頭山から先ではさらに雪の量は増え、周囲は雪山の景色となった


ゆきさんと先頭を交代しながら新雪を踏み続ける


暖かな鳳凰小屋のテラスで管理人さんと歓談しながら寛ぐ


鳳凰小屋からは先行者のトレースに助けられて地蔵岳に登る


地蔵岳のオベリスク直下の登りはアイゼンを着けずに登る


地蔵岳のオベリスクの基部から見た甲斐駒(右)・ アサヨ峰(中)・ 仙丈ガ岳(左)


地蔵岳のオベリスクの基部から見た観音岳


地蔵岳のお地蔵様


地蔵岳のオベリスク


赤抜沢ノ頭から見た白峰三山


赤抜沢ノ頭から観音岳へ


観音岳の山頂付近から八ヶ岳を遠望する


観音岳の山頂(背景は甲斐駒)


観音岳の山頂(背景は北岳と間ノ岳)


観音岳の山頂から見た地蔵岳


観音岳の山頂から見た薬師岳


観音岳の山頂から見た仙丈ガ岳


薬師岳の山頂付近


薬師岳の山頂


薬師岳の山頂の岩のオブジェ


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