《 31日 》 表妙義
妙義神社 〜 相馬岳 〜 東岳 〜 中之岳 〜 西岳 〜 第四石門 〜 妙義神社 (周回)
今年の秋は9月の裏岩手を除いて素晴らしい紅葉に出会えなかった。 その思いと週末の天気が合致する山を選んだところ、行き先は表妙義となった。 表妙義は地図も要らないほど“通い慣れた道”であるが、唯一の気掛かりは人出の多さである。 一昔前は殆ど人に会わなかった表妙義の縦走路も、昨今ではガイド登山も含め春と秋は登山者が多くなった。 また、それに伴い鎖が新調されたり道標が過剰に整備されたりして、少々面白みに欠けてきたことも事実だ。 前日は仕事が夜遅くまであったので、登山口で前泊せずに早朝山に向かう。 登山口の妙義神社を7時半に出発したが、すでに登山者用の駐車場には車が十数台停まっていた。 土曜日がこの位だから日曜日はかなり混雑するのだろう。 私達だけでベストシーズンの秋の表妙義を歩くのも久しぶりだ。 最初の奥の院の鎖場(慣れてくれば鎖は不要)でザイルを使っているパーティーがあり少し待たされたが、その後は相馬岳までの間で3パーティーを追い越すと、しばらくは静かな山歩きとなった。 気温が高く風も無いので、天気は良いが春霞で周囲の展望は少し冴えない。 しかしながら稜線の紅葉は期待どおりで充分満足出来た。 9時半過ぎに相馬岳に到着。 山頂には先客が数人いたので休まずに先に進む。 アップダウンの連続する茨尾根も所々で紅葉が綺麗で癒される。 相馬岳から先では表妙義のもう一方の登山口となる中之嶽神社から登ってきた2組のガイドパーティーを含む4組のパーティーとすれ違っただけで、鷹戻しの鎖場は渋滞もなく登れた。 東岳を経て12時半に中之岳に到着。 もう中之嶽神社からの登山者もなく、いつもと変わらぬ静かな頂となったが、真下の石門群には大勢の観光客で賑わっているのが見えた。 大休止のあと中之嶽神社への分岐から西岳を往復する。 登山禁止の看板に加えロープが登山道を塞いでいるため、ここから先はいつも静かだ。 表妙義の中で唯一の“聖域”かもしれない。 途中にある二箇所の小さな岩場に付けられているトラロープはまだ健在で、ザイルを使わずに登れた。 予想どおり誰もいない静かな西岳の頂で最後の展望を楽しみ、中之嶽神社への分岐から喧騒の石門広場へ下る。 空は少し曇ってきたが妙義神社へ戻る中間道の紅葉も見頃で、家族連れや大勢の団体客と行き交った。 妙義神社の脇の車道を通り、夕方の4時に登山者用の駐車場に着いた。